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熱烈歓喜『RRR』来日舞台裏! 監督&チャラン&NTRは日本で何を楽しんだ? 配給ツインと宣伝Pが明かす【後編】

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ライター:#BANGER!!! 編集部
熱烈歓喜『RRR』来日舞台裏! 監督&チャラン&NTRは日本で何を楽しんだ? 配給ツインと宣伝Pが明かす【後編】
『RRR』(左から)ラーム・チャラン、S.S.ラージャマウリ監督、NTR Jr. (撮影:白井晴幸)

もはや説明するまでもないと思うが、超大作アクション映画『RRR』が日本でも大ヒット中だ。BANGER!!!では公開前から大プッシュしてきた『RRR』だが、かつて『バーフバリ』シリーズ(2015年/2017年)がそうだったように、本作にも“影の立役者”が存在する。

そこで、映画配給の株式会社ツイン古田雄揮氏と、宣伝担当の株式会社マンハッタンピープル原悠仁氏に、『RRR』を大ヒットに導いた秘訣を聞いた。S.S.ラージャマウリ監督&NTR Jr.ラーム・チャランの来日秘話からファンへの想いまで、たっぷり語っていただいたインタビューの後編をどうぞ。

『RRR』(左から)ラーム・チャラン、S.S.ラージャマウリ監督、NTR Jr. (撮影:白井晴幸)

「今回も絶対に来日してほしいと思っていた」

―11月4日、ファンの皆さんが熱望していた<応援上映>がついに実現しました。まだ色んな制限がある状況かと思いますが、実現に至った経緯を教えてください。

古田:声出しの応援上映は必ずやりたいと思っていました。ただ、映画館では様々な制限があるので、すぐに実施するのはなかなか難しかったんです。もう少し先になっても実現できれば……と考えていたのですが、今まさにお客様が『RRR』を楽しんでくださっていて、声出しの応援上映を希望されている声をSNS上で見ていると、何かできないものか? と思い、「ホールを借りちゃえ!」という結論に至りました。東京都の感染症予防対策のルールもあるので、少ないキャパシティで席数も減らして、やってみることにしました。

:実現できて良かったです。会場でお客様の反応を見ていましたが、映画が盛り上がっていくにつれて、皆さんの気持ちも上がって、ナートゥダンスあたりでの熱狂ぶりは涙が出るくらい嬉しかったです。仲間たちと一緒に好きな映画を観られたという感覚です。皆で「ドスティ」とか、「ロード・エイム・シュート」って言いたいですよね。

古田:やっと『バーフバリ』のときのような雰囲気に戻ってきたなと感慨深かったです。僕にとっては声出しの応援上映が日常というか、『バーフバリ』のときは1年間ほど応援上映に携わっていましたから。

―応援上映は実施するごとにお客様から色んな盛り上げ方のアイデアが出てきて、皆で作り上げていくものだと思うので、『バーフバリ』のときのように続けていけるといいですね。

古田:そうですね、ぜひ実現させたいです。まだまだ色んな制限がある中なので、今後どういった形で応援上映ができるか、各所と交渉を進めているところです。

※今回の取材後に『RRR』応援上映の開催決定が発表された。2022年11月30日(水)新宿ピカデリーにて、『RRR』の<無発声応援上映>が開催される。詳細はこちら、もしくは新宿ピカデリー劇場HPをご確認ください。

―『バーフバリ』のときは監督・プロデューサー・出演者の来日を実現されました。ツインさんの中で、今回も監督や出演者を日本に呼びたいという強い思いがあったのでしょうか?

古田:『バーフバリ』の時は関係者の来日ですごく盛り上がったという経験があったので、『RRR』でも絶対に来日してほしいと思っていました。

今回は、まずラージャマウリ監督が来日に対してとても前向きでした。インタビューでもお話されていましたが、『バーフバリ』のときに日本のファンから大歓迎を受けたことにとても感激されていて、『RRR』のキャスト・スタッフにも同じ感動を味わってほしいと強く思っていただけたことで、来日が実現しました。

:ツインさんから、まずはラージャマウリ監督の来日が決まったというお話をいただいて。多くて6、7名くらいスタッフを連れて来日されるのかなと思っていたのですが、監督が出演者にも声をかけてくださったのか、NTR Jr.さんとラーム・チャランさんの来日も決まり、ご家族やインド側の宣伝担当なども加わって、気づいたらかなりの大所帯になって総勢24名で来日されました(笑)。

「ラージャマウリ監督の気配り、チャランのファン対応、NTR Jr.の日本語力」

―NTR Jr.やラーム・チャランに事前にインタビューさせていただいた際には、日本でやりたいことリストを作っていて、来日をとても楽しみにされていましたね。お二人からは“行ってみたい/食べてみたい”リクエストはありましたか?

:スタッフ経由で、ずっと「“シバユウ”に行きたい」とお願いされていて、シバユウとは何のことなんだろう? と思いながら話していたのですが、結局は“シブヤ”のことでした(笑)。まずは渋谷に行ってみたかったようです。皆で渋谷スクランブル交差点を、腕を組んで歩いている動画がSNSに上がっていましたね。

古田:ラーム・チャランさんはラーメンを食べに行ったり、甘いものもお好きなようで、こちらが用意したどら焼きを気に入って食べていました。NTR Jr.さんはカプチーノがすごく好きだったようで、スターバックスのカプチーノを何度も飲んでいましたね。念願のお寿司も食べることができて、マグロが美味しかったみたいです。最後の舞台挨拶が終わってからは、ラージャマウリ監督、ラーム・チャランさん、NTR Jr.さんはご家族と共にプライベートで京都旅行を楽しんでらっしゃいました。

『RRR』舞台挨拶前に舞台袖で談笑する(左から)NTR Jr.、ラーム・チャランS.S.ラージャマウリ監督(撮影:ツイン 古田雄揮氏)

:ラージャマウリ監督に、京都のどこを観光すべきかと聞かれました。監督が金閣寺や銀閣寺の写真を見ていたので、どういったところか説明しました。龍安寺の「15個の石が、どこから眺めても1個が他の石に隠れて14個しか見られないという石庭に行ってみたい」というお話もされていましたね。本当に色々調べられていて、日本のファンと共に、日本のことも愛してくれているんだなと思いました。

古田:舞台挨拶では、ラージャマウリ監督から「次回作では、日本で一部のシーンを撮影したい」というお話も飛び出していましたね。

『RRR』舞台挨拶(左から)NTR Jr.、S.S.ラージャマウリ監督、ラーム・チャラン(撮影:ツイン 古田雄揮氏)

―他にもスタッフだけに見せた、3人の意外な素顔はありますか?

:ラージャマウリ監督は本当に人格者で、自分が出したゴミはスタッフに渡さず必ず自分で捨てるところとか、集合時間には10分前に着いていること、それと俳優たちにも日本のスタッフを待たせないように声がけされていましたね。ラージャマウリさんは映画監督としての才能もそうですが、その人柄も「この人と仕事がしたい!」と言われる理由なんでしょうね。本当に気配りができる方です。

ラージャマウリ監督に新宿ピカデリー前に多くのファンが集まってくれていることを事前にお知らせしたところ、さすがに皆さん一人一人と写真を撮ることやサインすることは難しいということで、監督から「皆とこういう角度で写真を撮ろう」とレクチャーを受けまして、皆さんと写真が撮れるように考えてくれていました。本当にファン想いで気さくな方です。

それと3人から、「声出しの応援上映ができないんだよね?」と何度か確認されていましたね。この時点ではまだ予定されていなかったので、できないと分かると、とても残念そうにされていました。ファンの方々も声出しの応援上映を見せたかったと思うので、僕らも声出しの応援上映がまたできた際には、ご本人たちにその映像を届けたいです。その映像を見て、また日本に来たいと思ってもらえるはずです。

古田:ラーム・チャランさん、NTR Jr.さんのファンサービスはすごかったです。会場の全ての席に目線を送って手を振っていて、本当にプロ中のプロですね。

NTR Jr.さんは舞台挨拶の際に、日本語でファンに直接話しかけたいという想いが強かったようで、長文のメッセージを日本語で話されたことに驚きました。舞台挨拶の当日の朝、ご本人から英語で「こういうメッセージを日本語で言いたいんだけど」と相談があったんです。それがすさまじい長さで、これを日本語で話せるのか!? と日本のスタッフの間でもザワつきました。日本人でも、あの長さのメッセージを記憶して舞台上で話すことは難しいと思うくらいでしたが、NTR Jr.さんは完璧に話されていた。彼は5カ国語に堪能なのでとても耳が良く、発音も素晴らしかったですね。実は最後の最後まで舞台袖で練習されていたんですが、そこで「上手ですね。ぜひ日本の映画にも出てください」と半ば冗談のつもりでお伝えしたところ、「呼んでくれたら出る!」と即答されていました。

『RRR』NTR Jr. (撮影:白井晴幸)

「ファンのおかげで大きくなった作品。これからも引き続き応援してもらえれば」

―『RRR』は本当に大ヒットしていますし、これからますます日本に素晴らしいインド映画が入ってくることにも繋がると思います。最後に『RRR』をサポートしてくれている観客やインド映画ファンに向けて、メッセージをお願いします。

:『RRR』の宣伝は本当に皆さんに助けられたので、とても感謝しています。ありがとうございます。皆さんのことを信頼しています。今回の来日もツインさんが頑張ってくださった部分もありますが、ファンの皆さんがいたからこそ実現したのだと思っています。

日本ではインド映画がまだまだマイノリティで、どうしても“踊る映画”だったりとざっくりしたイメージで見られてしまうこともありますが、まだ日本で劇場公開されていない本当に素晴らしい作品がたくさんあって、ファンの皆さんもそのことを伝え続けてくれているので、こんなことを僕が言うのも何ですが、これからもインド映画の魅力を発信し続けていってほしいです。“願えば”きっとツインさんが配給してくれるはずです!(笑)。

『RRR』来日舞台挨拶

古田:今回、舞台挨拶で『バーフバリ』で出会った皆さんと再会することができて、声をかけてくださった方もいて、とても感動しました。『バーフバリ』の上映から3年が経った今でも、ツイン配給のラージャマウリ監督最新作をまた観に来ていただけるのが、本当にありがたかったです。長いスパンでインド映画を愛してくれているのが嬉しいですし、舞台挨拶でファンの皆さんが同窓会のように再会を喜んでいる姿も、とても素晴らしい光景でした。

皆さんSNSで交流されているとは思いますが、コロナ禍でリアルに会うことが難しかったと思います。そんな中、『RRR』が皆さんを再び繋ぐ機会になれたのも素晴らしいことですし、映画を届ける側として、そんなファンの皆さんを見ることができるのも幸せです。

「『バーフバリ』で人生が変わりました」と多くの方がおっしゃってくださいますが、ツインも、僕自身も『バーフバリ』を経て人生が大きく変わりました。『RRR』でも『バーフバリ』のように、「人生が変わった」という方が一人でもいてくださると嬉しいです。原さんがおっしゃる通り、『RRR』もファンの方によって大きくなった作品だと思いますので、これからも声出しの応援上映の実施や、IMAX上映を復活させていきたいと思っています。

:舞台挨拶の時に、何度も「ツインさんですか?」と話しかけられました。ファンの皆さんのツインさんへの信頼がすごくて、IMAXでツインのロゴが出た時に拍手される方もいて、本当にすごいことです。

古田:本当にありがたいことです……感謝しかありません。長い目で応援し続けていただけると幸いです。

『RRR』は2022年10月21日(金)より全国公開中

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『RRR』

舞台は1920年、英国植民地時代のインド。
英国軍にさらわれた幼い少女を救うため、立ち上がるビーム。大義のため英国政府の警察となるラーマ。
熱い思いを胸に秘めた男たちが運命に導かれて出会い、唯一無二の親友となる。しかし、ある事件をきっかけに究極の選択を迫られることに。
彼らが選ぶのは、友情か?使命か?

監督・脚本:S.S.ラージャマウリ
原案:V.ヴィジャエーンドラ・プラサード
音楽:M.M.キーラヴァーニ
出演:NTR Jr. ラーム・チャラン

制作年: 2022