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真剣佑が父・千葉真一と同じく“戦国タイムスリップ”で胸熱!『ブレイブ -群青戦記-』と“笑い”に懸けた運動会の思い出

真剣佑が父・千葉真一と同じく“戦国タイムスリップ”で胸熱!『ブレイブ -群青戦記-』と“笑い”に懸けた運動会の思い出
「ブレイブ-群青戦記-」 Blu-ray&DVD発売中
Blu-ray:7,480円(税抜価格 6,800円)
DVD:6,380円(税抜価格 5,800円)
発売・販売元:東宝
©2021「ブレイブ-群青戦記-」製作委員会 ©笠原真樹/集英社

順位よりも“笑い”に懸けた運動会

9月に入って暑さも少し和らいできたが、世間的に9月というのはどんな時期なのだろうか。学生さんなら夏休みが終わり、2学期が始まる気だるい月でもあるだろう。気候的には中秋の名月で、お月見をするのにいい季節だ。食欲的にも美味しい旬のものが出始める季節でもある。ただ私にとって9月は特別で、私事で恐縮なのだが誕生日月なのだ。

2022年で半世紀の50歳を迎えたのだが、この歳になると誕生日もさほど嬉しくもなくなってくる。腰痛、老眼、膝関節の痛み、酒席の〆で夜中に食べたラーメンによる朝の胸焼け。年々増える老いとの戦いの日々なのだから。では子供の頃は9月になるとワクワクしていたか、といえばそうでもない。

うちのお袋は子供におもちゃを買い与えないことでお馴染みのお袋だったので、誕生日といえども欲しいものを買ってもらえなかった。当時は毎年決まって、真新しい学校指定の体操着とダサい運動靴。なぜなら、もうすぐ秋の大運動会があるからだ。確かに子供の頃の誕生日と運動会といえばビッグイベントだったが、プレゼントが体操着なんて子供心にも何も嬉しくなかった。

しかも特に足が早かったわけではない私は、リレーや駆けっこで活躍することもないのに毎年体操着と靴だけは新品、ということがなんだか無性に恥ずかしかったのだ。しかし高学年にもなってくると、運動会での自分の役目がわかってくる。リレーやハードル、100メートル走などは足の速い奴が活躍すればいい。自分は運動場に笑いを起こせばいいのだ、と。二人三脚やムカデ競争になると、わざとド派手に転んだり、パン食い競争などは何度やっても上手く食べられないさまを見せつけ、笑いを取り始めた。

柔道部の肉体派ネタに惨敗! 部活対抗リレーの苦い思い出

そして高校生になると、笑いの取り方もレベルが上がり、障害物競争では白い粉の中の飴を取ることよりも、いかに顔中に白い粉をつけて面白い顔になるかに重点を置いた。ぐるぐるバットでは、そこまでフラフラになってもいないのに真っ直ぐ走れないフリを見事に演じ、ゴール前の本部テントに雪崩れ込み、さらに座って見ていた校長先生の頭に手をかけて、爆笑とひんしゅくを同時に巻き起こした。この年は、間違いなく運動会で自分が一番笑いを取った! と思っていたが、そうはうまくいかなかった。

午後の部の種目の「部活対抗リレー」でのこと。それぞれの運動部がユニフォームを着て、それぞれのオリジナルのバトンでリレーを走る。バレー部はバレーボールがバトン、剣道部は竹刀、テニス部はラケット。我が野球部はグローブをつけて硬球がバトンだ。竹刀を振ったりラケットを振ったり、野球部はボールを投げて追い抜いたり、それぞれの運動部が着順を気にせず、それぞれのパフォーマンスをリレーの中で繰り広げる種目だ。真面目に走るのは陸上部だけ。そんな中、丸々と大きな体の柔道部員たちが柔道着に裸足で登場。彼らがバトンに選んだのは、なんと道場の畳一畳だった!

大きな畳を担いで走りだした柔道部員。その絵面だけでも面白いのに、彼らはトラックのコーナーに差し掛かると、今まで担いでいた畳を地面に敷き、その上で柔道の受け身を始めたのだ! 運動場は大爆笑の渦。校長先生まで笑っていた。――これには完敗だった。長年、運動会での笑いを追求してきた者として、悔しい惨敗だった。こんな9月の思い出が、今も私の心の隅に残っている……。

ということ今回のおすすめ作品は、2021年公開の学園×戦国物語『ブレイブ -群青戦記-』(2021年)だ。

「ブレイブ-群青戦記-」 Blu-ray&DVD発売中
Blu-ray:7,480円(税抜価格 6,800円)
DVD:6,380円(税抜価格 5,800円)
発売・販売元:東宝
©2021「ブレイブ-群青戦記-」製作委員会 ©笠原真樹/集英社

新田真剣佑が“戦国時代にタイムスリップ”の胸熱!

『ブレイブ -群青戦記-』は笠原真樹先生の人気コミックを原作に、『踊る大捜査線』シリーズ(1997年ほか)の本広克行監督によって実写化された作品。しかも私の崇拝してやまない千葉真一さんのご子息、新田真剣佑さんの初単独主演映画なのだ。

物語も私好みで、スポーツ名門校が一筋の落雷によって学校ごと戦国時代にタイムスリップしてしまう、というもの。そこに現れるのが、後の徳川家康である若き松平元康や、その敵となる織田信長。高校生たちは、まさに桶狭間の戦いが幕を開けようとしている場面にたどり着いてしまう。全校生徒がパニックに陥る中、運動部のアスリート高校生たちはスポーツ名門校ならではの、それぞれの部活で培った運動スキルを駆使して、決死の戦いに挑んでいくというストーリーだ。

主役の真剣佑さんは弓道部に所属しており、この部は戦国時代でも即戦力のスキルを持っている。他にも剣道部や薙刀部なども戦場では頼りになる部活だろう。その他、特にカッコいいのがフェンシング部とボクシング部。同部の二人のエースが対立しながらも協力し、戦場で活躍するさまも観ていて爽快なのだ。かたやアメリカンフットボール部はフォーメーションを組んで敵陣に体当たり! 陸上部の長距離専門ランナーが、味方の前線に伝達に走るあたりも面白い。

そしてもっとも私が感情移入しやすい野球部は、ボールを投げたりバットで力強く打ちつけるという戦い方を展開。私も学生時代、何度も顔や身体に硬球が当たったが、あれは相当痛い! 当たりどころが悪ければ簡単に骨折してしまうのだから、戦場でも相当な戦力になるはずだ。

そんな戦国時代の戦場で高校生たちが必死に仲間を守るために戦う姿を見て、私は号泣してしまった。ただでさえ普段から熱闘甲子園や全国高校サッカーを見ていて、学生たちの青春の1ページを見て号泣してしまうのだから、この映画でも感動して泣かないわけがないのだ。

もちろん脇を固める俳優陣も素晴らしい。今川軍の先鋒を務める若き武将・松平元康を三浦春馬さんが演じており、物語のキーパーソンでもある。さらに敵方の大将・織田信長を松山ケンイチさんがこれまた怪演で、いい味を出してらっしゃるのだ。そしてエンディングでは、まさかの展開が待っている……!

この作品を見終えて、今は亡き千葉真一さんとご子息・真剣佑さんが、自衛隊員と高校生と役こそ違えど、二人とも戦国時代にタイムスリップする映画の主役をやられているなんて、誠に感慨深いものがあった。

戦術の重要性を物語る「川中島の戦い」トリビア

さて今回の戦国雑学は、戦場での戦術ついて書いていこう。戦国時代、強い戦国武将やその軍団には、それぞれ得意な戦術があった。有名なところでは、織田信長の「三段構えの鉄砲」(※実在しなかった説もある)。また豊臣秀吉の、周りに堤防を作って取り囲んだ城に川の水を取り込んで水責めにした戦術などがあるが、他にも面白い戦術が存在したのだ。

九州薩摩の戦国大名、島津家の得意としていた戦術が「釣り野伏せ」。この戦術は戦場の両サイドの茂みや竹藪などの身を隠せるところに伏兵を忍ばせておき、真ん中から先鋒隊が敵正面に攻撃を仕掛ける。そして、ある程度戦ったら先鋒隊は一旦退却するふりをして後退していく、というものだ。すると敵は、優勢だと判断して追撃してくる。そうして忍ばせた伏兵の間まで敵を誘き寄せたら、島津軍の先鋒隊はクルッと反転して敵と対峙。そこに両サイドに忍ばせていた伏兵からも攻撃を開始し、三方に挟まれた敵を壊滅に追いやるという作戦なのだ。この戦術で島津家は少数の兵数で何倍もの数の敵と戦い、幾度も勝利を収めている。

もう一つ戦国時代の有名な合戦に、甲斐の武田信玄と越後の上杉謙信が5度にわたり戦いを繰り広げた、「川中島の戦い」がある。一番の激戦となった第4次川中島の戦い、通称「八幡原の戦い」で、武田軍は治めていた領土の海津城(長野県)に陣取り、一方の越後から出陣してきた上杉軍は海津城を見下ろせる妻女山に陣を張った。両軍は睨み合いのこう着状態。そこで武田軍の軍師、山本勘介が提案した戦術「啄木鳥の計」を実行することに。

啄木鳥の計とは、啄木鳥(キツツキ)が木の幹に穴を開け入り込んでいる虫を幹の反対側からつつき、驚いて出てきた虫をパクッと食べる様から編み出された戦法。海津城の武田軍を夜中のうちに二つに分け、一隊は暗闇に紛れて城を出て、迂回して妻女山に陣取る上杉軍の背後から朝一番で攻め立てる。驚いて飛び出してきた上杉軍を、武田軍本隊が妻女山の下に広がる八幡原で迎え討つ、いわゆる挟み撃ちの攻撃戦法である。しかし! この戦法は上杉謙信に見破られてしまう!!

さすが“軍神”と呼ばれた上杉謙信、上杉軍側も夜中のうちにこっそり妻女山を下山し、千曲川を渡って八幡原に陣を敷いていた。そんなこととは知らない武田軍の別働隊は、妻女山に攻撃を仕掛けるがもぬけのから。朝靄がかかる八幡原で霧が晴れたとき、武田軍の本隊の目の前には上杉軍が構えており、両軍が激突するという展開になってしまう。

先手を取った上杉軍は敵本隊を攻め立てて戦いを有利に進め、一方の武田軍本隊は苦戦を強いられる。敵に啄木鳥の計を見破られた山本勘介は責任を感じ、自ら最前線に出向き討死を遂げた。あわてて妻女山から駆けつけた武田の別働隊によってなんとか引き分けに持ち越せたが、激戦となった第4次川中島の戦いは、5度繰り広げられた戦いのうち最多の死傷者を出すことになった。――こういった数々の戦術が、戦国時代の戦さをドラマティックにしているのである。

文:桐畑トール(ほたるゲンジ)

『ブレイブ -群青戦記-』はBlu-ray&DVD発売中、Amazonプライムほか配信中

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『ブレイブ -群青戦記-』

退屈な授業と、常勝を義務付けられた部活。“その日”は、彼らにとっていつもと同じ学校生活だった。自分に自信が持てない弓道部の西野蒼は、部活にも力が入らないでいて、幼なじみの瀬野遥と松本考太も、そんな蒼のことを気にかけていた。いつもと変わらない日々の中だったが、一本の雷が校庭に落ちて、彼らの日常が一変する。

学校の外の見慣れた風景は、見渡す限りの野原となり、校内には刀を持った野武士が襲来して、学校生徒はパニックに! 次々と生徒が倒れていく中、歴史オタクの蒼は、学校がまるごと戦国時代、かの有名な「桶狭間の戦い」の直前までタイムスリップしてしまったことに気付く。

果たして彼らは戦国時代を生き抜いて、平和な現代に戻ることができるのか?! いま、歴史上で決して語られることのなかった、前代未聞の高校生アスリートVS戦国武将による戦いが始まる!

監督:本広克行

出演:新田真剣佑
   山崎紘菜 鈴木伸之
   渡邊圭祐 濱田龍臣 鈴木仁 飯島寛騎
   福山翔大 水谷果穂 宮下かな子 市川知宏
   高橋光臣 長田拓郎 足立英 草野大成 池田純矢
   三浦春馬 松山ケンイチ

制作年: 2021