ディカプリオら豪華キャスト集結!Netflix『ドント・ルック・アップ』地球滅亡ディザスター×強烈風刺コメディ

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ライター:BANGER!!! 編集部
ディカプリオら豪華キャスト集結!Netflix『ドント・ルック・アップ』地球滅亡ディザスター×強烈風刺コメディ
Netflixオリジナル映画『ドント・ルック・アップ』独占配信中

ディカプリオらオスカー俳優が集結

激動の2021年も終わろうとしているときに、すさまじい作品が公開・配信された。『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(2015年)『バイス』(2018年)のアダム・マッケイ監督のもと、レオナルド・ディカプリオやジェニファー・ローレンス、メリル・ストリープ、ケイト・ブランシェットらオスカー俳優が大集合したNetflixオリジナル映画『ドント・ルック・アップ』だ(※2021年12月10日より一部劇場でも公開)。

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しかし本作がスゴいのは超豪華キャストではなく(実際スゴいのだが)、「巨大彗星が地球に衝突するまであとわずか!」というベタなSFディザスター設定に超しょうもない笑いを敷き詰め、かつ今まさに世界中を覆う大問題(に対する人類のアクション)を風刺するという、失笑していたらいつの間にか真顔になってました的なブラックコメディに仕上げているのがスゴいのである。

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主人公は天文学者のランドール博士(ディカプリオ)と助手のケイト(ローレンス)で、お話はケイトが新たな彗星を発見するところから始まる。「大発見だ!」と浮かれていたのもつかの間、幅5~10kmほどのサイズらしい彗星の軌道を改めて計算してみたところ、あと6ヶ月と14日後に地球に衝突するというシャレにならない事実が判明。「エベレスト級の彗星が突っ込んでくる!」という地球壊滅の危機を伝えようとアメリカ大統領(ストリープ)と接見する二人だったが、超S級の警告にも関わらずミーハーな大統領は支持率UPのことしか頭になく、超雑にあしらわれてしまう。

呆れた二人は「こうなりゃマスコミにリークだ!」とテレビ番組への出演を取り付けるも、朝のワイドショーの人気司会者たちはハナから“地球の危機”を視聴者に伝える気など皆無で(以下略

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ディストピア映画よりもディストピア

状況は超深刻だがジャンルとしてはコメディなので、アダム・マッケイの底意地の悪さ(褒めてます)が最大限に発揮されていて、ほとんどの登場人物が後頭部をスリッパでひっぱたきたくなる酷さ。正直、大統領が「ヤバいのは分かった。で、どうしろと?」と肩をすくめる気持ちも分からなくないくらい実感の湧かない事態ではあるのだが、“危険であると100%理解させる”ことの難しさは現在、まさに我々が直面・実感していることでもある。『ドント・ルック・アップ(見上げるな)』というタイトルは、すなわち「温暖化はウソ」「ウイルスなんて存在しない」「マスクは意味がない」と同じ戯言だ。

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――真剣に議論しようと話を切り出したのに「またまた、どうせ◯◯なんでしょ?(笑)」「経験もないくせに何を根拠に(笑)」と嘲笑され、会話が成立しない憤りや自分の無力感に打ちのめされて思わず涙目になる、あのなんともいえない絶望や虚無感。最初はささくれ程度だった風刺が、現代社会に投げ入れた途端にみるみる肥大化していく自業自得感。やがて恐怖と無力感に襲われ、いつの間にかコメディであることを忘れてしまいそうになる、まるで鈍器で頭部を打たれたような、どんなディストピアものよりもグッタリしてしまう映画である。

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コロナ以降、とくに海外ニュースを観るようになった人は答え合わせのように感じるであろう米エンタメ小ネタも散りばめられていて、メディアに翻弄されていくランドールはその象徴でもある。臭いものには蓋を、出る杭には誹謗中傷を、規模がデカすぎてイメージできない悲劇よりもオモシロ動画を……。とはいえ本作は決して上から目線のお説教ではなく、コロナ前後の混濁した世界を“彗星衝突”という究極のサンプルを使って再現してみせた、鬼才アダム・マッケイからの挑戦状、いや千本ノック、もしくは黙示録に備えたプレゼンだ。

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やっぱり豪華キャスト陣の演技はさすが

さて、本作は各キャラ設定も秀逸で、アリアナ・グランデを失恋ホヤホヤのポップスター役で出演させる(しかもキッド・カディまで巻き込む)あたりはマッケイの意地悪さが発揮されているし、ケイト・ブランシェット演じる節操なしのTV司会者はもちろん、その相方ジャックを演じるタイラー・ペリーのドン引きニヤケ面も最高。そして、スティーブ・ジョブズとアンディ・ウォーホルをミックしたようなハイテク企業のCEOピーター・イシャーウェル(マーク・ライランス)も、物語の鍵を握る重要な人物としてグロテスクな存在感を発揮する(セラミック入れ歯がヤバい)。

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イシャーウェル自慢の“アルゴリズム”から導き出された情報は驚くほど正確で、最後の最後まで効いてくるこのネタに、実は重要なメッセージが託されていたりする。途中、彼とランドールとのやり取りにピンときた人は気づいたかと思うが、その過程で挟み込まれるギャグがことごとくバカバカしいせいでうっかりスルーしそうになるので、改めて注目してみてほしい。なお、ランドールとケイトに協力するオグルソープ博士(ロブ・モーガン)が所属する「惑星防衛調整局(PDCO)」は2016年にNASAが新設した、接近する小惑星から地球を守るための新部門とのこと(実在する)だが、物語上ほとんど役に立たない出オチ的な使われ方をしていて気の毒。

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また、デジタルネイティブであり環境問題にも関心が高い世代の象徴っぽく登場するユール(ティモシー・シャラメ)は、一見チャラくてレイドバックしていながらもアナキストに意外性をまぶしたインパクトの強いキャラで、トラッシーなホムセン系“汚洒落”スタイルも超イケているので要注目だ。ちなみにエンディングテーマは劇伴を担当したニコラス・ブリテルとボン・イヴェール(ジャスティン・ヴァーノン)の共作曲らしいです。

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