もうひとつの『ジュラシック・ワールド』にようこそ! ファン必見のスピンオフ『ジュラシック・ワールド サバイバル・キャンプ』

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ライター:ナカムラリョウ
もうひとつの『ジュラシック・ワールド』にようこそ! ファン必見のスピンオフ『ジュラシック・ワールド サバイバル・キャンプ』
Netflixオリジナルシリーズ『ジュラシック・ワールド/サバイバル・キャンプ』独占配信中

ジュラシック・サーガ初のCGアニメ作品が登場!

1993年に公開され、映画界に大いなるパラダイムシフトをもたらした恐竜映画の金字塔といえば、もちろん『REX 恐竜物語』……ではなく、『ジュラシック・パーク』(以下『JP』)だ。

「太古の生物のDNAを復元し、本物の恐竜が生息するテーマパークを作る」という、マイケル・クライトンの傑作SF小説をスティーヴン・スピルバーグが見事に映像化してみせた『JP』。CGとアニマトロニクスによって“復元”された恐竜たちの姿に世界中が度肝を抜かれ、SF映画における「リアリティの基準」そのものを確実に次のフェーズに押し上げた作品であった。

『JP』は映画のみならず、恐竜そのものに対する一般常識まで大きく刷新した。肉食恐竜のスタイルは直立から前傾姿勢に変わり、かつて図鑑で“チラノザウルス”と書かれていた恐竜には「T-REX」というロックな通称が与えられ、“ヴェロキラプトル”などという難解なワードを世界中の子供たちが噛まずに言えるようになった。

公開から四半世紀以上が過ぎ、最新の研究では「T-REXやラプトルも本当は羽毛が生えたふわふわな生き物だったかもしれない説」が有力になりつつあるが、それでも今なお「恐竜」と言われて多くの人が思い浮かべるのは、『JP』の“あいつら”だろう。

現在までに劇場公開されているシリーズは全5作品。第1作で欲に駆られた人間と制御しきれなくなった恐竜により崩壊したテーマパークの後日談を、よりパニックムービー色強めに描いた続編『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』(1997年)、第3作『ジュラシック・パークⅢ』(2001年)を経て、2015年には14年ぶりの新章『ジュラシック・ワールド』(以下『JW』)にて遂にテーマパークが新装オープン。以降も最新作『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(2018年)、2021年公開予定の『ジュラシック・ワールド/ドミニオン』と、物語は継続している。

そんな一大ジュラシック・サーガにおいて初となるCGアニメ作品が、Netflixオリジナルシリーズ『ジュラシック・ワールド サバイバル・キャンプ』だ(厳密にはLEGOシリーズが存在するが、ここでは一旦省く)。

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『JP』&『JW』シリーズでも重要なポジションを担う“子どもキャラ”が主人公のジュブナイル的ストーリー!

実写版『JP』/『JW』シリーズ全作品において重要なポジションにいるのが“子どもキャラ”である。第1作のレックス&ティム姉弟から『炎の王国』の秘密めいた少女メイジーまで、彼らは常に子どもならではのフラットな視点と、時に大人顔負けなフィジカルの強さで物語のキーパーソンとなってきた。そして今作『サバイバル・キャンプ』は、そんな子どもたちがいよいよ主役としてフォーカスされる。

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テーマパーク「ジュラシック・ワールド」のプレミアムなキャンプツアー「白亜紀キャンプ」に参加した6人の少年少女。彼らはやがてパーク内で発生したアクシデントに巻き込まれ、自力でサバイバルせざるを得ない状況に直面する。恐竜オタクの黒人少年、人気YouTuberらしきマセた少女、ヒネくれた日系人のボンボン、貧弱で神経質な白人少年など現代らしい多様性に溢れたメンバーは、当然ながら今ひとつソリが合わない。

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しかし、想像を絶する危機的状況の中で衝突しながらも少しずつ成長し、やがて団結して危機を乗り越えていく。そんな王道のジュブナイル的ストーリーを軸にしつつ、『JP』/『JW』シリーズでおなじみの恐竜たちや実写版のキャラクター、また「ミスターDNA」「ラプトルの頭蓋骨」といった小ネタまでが数多く登場。デジャヴ感のあるシーンも多々あり、シリーズのファンならば隅々まで楽しめるスピンオフ作品に仕上がっている。

単なるスピンオフにあらず!? これはもはや「もうひとつの『ジュラシック・ワールド』」だ!!

……と、正直ここまでの文章は序盤のエピソード数話だけ視聴して書いたものだ。しかし、問題はここからだった。話数を進めていくうち、この物語が想像していたよりも密接に実写版とリンクしていることに気づかされたのである。それによってグッと視野が広がり、さらに面白くなった! のだが、できればそういった予備知識なしで観たほうがワクワクを体感できると思う。なので、あえてストーリーについてはこれ以上掘り下げないでおきたい。

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それでもネタバレしない範囲で今作の鑑賞ポイントを挙げるならば、やはりCGアニメというアプローチだろう。そもそも実写版の恐竜たちも大半がフルCGで描かれているので、アニメといえども恐竜の登場シーンは実写に引けを取らないクオリティである。カットによってはアニメ作品だということを忘れるような映像も多い。また劇中、主人公たちがジップラインで恐竜の群れの上空を滑っていくシーンや、リバー・アドベンチャーで川を下るシーンなどは、思わず息を呑むほど美しい。第1作『JP』でブラキオサウルスと初遭遇する場面を彷彿とさせる映像的感動を思いがけず味わえて、往年のファンとしてはとても嬉しかった。

もうひとつは音楽。メインコンポーザーは残念ながら御大ジョン・ウィリアムズではないが、おなじみの“あのテーマ曲”はもちろん聴くことができる。それ以外にも、ラプトル登場シーンなどが、かなり第1作の音楽を意識したスコアリングで描かれていると感じた。テーマ曲へのリスペクトという点では、正直実写版の『JW』よりも今作のほうが好感が持てる。

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つまりトータルで鑑賞してみて、これは“実写版『JP』/『JW』をオマージュしたスピンオフ”というレベルの作品ではないことが分かった。言ってしまえば、「もうひとつの『ジュラシック・ワールド』」だ。2021年の実写版最新作『ドミニオン』をアルゼンチノサウルスばりに首を長くして待っている『JP』/『JW』ガチ勢の待機時間を埋めるには、もってこいのシリーズだと言える。

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今後もこういったCGアニメが企画され続けるとしたら、しばらくダイナソー・ロスに陥る心配はないだろう。予想外な結末を迎えた最終話を観終えて、そんな期待さえも抱いてしまった。

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文:ナカムラリョウ

『ジュラシック・ワールド サバイバル・キャンプ』はNetflixで独占配信中

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『ジュラシック・ワールド サバイバル・キャンプ』

最先端の科学技術が作り上げた島、イスラ・ヌブラル。ここでのキャンプに招かれた6人の若者を待ち受けていたのは、暴走する恐竜たちからの決死の逃避行だった。

制作年: 2020
声の出演:
  • BANGER!!!
  • アニメ
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