映画の興行記録は、塗り替えられるためにある。だが、同じ2本が抜きつ抜かれつを繰り返す勝負など、ほかに見たことがない。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』が、世界歴代興行収入の首位を『アバター』から奪い返した。米バラエティ誌の集計を引いたSlashFilmによれば、再上映版『エンドゲーム:アンコール』の上積みで、累計は29億2500万ドルに到達。『アバター』の29億2371万ドルを、ほんのわずか上回った。
※2026年10月8日時点の情報に基づきます。
15年越しの殴り合い
経緯を振り返ると、これがまた面白い。2009年公開の『アバター』は翌年、27億4000万ドルで頂点に立った。2019年、『エンドゲーム』が27億9000万ドルでこれを抜く。すると2022年、『アバター』が再上映で抜き返す。そして2026年、今度は『エンドゲーム』が再上映でやり返した。
かつて首位を明け渡したとき、ジェームズ・キャメロン監督は言った。「記録は破られるためにある、というやつだ」。その言葉どおりになった。
仕掛けの巧さ
マーベルは抜け目がない。12月には最新作『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』が控える。ルッソ兄弟は『エンドゲーム』を新作の前に観るべき一本だと語り、再上映には未公開の新映像をつけた。予習と記録更新を、一度にやってのけたわけだ。
もっとも、勢いは続かなかった。Boxoffice Proによると、北米での2週目は前週比83%減の440万ドル。初週に駆けつけた人たちが、ほぼすべてだった。
次の一手は誰が打つ?
SlashFilmは、『アバター』がもう一度再上映されれば、史上初の30億ドルに届いて首位を取り返す可能性を指摘している。
ここまで来ると、もう意地の張り合いだ。観客としては大歓迎。どちらも映画館で観るために作られた映画なのだから、何度でもスクリーンに戻ってくればいい。
『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』は12月18日より日米同時公開