※ 本ページはプロモーションを含みます。
掲載日:2026年10月9日 文=BANGER!!!編集部
※本記事の情報は2026年10月9日時点の情報です。最新情報は公式サイトにてご確認ください。
吸血鬼ものはもう出尽くした。そう思っている人にこそ、この金髪の男を見てほしい。
レスタト・ド・リオンクール。アン・ライスが1976年の小説『夜明けのヴァンパイア』で世に出してから、ちょうど50年になる吸血鬼だ。その男が今度はロックスターとして、ステージの真ん中に立つ。『ヴァンパイア・レスタト』はU-NEXTの独占見放題で、10月2日に第1・2話、10月9日に第3・4話が配信された。3連休に入る時点で、全7話のうち4話までが揃っている。初回登録の人は31日間の無料トライアルで観られる。
語られる側だった男が、語り手になる
前作『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』は、ルイ・ド・ポワントデュラックの告白だった。ジャーナリストのダニエル・モロイを前に、ルイが自分を吸血鬼に変えた男との年月を語る。つまり視聴者が2シーズンかけて見てきたレスタトは、別れた相手の口から出てきたレスタトでしかない。魅力的で、残酷で、身勝手。けれどそれは片方の言い分だ。
新章はその言い分を、当人が引き取るところから始まる。U-NEXTの発表では、物語はレスタトの視点で進み、バンドツアーの舞台裏と、記憶をたどるインタビューが交互に織り込まれるという。公式の触れ込みは「世界初の不死身のロックスター」。
ここが面白い。前作でインタビューという形式は、嘘と記憶違いを暴く装置として働いていた。同じ装置を、今度は誰よりも自分を飾りたがる男に向ける。レスタトがカメラの前で何を盛り、何を黙るのか。語り手が信用できないという前作の仕掛けは、主役が交代したことでむしろ鋭くなる。
サム・リードという発明
レスタトを演じるのはサム・リード。1994年の映画版でトム・クルーズが演じた役だと言えば、背負っているものの重さが伝わるだろうか。
リードのレスタトは、怖いというより、目が離せないほど面倒くさい。愛されたくて仕方がなく、愛されると壊しにかかる。シーズン2の最終話、嵐のニューオーリンズでルイと再会する場面を思い出してほしい。あれだけ傲慢だった男が、荒れた小屋で見る影もなくなっていた。あの数分があるから、ロックスターとして大観衆の前に立つ今作の姿が、単なる派手な衣替えに見えない。喝采を浴びるほど孤独が透ける男だと、こちらはもう知っている。
ルイ役のジェイコブ・アンダーソン、アルマン役のアサド・ザマン、モロイ役のエリック・ボゴシアンは続投。加えてレスタトの母ガブリエラにジェニファー・イーリー、アカーシャにシーラ・アティムが入った。原作を読んだ人なら、この二つの名前が並んだだけで身構えるはずだ。音楽は前作に続きダニエル・ハートが手がける。吸血鬼がロックをやる話で、音が安ければすべてが嘘になる。そこに映画音楽の作り手を据え続けているのは、製作陣の本気の表れだと思う。
先に言っておきたい弱点
手放しでは勧めない。
まず、ここから観始める作品ではない。人物の関係は前作2シーズン、計15話の積み重ねの上にある。ルイとレスタトがなぜ離れ、クローディアに何が起きたのかを知らずに第1話を再生しても、台詞の半分は素通りしていく。幸い『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』のシーズン1・2もU-NEXTで独占配信中だ。3連休を使うなら、順番は前作からにしてほしい。
次に、配信は字幕版のみ。吹替で流し見したい人には向かない。
そして連休中には完結しない。第5・6話は10月16日、最終第7話は10月23日の配信になる。一気に結末まで走りたい人は、10月23日以降にまとめて観るほうが気持ちよく終われる。初回登録の無料トライアルは31日間あるので、連休に登録しても最終話の配信日には間に合う計算だ。
この連休、誰が観るべきか
前作を最後まで見届けた人。これは説明がいらない。10月9日に第3・4話が加わったばかりで、連休は追いつくのにちょうどいい。
90年代に映画館でトム・クルーズとブラッド・ピットの吸血鬼を観て、そのまま遠ざかっていた人。あの映画が描き切れなかった二人の関係の深さを、このドラマは時間をかけて掘っている。
それから、バンドの内幕ものが好きな人。ツアーの裏で人間関係が軋んでいく話は数あれど、メンバーが不死身で、過去の恋人が数百年分いるケースはさすがに珍しい。
連休の配分も書いておく。前作を観ていない人は、シーズン1の7話とシーズン2の8話で三日間がほぼ埋まる。新章の4話には届かないかもしれないが、それで構わない。無料トライアルは31日間ある。急いで飛ばすより、ルイの告白を最後まで聞いてからレスタトの言い分に進むほうが、この物語は正しく効く。前作を観終えている人なら、4話分は一晩か二晩で足りる。
恋愛ドラマとして観ても、ホラーとして観ても、音楽ものとして観ても入口がある。ただし出口はどれも同じで、結局はレスタトという一人の男をどう思うかに行き着く。腹が立つのに、嫌いになれない。その感情に付き合う覚悟がある人に勧めたい。
配信の要点
『ヴァンパイア・レスタト』は全7話、字幕版。U-NEXTの独占配信で、見放題の対象になっている。キャストと製作陣が各話を振り返るアフターショー『ヴァンパイア・レスタト アフターダーク』もあわせて配信される。U-NEXTの月額は2,189円(税込)。初回登録の人は31日間の無料トライアルが使え、期間内に解約すれば料金は発生しない。
50年前に紙の上で生まれた吸血鬼が、いま一番やかましい姿で帰ってきた。静かな連休にしたい人には勧めない。
※本記事は2026年10月9日時点の情報です。配信状況・料金・配信期間は変更される場合があります。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。