認知症の父、記憶喪失の少年 “子を守る母親の強烈な愛と嘘の物語” 杏主演×関根光才監督『かくしごと』

認知症の父、記憶喪失の少年 “子を守る母親の強烈な愛と嘘の物語” 杏主演×関根光才監督『かくしごと』
©2024「かくしごと」製作委員会
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千紗子を取り巻く登場人物の場面写真が解禁

関根監督長編2作目となる本作。俳優陣への演出に関して、関根監督は芝居について俳優陣と打ち合わせしたわけではないという。「最初に皆さんにご自身としてやってくださって大丈夫ですって話をしました。自分を消して自分以外の誰かになろうとするよりも、キャラクターの中にある自分らしさ、自分である部分をプルアウトして演じて頂きたいとお話しました。結果、キャストの皆さんとは同じ方向を向けたと思っています」と語る。

千紗子が事故をきっかけに匿うことになる少年を演じたのは、『舞いあがれ!』ほか3作の朝ドラに出演している中須翔真。事故で記憶を失った少年の身体に虐待の痕を見つけた千紗子は、彼を匿おうとする。疑似家族として過ごすにつれて明るさを取り戻す少年だが、時折浮かべる陰のある表情の真意とは—?場面写真には少年が里谷邸で過ごす姿が写し出されている。どこか不安げで儚い雰囲気に母性を擽られるような1枚だ。

©2024「かくしごと」製作委員会

奥田瑛二が演じる父・孝蔵は認知症を患い、娘のことすら忘れている。場面写真でとらえられている食事シーンでも、食卓にこぼれたご飯、整えられていない髪などが症状を感じさせる。一方、その表情には厳しさや鋭さが宿り、元来の父の姿も垣間見える。孝蔵の日に日に別人のように衰えてゆく姿を、奥田が静かながら胸に迫る演技で表現する。

佐津川愛美が演じるのは、千紗子の友人・久江。シングルマザーで役所で働いている。千紗子の少年への“嘘”を唯一知る人物だ。場面写真では、どこか遠くを見つめ、なにかに思い悩んでいるような表情を浮かべる久江が写し出されている。孝蔵の主治医である地元の医者・亀田を演じるのは酒向芳。孝蔵を気にかけ、たびたび家まで様子を見に来る。絶縁状態の孝蔵と千紗子の仲を取り持ち、千紗子の抱える孝蔵への思いや心の傷を掬い上げるキーパーソンだ。そして安藤政信が演じるのは、千紗子たちが過ごす家に突如現れる少年の父親。場面写真では、緊迫感に満ちたシーンがとらえられている。

©2024「かくしごと」製作委員会

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<コメント>

中須翔真(犬養洋一/里谷拓未)
出演が決まったと聞いた時はとても嬉しかったです。台本を読まずに来てくださいと監督に言われたのですごく不安でしたが、監督、スタッフさん、杏さん、奥田さん、共演の皆さんが優しくして下さったので自由に演技をする事が出来ました。たくさんの方に見て頂きたいです。

佐津川愛美(野々村久江)
豊かな自然の中、あぁ、しっかりと映画を撮っているなぁと心から感じられた撮影期間でした。 愛とは、家族とは、観終わったときに溢れ出る気持ちが止まりませんでした。 ぜひ劇場で、静かに感じて頂ければと思います。

酒向芳(亀田義和)
転がりゆく嘘という小さな玉は、坂を下っていくごとに大きくなっていく。やがて、自分の手では押し戻すことが出来なくなるぐらい大きくなった嘘玉は、もう坂の上に押し戻すことは出来ない。じゃどうする。答えは一つではないと思う。観る人の数の分だけあるのではないでしょうか。

安藤政信(犬養安雄)
この作品の脚本を読んだ時
何度泣いたのか数えきれなかった
孤独 不安 拒絶 共感
人間のもっている全ての感じを
温もりの情け深い心で
きずが回復していく様な気持ちになる作品で
是非出演したいと思いました

奥田瑛二(里谷孝蔵)
人にはそれぞれの背中がある。母として、娘としての背中、父としての背中、そして幼子の背中。日常、それらの背中には幾つもの気配がある。その気配をこの映画「かくしごと」は語っている。アナタは身近な人の気配を感じていますか?

『かくしごと』は6月7日(金)TOHOシネマズ 日比谷、テアトル新宿ほか全国ロードショー

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