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人生の中で何かをやめて、諦めて、それでも生きていく全ての人へ――映画『ファンファーレ』が映し出すのは、アイドルをやめた二人の女性と、これからやめる一人の女性。30歳を目前にした彼女たちの揺れ動く心情や葛藤を、「アイドル」という夢と挫折が交錯する世界を通して描く。
「私たち、もうアイドルじゃない」
大石万理花と須藤玲は、アイドルグループ〈ファンファーレ〉のリーダーである西尾由奈の卒業コンサートのために呼び出されていた。二人と由奈とはファンファーレの結成メンバー。由奈の希望により卒業曲は、万理花に振り付けを、玲に衣装のデザインを頼むことに。疎遠気味になっていた3人は、由奈の卒業を機にもう一度交流を持つようになる。
才能の限界を感じてアイドルをやめ、振付師を目指すも鳴かず飛ばずな万理花。 アイドル時代は圧倒的なカリスマ性で人気を牽引していたものの、服飾の道に進みたいとアイドルをやめ衣装のデザイン会社に入った玲。
それぞれ社会の厳しさに打ちのめされる日々。 アイドルをやめて30歳手前、決して成功しているとは言えないセカンドキャリアでそれぞれの悩みや葛藤がある中、由奈の門出にお互い奮闘していくが……。
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