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“風船おじさん”は凶悪サイコパス?!『炎のデス・ポリス』は強烈キャラ登場で狂気の殺戮劇場へ突入!

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ライター:#BANGER!!! 編集部
“風船おじさん”は凶悪サイコパス?!『炎のデス・ポリス』は強烈キャラ登場で狂気の殺戮劇場へ突入!
『炎のデス・ポリス』©2021 CS Movie II LLC. All Rights Reserved

主人公よりキャラの濃いサイコパス

あのジェラルド・バトラーフランク・グリロが共演、『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』(2010年)や『THE GREY 凍える太陽』(2012年)で知られるジョー・カーナハンが監督を務める『炎のデス・ポリス』。その邦題とビビッドなビジュアルはまるでコメディ映画のようだが、実は驚きの見どころが散りばめられたサスペンス・アクションの快作だ。

『炎のデス・ポリス』©2021 CS Movie II LLC. All Rights Reserved

しかし今回ご紹介したいのは、メインキャラクターの一人である“風船販売のおじさん”だ。『ハロウィン』(2018年)や『バレー・オブ・バイオレンス 』(2016年)などへの出演で知られる……と言っても日本ではほぼ無名の中堅俳優トビー・ハスが演じる、狂気の風船おじさんことアンソニー・ラム。見た目は痩せぎすの冴えない中年男性だが、物語の中盤ほぼきっかりに彼が登場してから、映画は猛スピードで回り始める。

『炎のデス・ポリス』©2021 CS Movie II LLC. All Rights Reserved

警官のヴァレリー(アレクシス・ラウダー)が勤めるガンクリーク署では、ある理由で勾留されたボブ(ジェラバト)とテディ(グリロ)が鉄格子を挟んで絶賛にらめっこ中。冒頭から中盤までほぼこの状態で、派手なアクションシーンはないまま会話劇が続く。観客はその会話の端々から彼らの関係性や置かれている状況を推測するしかないのだが、汚職警官らの不穏な動きに頭が混乱しかけたところで、アンソニーが大量の風船を持って警察署に登場。そして口笛混じりの軽妙さとは裏腹に、狂気の殺戮劇場の火蓋が切って落とされる!

見た目ピーヒャラな風船おじさん、なのに凶悪すぎる!

『炎のデス・ポリス』©2021 CS Movie II LLC. All Rights Reserved

どこか長閑ですらあった雰囲気から一転、いつ誰が殺られてもおかしくないカオスな状況へ。やっと期待する展開になったと言った方が正しいのかもしれないが、ハス自身が「ウージー(サブマシンガン)は大きな音で人々に恐怖を染み込ませる。こう言うのは適切ではないけど、楽しいよ」と語っているように、とにかく映画の火力が一気に上昇するものだから、こちらのテンションも否応なく上がってしまう。

風船おじさんアンソニーは詐欺師テディのことも知っているようだが、同じ殺し屋として旧知らしいボブいわく、ずばり「サイコパス」とのこと。急襲を受けた警察官たちは抵抗することもできず次々と殺られてしまい、しかしその描写は“陽気な悪夢”と例えたくなるようなカジュアルさ。あげく「俺は殺し屋だから、殺しは労働なんだよ」なんて言い腐るものだから、とにかくアンソニーには苦笑いするしかない。

『炎のデス・ポリス』©2021 CS Movie II LLC. All Rights Reserved

そんなサクサク・バイオレンスでも安っぽくならないのは、銃撃の“重さ”をしっかり描いているから。当たったら超痛いし1発で死ぬかもしれないという、当たり前だがなかなか難しい“銃を撃つことの重さ”が表現できていて、だからこそ見た目は完全にピーヒャラな風船おじさんが殺し屋としてめちゃくちゃ恐ろしく見えるのだ。

物語終盤、ついにジェラバト&グリロが動き出してからは、手に汗握る緊迫のステルス攻防~血まみれの接近戦へ。<サイコパス風船おじさん VS マッチョな白人おじさん×2 VS 黒人女性警官>という、なかなかレアな構図からは「新しいものを見せる」という制作陣の意気込みも感じる。少なくともトビー・ハスとアレクシス・ラウダーのことは、この先なかなか忘れられないだろう。

『炎のデス・ポリス』©2021 CS Movie II LLC. All Rights Reserved

ジェラバト&グリロのファンはもちろん、キテレツで凶悪なキャラクターや過激なドンパチ、何度も予想を裏切る超展開アクションを求めているなら、サイコパス風船おじさんを信じて劇場へ行こう!

『炎のデス・ポリス』は2022年7月15日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開

Presented by キノフィルムズ

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『炎のデス・ポリス』

ある夜、砂漠地帯にたたずむ警察署に、暴力沙汰を起こした詐欺師テディが連行されてくる。マフィアのボスに命を狙われているテディは、避難場所を求めてわざと逮捕されたのだ。留置場に放り込まれひと息ついたのも束の間、マフィアに雇われた殺し屋ボブが泥酔男に成りすまし留置場のお向かいさんとなったから、さぁ大変。新人警官ヴァレリーの活躍によってボブのテディ抹殺計画は阻止されるが、マフィアが放った新たな刺客、サイコパスのアンソニーが現れて署員を皆殺し、小さな警察署は大惨事に……。孤立無援の危機に陥ったヴァレリー、裏社会に生きる同じ穴のムジナでありながら激しくいがみ合うテディ、ボブ、アンソニー。はたして4人のうち、この一夜限りの壮絶な殺し合いを生き抜き、朝を迎えられるのは誰だ!?

監督:ジョー・カーナハン
脚本:クルト・マクラウド ジョー・カーナハン

出演:ジェラルド・バトラー フランク・グリロ
   アレクシス・ラウダー トビー・ハス

制作年: 2021