長尾謙杜が“転生”に挑む!? 映画『HOMESTAY』は「後悔しない」ヒントをくれる青春ドラマ

死んでしまった高校生の体に“ホームステイ”する

「もしも、あの時……」と後悔しても、時間は巻き戻せない。そんなことは分かっているはずなのに、大抵の人は失ってからその存在の大きさに気づく。終わってしまった恋、もう二度と会えない人。目の前から消え初めて後悔した、という経験がある人は多いのではないだろうか。Amazon Original映画『HOMESTAY（ホームステイ）』は、そんな後悔をしないためのヒントを与えてくれる作品だ。

置かれている環境を嘆いている人もいるかもしれない。自分を愛せずにいる人もいるだろう。それでも、世界からすべてが消えてしまったらと考えると恐ろしくなる。本作を通して、“喪失”の疑似体験をすることで、今いる世界がちょっぴり愛おしく思えるようになった。

『HOMESTAY（ホームステイ）』©2022 Amazon Content Services, LLC OR ITS AFFILIATES. All Rights Reserved.

2022年2月11日よりAmazon Prime Videoで世界同時配信される『HOMESTAY（ホームステイ）』は、森絵都の名作小説「カラフル」を実写映像化した作品だ。Amazonが制作する日本初の映画というだけあり、壮大なスケールで物語が紡がれていく。

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一度死んでしまった高校生・小林真の体にホームステイすることになった魂・シロが、100日という期限のなかで真の死の真相を探っていく……というあらすじから、ファンタジー要素が強い映画なのだろうと思っていた。実際、現実ではあり得ないことが序盤から繰り広げられる。なるほど、ファンタジー作品として楽しもう！ と思ったのも束の間。妙なリアリティに心が鷲掴みにされる。

親世代の観客は、誰からも必要とされていないのではないか？ と怯えた“あの頃”に想いを馳せてしまうだろうし、真と近い世代の観客は安心感を覚えるかもしれない。自分と同じ不安を抱えている人が、ここに確かに存在していることに。

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長尾謙杜、山田杏奈、八木莉可子、若手演技派の共演に注目

主人公・シロ（小林真）を演じたのは、なにわ男子の長尾謙杜。2021年11月にCDデビューを果たしたばかりの彼が、他人の体に乗り移ることになった“魂”という難役に挑んだ。

グループ最年少ということもあり明るく元気な印象が強い長尾だが、演じてきた役柄は“陰”の要素を持ったキャラクターが多い。2019年放送のドラマ『俺のスカート、どこ行った？』（日本テレビ系）では、他人に顔を見られたくなくて常にマスクをつけている高校生・若林優馬を好演。担任の原田のぶお（古田新太）の影響を受けて、徐々に自分をさらけ出すようになっていく……という振り幅のある役柄で、GP帯ドラマ初出演とは思えない存在感を発揮していた。1月から放送中のドラマ『となりのチカラ』（テレビ朝日系）では、認知症の祖母と二人で暮らしのヤングケアラーに挑戦。そして『HOMESTAY（ホームステイ）』でも、陰と陽の演じ分けを繊細な表情の変化で見事に演じきっている。

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そして脇を固めるキャストも演技派が揃った。真の幼なじみ・晶に山田杏奈、真が密かに憧れていた先輩・美月を八木莉可子が演じる。2人は、シロが真の死の真相を探っていくなかで大きな役割を果たす。高校生ならではの淡い恋模様にも注目してほしい。

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「人生は所詮、“長めのホームステイ”なんだから」――挫けてしまいそうな時は、このお守りのような言葉を思い出して、しぶとく歩んでいきたい。そして、どうしようもなくなったら、また『HOMESTAY（ホームステイ）』を観返そう。そこには私たちの弱さを分かってくれる仲間たちがいる。

文：菜本かな

『HOMESTAY（ホームステイ）』は2022年2月11日（金）よりPrime Videoにて全世界独占配信