「パラサイト 半地下の家族」に続き、アカデミー賞ノミネートなるか? パク・チャヌク監督作『別れる決心』

「パラサイト 半地下の家族」に続き、アカデミー賞ノミネートなるか? パク・チャヌク監督作『別れる決心』
『別れる決心』© 2022 CJ ENM Co., Ltd., MOHO FILM. ALL RIGHTS RESERVED

映画科学芸術アカデミーから12月21日(現地時間)発表された「第95回アカデミー賞」国際長編映画賞のショートリストに、韓国代表のパク・チャヌク監督作『別れる決心』が選出され、アカデミー賞ノミネートに王手をかけた。

アカデミー賞ノミネートに高まる期待

今年5月のカンヌ国際映画祭コンペティション部門での監督賞受賞以来、世界の批評家・映画サイトから絶賛を浴び、ゴールデン・グローブ賞作品賞ー非英語作品(旧・外国語映画賞)にもノミネートされた本作。

賞レースでは、ボストン・オンライン映画批評家協会賞の国際映画賞、ワシントンDC映画批評家協会賞、シカゴ映画批評家協会賞での外国語映画賞、撮影賞などを受賞し、破竹の勢いを見せている。

ほかにも米ハリウッド・リポーター誌やニューヨーク・タイムズ紙、ローリングストーン誌、インディ・ワイヤー誌などが選ぶ今年の映画ベスト10にも選出されるなど、世界中で最高の評価を受けており、韓国映画として初の国際長編映画賞ノミネートにして作品賞を含む4部門受賞を果たしたポン・ジュノ監督『パラサイト 半地下の家族』に続きアカデミー賞へのノミネートなるか、期待が高まる。

“韓国のアカデミー賞”では7冠を獲得

韓国では公開後に発売された脚本集がベストセラー1位を獲得、決めセリフがSNSで流行、BTSのメンバーRMも複数回鑑賞するほどハマったと自身のSNSやYouTubeで報告するなど、社会現象ともいえるブームを巻き起こしている本作。

韓国の“アカデミー賞”とも称される、最も権威ある映画祭、青龍賞では最優秀作品賞・監督賞をはじめ7冠を獲得、大鐘賞でも作品賞、脚本賞、主演男優賞の3冠を獲得した。

パク・チャヌク監督は『オールド・ボーイ』(03)で第57回カンヌ国際映画祭グランプリを受賞。その後『渇き』(09)、『イノセント・ガーデン』(13)、『お嬢さん』(16)など唯一無二の作品で世界中の観客と批評家をうならせ続けてきた巨匠の6年ぶりの最新作は、サスペンスとロマンスが溶け合う珠玉のドラマだ。

主演は『殺人の追憶』(03)、『グエムル-漢江の怪物-』(06)とポン・ジュノ監督作品への出演で一躍注目を集め、ドラマ、アクション、時代劇などキャリアを通して幅広い分野で活躍しているパク・ヘイルと、アン・リー監督『ラスト、コーション』(07)でヒロインを演じ一躍国際的な女優としての地位を確立、『ブラックハット』(15/マイケル・マン監督)でハリウッドにも進出しているタン・ウェイ。

物語は、刑事ヘジュン(パク・ヘイル)が、崖から転落死した男の妻ソレ(タン・ウェイ)の調査を開始することから始まる。取り調べが進む中で、お互いの視線は交差し、それぞれの胸に言葉にならない感情が湧き上がってくる。いつしか刑事ヘジュンはソレに惹かれ、彼女もまたヘジュンに特別な想いを抱き始める。

パク・チャヌクの盟友であり Netflix『シスターズ』も話題の脚本家チョン・ソギョンと共に手掛ける、二転三転する先の読めないストーリー、相手の本心を知りたいヘジュンとソレのスリリングな駆け引きに、ハマる批評家や観客が続出。映画レビューサイト「Rotten Tomatoes」では94%フレッシュを記録し、「『パラサイト 半地下の家族』の次はこれ!(Variety)」「今年最もロマンティックな映画(IndieWire)」「ミステリーとロマンスが優雅に溶け合っている(Collider)」といった絶賛評が上がっている。

映画『別れる決心』は2023年2月17日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

『別れる決心』© 2022 CJ ENM Co., Ltd., MOHO FILM. ALL RIGHTS RESERVED

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