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『マッドマックス』だけじゃない!オーストラリア映画が激アツ!!『渇きと偽り』公開記念!絶対に外さない良質映画4選

『マッドマックス』だけじゃない!オーストラリア映画が激アツ!!『渇きと偽り』公開記念!絶対に外さない良質映画4選
『渇きと偽り』©2020 The Dry Film Holdings Pty Ltd and Screen Australia

オーストラリア映画といえば、ジョージ・ミラー監督の『マッドマックス』(1979年~)のイメージが強く、広大な土地で派手なアクションが撮影されているイメージが強いが、 近年ジャンルを問わず様々な映画がオーストラリアで撮影されている。理由は、オーストラリア国内での撮影が優遇され助成金も出るという、積極的な政府の措置のおかげ。ジュリア・ロバーツジョージ・クルーニー共演の話題のロマコメ『チケット・トゥ・パラダイス』(11月3日公開)も国内での撮影を条件に国からの助成金を受け撮影された作品のひとつ。そのため、マーベル映画から中小規模の作品まで多くの作品がこぞってオーストラリアで撮影を実施、企画している。

良質なオーストラリア映画4選!

撮影地として人気を集めるオーストラリアだが、地元の映画も相乗効果で盛り上がっている。この秋、オーストラリアでロングランヒットを放ち、世界でも注目を集めた『渇きと偽り』がついに日本公開を迎える。それを記念しハリウッドに負けてない、良作オーストラリア映画を一挙ご紹介!

『渇きと偽り』9月23日(金)より、新宿シネマカリテほか全国公開

世界的ベストセラーとなったジェイン・ハーパーのデビュー作「渇きと偽り」(ハヤカワ文庫刊)を、オーストラリア最高峰の映画人たちが映画化。主演は本作が12年ぶりのオーストラリア映画主演となるエリック・バナ。自然に恵まれた観光大国の裏側で、いまオーストラリアが直面する問題を生々しく世界に提示しながらエンターテイメントに昇華させた至高のクライムサスペンス。

渇きと偽り (ハヤカワ・ミステリ)

エリック・バナ演じるメルボルンの連邦警察官、アーロン・フォークは、自身の妻と子供を殺して無理心中を図ったとみられる旧友、ルークの葬儀に参列するため、20年ぶりに故郷に帰ってくる。真相究明のために町にとどまり捜査を行うフォークは、17歳の時に自分が殺人犯と疑われた同級生の死とも向き合うことになり、ルークと自身の無実を証明するため奔走していく―。現在と過去に起きた事件の繋がりとはー?果たしてルークが本当に家族を殺したのかー?

過去と現在2つの事件が巧みに交錯していく構成で、観る者の心を映画の中に引きずり込んでいく本作。主演のエリック・バナはストーリーに惚れ込み、プロデューサーも務めた。オーストラリア郊外の広大な大地が映画のみどころの一つとなっているが、ロケ地となったビクトリア地方の、あたり一面に広がる開発されていない農地が異様な存在感を放ち、登場人物の一人としてオーストラリアのリアルをありのままに語っている。

地元で大ヒットを果たした結果、現在続編も制作中。オーストラリアを代表する新たな人気シリーズになり得る作品として世界からも注目されている。

『ババドック 暗闇の魔物』(2014年)

世界各国の映画祭で大絶賛!本作が初脚本、初長編監督作の新人女性監督ジェニファー・ケントが手掛ける心理ホラー。近年のオーストラリアインディーズ映画の力を世界に示すきっかけとなった名作。

夫を事故で亡くしたシングルマザーのアメリアは、手のかかる一人息子サミュエルと共に暮らしていた。ある日サミュエルが、アメリアの知らない一冊の絵本を取り出し、彼女に読んで欲しいとせがむ。どこか薄気味悪いその絵本には「ババドック」というキャラクターが登場し、それ以降、部屋に何かがいると騒ぎ出すサミュエル。アメリアは息子の態度にうんざりするが、徐々にその謎の存在が、彼女のもとにも忍び寄ってくる――。

「あまりに怖すぎる」と世界中のホラーファンの間で口コミで広がり、熱狂的な人気を獲得。『エクソシスト』の鬼才ウィリアム・フリードキン監督も自身のツイッターで「この作品よりも怖い映画は見たことがない」とお墨付き。

ババドック 暗闇の魔物(字幕版)

『ナイチンゲール』(2018年)

第75回ヴェネチア国際映画祭、新人俳優賞(マルチェロ・マストロヤンニ賞)、審査員特別賞の二冠を獲得しながらも、そのあまりにも過激な内容とバイオレンス描写で賛否両論を呼んだ問題作。

19世紀、オーストラリアのタスマニア地方。ケチな盗みを働き流刑囚となったアイルランド人のクレアは、その美しい容姿と歌声から、一帯を支配する英国軍将校ホーキンスに囲われていた。クレアの夫エイデンは、彼女が刑期を終えた後も釈放されることなく、拘束されていることについて不満を持ち、ホーキンスに交渉を試みる。しかし、逆上したホーキンスはクレアを仲間達とレイプした挙句、彼女の目の前でエイデンと子供を殺害してしまう。愛する者達を奪われ復讐を決意したクレアは、家族や仲間を殺されて奴隷となり白人達を恨む先住民アボリジニの黒人男性ビリーに出会い、やがて強い絆が生まれてゆく――。

『ババドック 暗闇の魔物』のジェニファー・ケント監督2作目。『渇きと偽り』も手掛けたオーストラリアを牽引する名プロデューサー、ブルーナ・パパンドレアがジェニファー・ケントの才能に惚れ込みプロデュースを決意したという女性製作者たちが生み出した骨太サスペンス。

ナイチンゲール[DVD]

『ニトラム』(2021年)

今ハリウッドで最も注目の実力派俳優ケイレブ・ランドリー・ジョーンズが第74回カンヌ国際映画祭主演男優賞受賞した、オーストラリアの観光地で起こった実際の事件を犯人側の目線で描いた実録サスペンス。

自然豊かなオーストラリアタスマニア州で暮らす風変りな青年は、周囲から名前を逆さに読んで“ニトラム”と呼ばれてからかわれ、孤独な日々を送っていた。母は彼を「普通」の若者として人生を謳歌してほしいと願う一方、父は将来を案じ出来る限りのケアをしようと努めている。サーフィンに憧れている彼は、ボードを買うために庭の芝刈りの訪問営業を始める。そんなある日、彼はヘレンという女性と出会う――。

オーストラリア史上最悪の犠牲者を出した無差別銃乱射事件の謎に包まれた犯人の生活と彷徨の日々を淡々と描き上げ、彼の内面に巣食う孤独と劣等感、屈折した男性性を痛々しいまでに正直に描き出した意欲作。叙情的に描かれるタスマニアの美しい風景と自然音も見どころ。

ニトラム/NITRAM(字幕版)

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『渇きと偽り』

メルボルンの連邦警察官として働くアーロン・フォークは、家族を惨殺した後、自殺したとされる親友ルークの葬儀に参列するため、20年ぶりに帰郷した。ルークの両親にせがまれ、親友が犯した事件の真相を調べることになるが、その事件を追うことは同時に、17歳の頃、自分自身が殺人犯と疑われた同級生の少女の変死事件をめぐる記憶と対面することでもあった。過去と現在の事件に振り回されながらも、次第に親友の事件は単なる自殺ではないことを突き止める。さらに過去の少女の死の真相も知ることになる—。

監督:ロバート・コノリー
出演:エリック・バナ、ジュネヴィーヴ・オーライリー、キーア・オドネル、ジョン・ポルソン
原作:ジェイン・ハーパー「渇きと偽り」(早川書房)

制作年: 2020