ジブリの名作の世界が満載! 「宮崎駿展」が米アカデミー映画博物館で開催!

ジブリの名作の世界が満載! 「宮崎駿展」が米アカデミー映画博物館で開催!
『となりのトトロ』(1988)スチール写真 宮崎駿 © 1988 Studio Ghibli

米国の現地時間2021年4月30日(金)にロサンゼルスにオープンする「アカデミー映画博物館」で、オープン記念企画展として「宮崎駿展」が開催されることが明らかになった。

「アカデミー映画博物館」 Photo by Joshua White JWPictures / ©Academy Museum Foundation

アカデミー映画博物館は、「アカデミー賞」を主催するアメリカの映画芸術科学アカデミーが開館する“映画の芸術”と“科学”に特化した世界最高の施設。そして、「宮崎駿展」はスタジオジブリの企画制作協力で、北米で初めて宮崎駿監督に焦点を当てた回顧展となる。キュレーションは、 アカデミー映画博物館キュレーターのジェシカ・ニーベル氏とアシスタント・キュレーターの J・ ラウル・グズマン氏が担当する。

宮崎駿監督 (撮影:Nicolas Guerin)

宮崎駿監督の長編アニメーション作品『となりのトトロ』(1988年)、 アカデミー賞受賞作品である『千と千尋の神隠し』(2001年)などから、海外初出品のものを含む、オリジナルイメージボードキャラクターデザイン絵コンテレイアウト背景画ポスターセルなど約300点以上をダイナミックに展示し、フィルムクリップの大型投影など臨場感たっぷりの環境の中、半世紀を超える宮崎駿監督のキャリアを振り返る。

『風の谷のナウシカ』(1984)イメージボード 宮崎駿 © 1984 Studio Ghibli・H

スタジオジブリの代表取締役プロデューサーである鈴木敏夫氏は「アカデミー映画博物館の開館記念の展覧会に、宮崎駿展を開催いただけること、大変光栄に思います。宮崎の才能は、見たものを記憶する力です。頭の中の引き出しから記憶を引っ張り出したりし、オリジナリティの強いキャラクター、風景、建物を作り上げて来ました。今回の展示で は、宮崎駿の創作活動の全てを見ていただければ幸いです。開催にあたり、ご尽力いただいたすべての方々に感謝いたします。」とコメント。

『となりのトトロ』(1988)イメージボード 宮崎駿 © 1988 Studio Ghibli

「宮崎駿展」7つのブースの概要

実際に博物館内で展示される予定のブースについて、公式リリースより以下に抜粋してお届けする。

①ツリートンネル

『となりのトトロ』(1988)スチール写真 宮崎駿 © 1988 Studio Ghibli

『となりのトトロ』に登場する4歳の“メイ”の後を追って、宮崎駿監督の魅力的な世界へいざなう「ツリートンネル」ギャラリー。

②クリエイティング キャラクター

『魔女の宅急便』(1989)スチール写真 宮崎駿 © 1989 角野栄子・Studio Ghibli・N

ツリートンネル」をくぐり「クリエイティング キャラクター」ギャラリーに移動すると、マルチスクリーンで上映されているのは、 宮崎作品の主人公たちの映像。『となりのトトロ』『魔女の宅急便』(1989年)や『もののけ姫』(1997年)などのキャラクターデザイン原画をはじめ、海外未公開の作品も含めて、キャラクターがどのようにして誕生したのかを紹介。

『魔女の宅急便』(1989)レイアウト © 1989 角野栄子・Studio Ghibli・N

③メイキング

『風の谷のナウシカ』(1984)イメージボード 宮崎駿 © 1984 Studio Ghibli・H

スタジオジブリの共同創設者である故・高畑勲監督と共に、長期にわたり取り組んだ作品をはじめ、初期の作品を中心に紹介。アニメーターとして参加した高畑勲監督のTVアニメシリーズ『アルプスの少女ハイジ』(1974年)や初監督作『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年)などを展示。 また、『風の谷のナウシカ』(1984年)のスペシャルトリビュートでは、宮崎駿監督のキャリアやスタジオジブリの設立に、いかに重要な作品だったかが強調されている。

④クリエイティングワールド

『天空の城ラピュタ』(1986)イメージボード 宮崎駿 © 1986 Studio Ghibli

宮崎駿監督の幻想的な世界を彷彿とさせる「クリエイティングワールド」ギャラリーでは、宮崎作品にもよく登場する、美しい自然や平和な環境と、労働や技術が支配する産業の世界との コントラストを総合的に捉えている。『天空の城ラピュタ』(1986年)のオリジナルイメージボードや、その後のジブリ作品のアートワークなど、宮崎駿監督のイマジネーションを垣間見ることができるコンセプトスケッチや背景画を展示。

『千と千尋の神隠し』の有名な湯屋や『崖の上のポニョ』(2008年)の水中世界、『紅の豚』(1992年)や『風立ちぬ』(2013年)などの“飛行”をテーマにした作品のように、宮崎駿監督の美術設定における、複雑な垂直構造の魅力に焦点を当てた展示となる。

『千と千尋の神隠し』(2001)背景画 © 2001 Studio Ghibli・NDDTM

『崖の上のポニョ』(2008)美術ボード © 2008 Studio Ghibli・NDHDMT

『紅の豚』(1992)イメージボード 宮崎駿 © 1992 Studio Ghibli・NN

⑤スカイビュー インスタレーション

『風立ちぬ』(2013)背景画 © 2013 Studio Ghibli・NDHDMTK

本展の見どころとして、宮崎作品のもう一つのモチーフとなる「ゆったりとした時間を過ごしたい」「一休みしたい」「考えたい」「夢を見たい」という思いを表現したスカイビュー インスタレーションでは、ゆっくりとした時間を過ごせる。

⑥トランスフォーメーション

『ハウルの動く城』(2004)美術ボード © 2004 Studio Ghibli・NDDMT

ここでは、宮崎作品の登場人物やストーリーが目覚ましい変容を遂げていく様子など、映画の世界観を体感できる。例えば、『ハウルの動く城』(2004年)では、主人公たちが様々な感情とともに肉体的な変容を遂げ、『風の谷のナウシカ』では、人間が自然界に及ぼす様々な影響を、想像力豊かな方法で表現。

⑦マジカルフォレスト

『もののけ姫』(1997)スチール写真 宮崎駿 © 1997 Studio Ghibli・ND

宮崎作品に登場する巨大で神秘的な木は、夢と現実の狭間で、別の世界への扉を開いてくれる。 本展の最終ギャラリーでは、『もののけ姫』に登場する森の精霊“コダマ”たちや、自然描写を中心とした、宮崎作品のイメージボードや背景画が展示される。「マジカルフォレスト」ギャラリーから再び通路を進んでいくことで、宮崎駿の想像力豊かな世界から博物館に戻れるようになっている。

『もののけ姫』(1997)背景画 © 1997 Studio Ghibli・ND

博物館内の劇場では、日英両言語での映画上映や公開プログラム、ミュージアムストアではスタジオジブリに関連するユニークなグッズなども販売される。

「宮崎駿展」は米ロサンゼルスで現地時間2021年4月30日(金)より開催予定。

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