GWこそ、自分だけの「沼」へ。大人が趣味に没頭する至福の映画5選

GWこそ、自分だけの「沼」へ。大人が趣味に没頭する至福の映画5選

いよいよゴールデンウィークが目前に迫ってきました。旅行やレジャーの計画もいいけれど、今年の連休は「誰にも邪魔されず、自分の好きなことに溺れてみる」のはいかがでしょうか。

「趣味」は、時に現実逃避の手段であり、時に人生を肯定するための武器になります。そこで今回は、何かに「狂う」ほどの情熱を持った人々を描く5作品を選んでみました。効率や損得を忘れ、ただ「好き」を突き詰める彼らの姿は、新年度の疲れをリセットし、忘れていた初期衝動を思い出させてくれるかもしれません。

好きなことを、好きなだけ。

『ハイ・フィデリティ』(2000年)

監督:スティーヴン・フリアーズ
出演:ジョン・キューザック、ジャック・ブラック、リサ・ボネ ほか

【あらすじ】
シカゴで中古レコードショップを営むロブは、30代になっても独身。同棲していた恋人ローラが出て行ったことをきっかけに、彼は自分の「失恋ワーストTOP5」を振り返り始めます。音楽の知識は誰にも負けないのに、人間関係はいつも不協和音。偏愛する音楽の海に逃げ込みながら、ロブは自分自身の欠落した部分と向き合っていくことになりますが……。

【おすすめポイント】
自分の人生の出来事をすべて「ベスト5」のリストにして整理したがる、マニア特有の思考回路に共感する人も多いのではないでしょうか。ジャック・ブラック演じる同僚店員とのマニアックな音楽談義は爆笑必至。「好きなものを共有することの難しさと喜び」を描いた、全音楽ファンへの賛歌です。

『サイドウェイ』(2004年)

監督:アレクサンダー・ペイン
出演:ポール・ジアマッティ、トーマス・ヘイデン・チャーチ、ヴァージニア・マドセン ほか

【あらすじ】
小説家志望の国語教師マイルスは、ワインをこよなく愛するバツイチの中年男。親友ジャックの結婚直前の独身最後を祝うため、二人はカリフォルニアのワイナリー巡りの旅に出ます。ワインに対して一家言ある繊細なマイルスと、ただハメを外したい対照的なジャック。旅路で出会う女性たち、そして極上のワインが、停滞していた彼らの人生に微かな変化をもたらし……。

【おすすめポイント】
マイルスが語る「ピノ・ノワールの繊細さ」は、そのまま彼自身の不器用な生き方を象徴しているようです。「ただ飲むだけでなく、その背景やストーリーまで愛でる」という、大人の趣味の醍醐味が詰まったロードムービー。連休中、ちょっと良いワインを片手にゆっくり鑑賞したくなる一本です。

『ジュリー&ジュリア』(2009年)
https://youtu.be/cirm99jxO_I?si=aepOnBPprfyteuVp
監督:ノーラ・エフロン
出演:メリル・ストリープ、エイミー・アダムス、スタンリー・トゥッチ ほか

【あらすじ】
1949年のパリでフランス料理に魅了された伝説の料理家ジュリアと、2002年のNYで、ジュリアの全524レシピを1年で作り上げると決意したOLジュリー。50年の時を超え、二人の女性の物語が「料理」を通じて重なり合い……。

【おすすめポイント】
「一年間でやり遂げる」というプロジェクト型の没頭が、人生をどう変えるかを見事に描いています。バターが溶ける音、美味しそうな料理の数々に五感が刺激されるはず。「誰かのためではなく、自分のための挑戦」を始める勇気をくれる、エネルギッシュな一作です。

『日日是好日』(2018年)

監督:大森立嗣
出演:黒木華、樹木希林、多部未華子 ほか

【あらすじ】
「やりたいこと」が見つからないまま、母の勧めで茶道教室に通い始めた20歳の大学生・典子。最初は意味の分からない所作に戸惑うばかりでしたが、武田先生の指導のもと、季節の移ろいや道具の手触りを感じ取る喜びを学んでいき……。

【おすすめポイント】
「趣味」が単なるスキルの習得ではなく、「世界をどう捉えるか」という哲学へと昇華されていく過程が美しい作品です。雨の音、お湯の音、風の匂い。五感で季節を味わう贅沢さは、都会の喧騒を離れたいGWの気分にぴったりなのではないでしょうか。静かな感動が、心の奥底を浄化してくれます。

『メタモルフォーゼの縁側』(2022年)

監督:狩山俊輔
出演:芦田愛菜、高橋恭平、古川琴音 ほか

【あらすじ】
人付き合いが苦手な女子高生うららと、夫に先立たれた75歳の雪。ある日、雪が表紙の美しさに惹かれて手に取ったのは、なんとボーイズ・ラブ(BL)漫画でした。作品の魅力にハマった雪は、書店でバイトをしていたBLに詳しいうららと「好き」を語り合うようになり……。

【おすすめポイント】
「好きという気持ちに、年齢も立場も関係ない」ことを教えてくれる名作。推しの尊さを噛みしめ、新刊の発売を待ちわびる二人の姿は、オタクならずとも温かい気持ちになります。趣味が孤独な心を救い、誰かと繋がるための架け橋になる。その純粋な喜びに満ちた一本です。

何かに夢中になることが、結果として自分自身を救っているという5作品を選んでみました。「これをやって何になるの?」という効率主義の問いは、一度忘れてしまいましょう。このゴールデンウィーク、あなたも自分だけの「沼」にどっぷりと浸かってみませんか。その時間はきっと、連休明けのあなたを支える力強いエネルギーに変わっているはずです。

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