なぜ「スマホ普及“以前”の映画」がSNSでバズったのか?絶妙に懐かしい「やり直し」青春コメディ

なぜ「スマホ普及“以前”の映画」がSNSでバズったのか?絶妙に懐かしい「やり直し」青春コメディ
『セブンティーン・アゲイン』© New Line Productions, Inc.
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人生やり直し青春コメディの傑作!追悼マシュー・ペリー

本作の主人公が青春を謳歌した1989年という微妙な時代設定は、現在アラフィフ以上のリアルタイム世代には懐かしく、現代の彼が生きる00年代初頭の描写すらZ世代には新鮮に映るだろう。しかも、今昔2人のマイクをマシュー・ペリーとザック・エフロンが演じるという豪華キャスト。17歳の頃のキレッキレの身体を得た主人公が、いじめっ子をメタメタにやり返す様子は痛快だ。

『セブンティーン・アゲイン』© New Line Productions, Inc.

とはいえ不思議な若返りからのムチャな高校編入生活は、そこかしこにボロが出はじめる。ジョックスにいじめられている息子を救えたのはいいものの、ちょいグレな娘に惚れられてしまう展開までは求めていない。マイクはただ青春時代をやり直したいだけ……なのだが、今更やり直してどうしようというのか? いや、やり直すのに遅いなんてことはないのか――?

『セブンティーン・アゲイン』© New Line Productions, Inc.

本作はそうした現実的な問題はさて置き、若返りマイクが学校内外で巻き起こす騒動を、とことん楽しく見せてくれる。いじめっ子をコテンパンにやり込めるシーンがSNSで切り取られて世界的にバズったのは、本作が現代にも通用することを証明している。

スマホが浸透するギリギリ手前のノスタルジーを味わい、2023年に亡くなったマシュー・ペリーを悼みつつ鑑賞しよう。

『セブンティーン・アゲイン』はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2025年5~6月放送

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