なぜ「スマホ普及“以前”の映画」がSNSでバズったのか?絶妙に懐かしい「やり直し」青春コメディ

なぜ「スマホ普及“以前”の映画」がSNSでバズったのか?絶妙に懐かしい「やり直し」青春コメディ
『セブンティーン・アゲイン』© New Line Productions, Inc.
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SNSでバズった“未スマホ時代”の名作

“なろう系”コンテンツ隆盛の昨今。死に戻り無双や転生チートなどパターンは数あれど、その雛形自体ははるか以前から存在した。ハリウッド映画もその一つで、自身の選択が及ぼす未来を垣間見る、あるいは人生そのものをやり直すことで、いちばん大切なものに気づく……といったストーリーは王道だ。

ハートフルな家族ドラマ、感動のヒューマンドラマと好相性のパターンではあるが、“人生やり直し”の突飛な展開はコメディでこそ威力を発揮する。なかでも2009年の青春コメディ『セブンティーン・アゲイン』はSNSでミーム化したので、インスタやTikTokの切り抜き動画を目にしたことがある人も多いだろう。

37歳の冴えないパパ、17歳の身体を取り戻す

1989年、ハイスクールに通う17歳のマイク・オドネルはバスケ部のスター選手として活躍していた。有名大学のスカウトが見守る試合でいつものプレイさえすれば、華々しい未来が待っているはずだった。ところが、恋人のスカーレットが妊娠したと知ったマイクは、すべてを捨てて彼女と人生を共にすることを決意する。

――20年後、37歳になったマイクの栄光の日々は完全に過去のものになっていた。スカーレットとの結婚は破綻し、会社では出世コースから外され、思春期の娘と息子からは“負け犬”呼ばわり。傷心のマイクは家を出て、ハイスクール時代からの親友の家に転がり込む。

ある日、マイクは不思議な現象に巻き込まれ、突然17歳の肉体に戻ってしまう。これで人生をやり直せる! と張り切るマイクは、かつて通ったハイスクールに転入するのだが、37歳の中身が、あちこちで思わぬ邪魔をする。果たして彼は、人生で一番輝いていた頃の自分を取り戻すことができるのか……?

『セブンティーン・アゲイン』© New Line Productions, Inc.

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