• BANGER!!! トップ
  • >
  • 新着ニュース
  • >
  • 若い女性との性愛に溺れる人妻、絡み合う情念を描く『卍』公開初日舞台挨拶で新藤まなみ&小原徳子「見た瞬間に恋に落ちました」

若い女性との性愛に溺れる人妻、絡み合う情念を描く『卍』公開初日舞台挨拶で新藤まなみ&小原徳子「見た瞬間に恋に落ちました」

若い女性との性愛に溺れる人妻、絡み合う情念を描く『卍』公開初日舞台挨拶で新藤まなみ&小原徳子「見た瞬間に恋に落ちました」
©2023「卍」製作委員会
1 2 3

昭和の名作を令和に――『卍』誕生秘話

本作の企画について聞かれた井土監督は「『卍』は増村保造監督、横山博人監督、井口昇監督など過去にたくさん撮られていて、先行するものが多いとたくさん勉強できるので勉強しながら撮ったという感じなんですよね」と語った。続けて「今や女性どうしが恋愛したり肉体関係持つことって何のタブーでもスキャンダルでもない、むしろ自然なこととして捉えられている。もともと谷崎の原作ではそこがポイントでタブーに触れている、禁断の、あるいはスキャンダラスだったが、じゃあ今やるならそこの枷は無くなるよねというところと、あともう一方で現代は既婚者の不倫とかに非常に厳しい社会になっている。つまり、谷崎のころとは価値観が逆転している。この時代に谷崎を読み直すとしたら、そこで残るものって何だろうかと考えてみた」と企画意図を説明。

司会のぶっちゃあが「令和の時代に合ったスタイリッシュな都会的な映画だと感じた」と言うと「僕はスタイリッシュで都会的な人間ではないが、なんとかそうなるように、女性二人を撮る上で、園子をセレクトショップの経営者にして、僕だけではなく、制作担当の方にも頑張ってもらった」とスタッフをねぎらった。

黒住尚生 『卍』公開初日記念舞台挨拶

「現場では『ドライにお願いします』『泣かないでください』と」

光子を演じた新藤は「監督からは好きにやっていいよと言われ、のびのびやらせてもらった。撮影でオッケーをもらってもこれでいいのかと模索する感じでした。普段から私自身、自由奔放ではあるんですけど」と話すと、小原が「今の話を聞いていて監督の作戦がすごいなと思って。過去の『卍』も光子の狂気をどう描くかというのがすごい考えらえているが、今回は令和版だからこそ、そこに狂気だけではなく光子の危うさも人間として描いている。だからこそ(新藤さんの)素材を生かした演出というのがやはり素晴らしいなと」と言葉をつないだ。

井土監督は演出について「ご本人たちがもっている資質をあまり抑圧しないようにということが一番大事かなと。気を付けていたのは、二人でお芝居していると甘い方に流れがちだったので、『ドライにお願いします』『泣かないでください』とそのことは現場で言っていました。

『卍』公開初日記念舞台挨拶 ©2023「卍」製作委員会

最後にコメントを求めらた新藤は「『卍』は今日から公開が始まって、このあと全国で色々な劇場で公開されていくと思いますので、もう私たちがどうにかするというよりはみなさんに観てもらって作品が完成するので、1回2回といっぱい観に来てもらえればなと思います」と語った。続いて小原が「今まさに時代が変わろうとしている時だなと思っていて、それぞれの価値観が認められる時代だからこそ生まれたのがこの『卍』だと思っていますので、みなさまがどんな風な感想を持ってくれるのか、すごく楽しみにしています。『ハッシュタグ 卍』で感想をきかせてください」と会場に呼びかけた。最後に井土監督が「新藤まなみ、小原徳子の光子と園子をぜひご堪能ください」と締めくくった。

『卍』は新宿K’s cinemaほか全国順次公開中

1 2 3
Share On
  • Twitter
  • LINE
  • Facebook

『卍』

柿内園子は歯科医である夫の孝太郎の支えを得て、服のセレクトショップを経営している。孝太郎の母から孫をせっつかれながらも、仕事優先でふたりで仲良く暮らしていた。
新しい服のモデルを探していた園子は、孝太郎から光子という若い女性を紹介されます。光子は孝太郎が偶然店に立ち寄って知り合った喫茶店の店員でした。
光子のおかげでショップの売上がよくなり、新企画を立ち上げることにした園子は、さらに光子に協力を頼みます。光子は快く引き受けました。
次第に園子は小悪魔のような光子に魅了されていき、やがて同性愛の関係となります。
そんなある日、園子の前に光子の彼氏と名乗るエイジがやってきました。光子と園子の関係に気付いているエイジは、園子に「光子を2人で共有しよう」と提案します。
一方、孝太郎もまた光子と園子の情事を裏付ける証拠を見つけ出し…。

出演;新藤まなみ 小原徳子
    大西信満 黒住尚生 明石ゆめか ぶっちゃあ(友情出演)/ 仁科亜季子
    佐藤真澄 伊藤和哉 中嶌駿介 飯田光咲 南 桃子 千広真弓

監督:井土紀州
脚本:小谷香織

制作年: 2023