「MCUフェーズ5」幕開け、2大ヴィランはどう描かれるか? 予告編から読み解く『アントマン&ワスプ:クアントマニア』

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ライター:杉山すぴ豊
「MCUフェーズ5」幕開け、2大ヴィランはどう描かれるか? 予告編から読み解く『アントマン&ワスプ:クアントマニア』
『アントマン&ワスプ:クアントマニア』©Marvel Studios 2022

『アントマン&ワスプ:クアントマニア』の最新予告編がリリースされました。おそらく、これが最終予告編だと思われます。この予告編で特筆すべきことは、2人のヴィランがフィーチャーされていること。その解説をする前に、現状『アントマン&ワスプ:クアントマニア』で分かっていることをまとめておきましょう。

『クアントマニア』最新“分かってること”リスト

・本作は『アントマン』『アントマン&ワスプ』に続くアントマン映画3作目。出演のポール・ラッドを始めとする主要キャスト及び監督のペイトン・リードは変わっていない。

・本作からマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のフェーズ5が始まる。

・本作でフィーチャーされるヴィラン、ジョナサン・メジャース演じるカーンはサノスに匹敵するヴィランと言われており、実際、2025年公開予定のアベンジャーズ映画第5弾が『アベンジャーズ:カーン・ダイナスティ(原題)』とカーンの名をタイトルに入れていることからもわかるように、アベンジャーズの新たな冒険の始まりは本作からとも言える。

・ちなみにジョナサン・メジャースはMCUドラマ『ロキ』で時間軸を守ろうとしていた“在り続ける者”というキャラを演じている。この“在り続ける者”の変異体(別の時間軸にいる自分)がカーンと解釈される。

・タイトルの「クアントマニア」は“クアンタム狂”というような意味であるが、クアンタムとは量子世界であり、超ミクロ化することでアクセスすることのできる異世界(マルチバースの一つ)。ここではあらゆる物理的・時間的法則が我々の知る日常のそれらとは異なる。

・アントマンたちはファミリー。初代アントマン&ワスプ=ピム博士とその妻ジャネット、2代目アントマン&ワスプ=スコットとホープ(ピム夫妻の娘)、スコットの娘キャシー。この3世代ヒーロー家族が量子世界にひきずりこまれ、そこでカーンと出会う。

――ということを頭に入れつつ、この新しい予告編をチェックしてみましょう。

MCUは強敵カーンをどう描くのか?

この予告編では、なんといってもカーンのヴィランぶりが明らかになります。

カーンはスコットの弱みにつけこみます。スコットは量子世界に迷い込んでいたため、娘の成長を見守るべき5年間を失ってしまった。その失われた時間をスコットに返してやるというわけです。その見返りに“ある物”をとってこい、と交換条件を出すわけですね。

どうやらカーンは時間軸(要は歴史ですね)にちょっかいを出し、好きなように現在・過去・未来を書き換えられるらしい。だからスコットの失われた時間をなんとかしてやる、というわけです。さて、このカーンというキャラですが、コミックの設定ではもともとナサニエル・リチャーズという30世紀の地球に生まれた未来人。タイムトラベルの技術を使い古代エジプトに行き、ラマ・タトと名乗って世界を支配しようとしていました。

しかしヒーロー・チーム、ファンタスティック・フォーによって撃退され40世紀の未来へと逃げます。そこで今度は征服王カーンと名乗り、すべての時空を支配しようとするのです。コミックでの“カーン・ダイナスティ”は、このカーンが30世紀の未来から現代の地球にやってきて、一時的にアベンジャーズを打ち負かし世界を征服する壮大な話です。

一方、自分がヴィランになる運命を避けようと21世紀の時代にタイムトラベルし、アイアンラッドというヒーローになったこともあります。このように、あらゆる時代に干渉し様々な自分の変異体を生みだしているという複雑なキャラなのです。

『アントマン&ワスプ:クアントマニア』©Marvel Studios 2022

MCUがこの複雑なカーンをどう描くか興味深いところですが、自分の望む世界を作ろうとしたサノスに対し、自分の望む時の流れを生みだそうとするカーンというわけですね。なお、コミックだとカーンの顔は青色です。演じるジョナサン・メジャースは黒人。これをどう表現するかと思っていたのですが、青い光のシールドで顔面が覆われていたという設定になっていますね。

マーベル屈指の人気ヴィラン、モードックも登場

この予告動画にはもう一人、特筆すべきヴィランが登場します。動画の1分46秒目に注目。このニコチャン大王とSDガンダムのような不思議なキャラは誰か? これはマーベル・コミック屈指の人気ヴィランで、モードックといいます。ファン待望のマーベル・ヴィランがついにMCUに登場です。

もともとは1967年、キャプテン・アメリカの敵として初登場しました。悪の秘密組織に属する下っ端隊員が恐ろしい人体実験の結果、変異した姿です。それは脳を巨大化させ、有機体のコンピューター脳を作るというものでした。実験は成功するのですが、巨大な頭に小さな手足がはえている怪物のような姿になってしまいます。

モードックは「Mental Organism Designed Only for Killing」=「殺人脳組織体」の頭文字をとって<M.O.D.O.K.>と呼ばれます。しかし彼はその頭脳から精神波を発射して、自分を変えた科学者たちを虐殺。そして自ら組織のボスになります。キャプテン・アメリカは肉体が超人化し美しい姿になったのに対し、モードックは脳が超人化し醜い怪物となった。そのコンプレックスがキャプテン・アメリカへの憎悪につながるという設定でした。そして椅子型の浮遊装置を使って絶えず浮いています。

MCU版ではコミックの設定をそのまま使わず、独自のモードックを登場させるようです。というのもコミックでは“素顔”でいることが多いですが、この予告では仮面を被っていますね。そして動画の57秒のところで一瞬だけ仮面を外した姿が写ります。どうやら演じているのはコリー・ストール。彼は『アントマン』で、ヴィランとなるダレン・クロス/イエロージャケットを演じていました。ということは『アントマン』の最後で量子世界に消えたダレンが何らかの理由でモードックになった? なお『ロキ』では時の果ての“虚無”の世界にイエロージャケットのマスクが落ちていました。これもなにかの伏線で活かされるのかな?

というわけで『アントマン&ワスプ:クアントマニア』にはカーンとモードックという、これからの暴れっぷりが期待できる2大ヴィランが登場することになるのです。MCUのフェーズ5の幕開けに相応しい作品になることは間違いなしですね!

なお今回の予告と同時にリリースされたハイネケンとのタイアップCMも可笑しい。ヒーロー活動中にビール飲もうとしているのか、仲間の蟻にたしなめられるアントマン。しかしアルコール・フリーのビールだった……というオチです。

文:杉山すぴ豊

『アントマン&ワスプ:クアントマニア』は2023年2月17日(金)公開

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