「自分って何なんだろう?」香取慎吾の3年ぶり個展『WHO AM I』が開催中

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ライター:石津文子
「自分って何なんだろう?」香取慎吾の3年ぶり個展『WHO AM I』が開催中
香取慎吾 「WHO AM I -SHINGO KATORI ART JAPAN TOUR-」

香取慎吾の約3年ぶりとなる個展「WHO AM I -SHINGO KATORI ART JAPAN TOUR-」が、東京・渋谷のヒカリエホールで開催中だ。

「WHO AM I」というタイトル通り、マルチ・アーティストである香取慎吾の「私は誰?」という根源的な問いが、さまざまな形で表現された今回の個展。展示されている絵画やオブジェの数は、実に約200点。前半は闇のエリア、後半は光のエリアと分かれており、NO TITLE(無題)の作品も多いが、描かれた年代からその背景に想いを馳せるファンも多いだろう。ファンではなくても、彼のアーティストとしての成長を辿ることができる。

うちで踊ろう 2020 ©SHINGO KATORI

中には、2018年の創刊以来、表紙画を手掛ける週刊文春WOMANの原画(60号=縦1303㎜×横970㎜。想像より大きい)や、自身のブログ「空想ファンテジー」のイラスト(これは想像より小さいカードサイズ)など見覚えのあるものから、この個展のために作られた新作も多い。コロナ禍で描かれた作品には「うちで踊ろう」など、“人に見てもらうために描いている”という彼のエンジン音が伝わるようなものがあり、一方で「マイナンバー」と題された作品では、光のエリアにありながらも番号に置き換えられてしまうことや匿名性への恐怖も感じられる。

開催に先駆け行われた取材会では、香取がタイトルに込めた気持ちなどを率直に語ってくれた。

マイナンバー 2022 ©SHINGO KATORI

「“くろうさぎ”が、僕の家にいたんです」

―いよいよ開幕ですが、今のお気持ちは?

めちゃくちゃ嬉しいです。キャンバスや段ボール、画材も色々なんですが、頭の中に浮かんだものを表現しています。僕は常に人に見てもらいたいと思って描いている方なので、個展ができるということはすごい喜びです。

―「WHO AM I」というタイトルにはどんな想いが込められているのでしょう?

いろんな顔がある慎吾ちゃんなので、そこが香取慎吾の面白いところでもあり。でも自分を客観的に見たときに、「この人、いろんな仕事をしているな」って思う――俳優の顔もあったり、歌手の顔、バラエティ・タレント、絵を描くアーティスト、洋服のデザイナー、ほんとにいろんなことをやっているんだけど、自分でふと「俺って何なんだろう?」となる。

それはポジティブな方向での「WHO AM I」もあれば、ネガティブな時もある。皆さんもあると思うんですが、「今日はちょっと嫌だなあ。辛いなあ」って時に下を向いて「自分って何なんだろう?」と思うのも「WHO AM I」だったりとか、そんな想いが全て込められたタイトルになっています。個展の中身も、“闇の部分”と、“光の部分”とに分けて、自分の絵を展示しています。

L→R:NO TITLE 2013 / me 2009 ©SHINGO KATORI

―香取さんの作品によく出てくる「くろうさぎ」が、今回は絵だけではなく立体としてもいくつかいますが、立体化された理由は?

そうですねえ……可愛いから(会場笑)。今までもずっと絵に描いてましたし、可愛いんですが、この子との出会いは、“闇の部分“だと思うんです。ある時、黒いうさぎが実際に僕の家にいたんですよ。(キョトンとする記者たちに向かって)ゴメンなさい(笑)。ピョコピョコ、ピョコピョコって。それで「何なんだろうなあ?」って思って絵に描いてみたら、いなくなったんです。

それから自分の絵に登場するようになって、たくさん描きましたが、その姿を実際に見てみたいなと思って立体にしました。会場にはシンボルとしてこの大きな子もいますけど、もっと小っちゃい子もいます。いろんなところにいるんで、「くろうさぎ」に会えたら挨拶してあげてください(笑)。

香取慎吾 「WHO AM I -SHINGO KATORI ART JAPAN TOUR-」

「(稲垣・草彅に)チケットはあげます(笑)」

―今回の個展と、前回の個展との違いを教えてください。

僕もいろんな方の個展に足を運ぶことが多いんですけど、前回の個展「BOUM!BOUM!BOUM!香取慎吾NIPPON初個展」(2019年)はIHIステージアラウンド東京という劇場が会場で、客席があって映像があって、すごい規模だったので、もし次に個展をやれるなら、いわゆる“個展“をやってみたいなって思っていたんです。でも白い壁のいわゆる個展を目ざしてたら、またちょっと違うところに行っちゃったみたいで(笑)。白い壁だけでなく黒い壁の部屋があったり、気づけばスモークが焚かれていたり、音楽も流れていたりします。

音楽は、渋谷慶一郎さんにお願いしました。草彅(剛)さんの映画『ミッドナイトスワン』の曲を聞いて、いつかお仕事したいと思っていたんです。でも一つテーマ曲をお願いしたら、渋谷さんがプログラミングをしてくれて、24個のスピーカーを使って、それぞれがAIで勝手に共鳴し合うようにしてくれたんです。だから、その時に鳴っている音は、もう二度と同じものは聞こえない。闇や光の部分、「WHO AM I」というものを耳でも体験できる個展になっています。照明さんや、特効さん、音響さんとも打ち合わせをしましたし、僕の場合、SHOWとかLIVEで育ってきたので、なんかコンサートを作っているみたいな感覚でした。

香取慎吾 「WHO AM I -SHINGO KATORI ART JAPAN TOUR-」

―今回、稲垣吾郎さんと草彅剛さんが会場でご覧になるご予定はありますか? 前回の個展では草彅さんが、会見を陰で見ていたそうですが。

近い人間とはいえ、見てくれるかどうかは知りません(会場爆笑)。すみません、面白いかと思って(笑)。どうだろうな。来てくれると思いますけど、草彅さんは今、久々の連続ドラマ(『罠の戦争』)で忙しいって言ってて、(草彅さん風の口調で)「東京は無理かなぁ。次、どこに行くんだっけー?」って、他の地域まで来てくれるみたいで、さらっと言ってくれた感じがすごく嬉しいです。僕は地方の個展も全部行くつもりなので、どこかに(草彅さんと)一緒に行って、一緒にご飯食べることになると思います。

香取慎吾 「WHO AM I -SHINGO KATORI ART JAPAN TOUR-」

―稲垣さんは?

稲垣さんは、そうは言っても、東京で開催されたらすぐに来てくれそうです。チケットあげます(笑)。

―東京は1月22日までですが、福島は再来年だったり、本当に長い期間ですね。

福島にも行きます。タイトルに「ART JAPAN TOUR」とあるように長いツアーになりそうで、楽しみです。

―そこにいる「くろうさぎ」さんですが、漢字、カタカナ、ひらがなと、どう表記すればよいのか教えてください。

ひらがなです。何度か、カタカナかなって思ったこともあるんですが、ひらがなが一番可愛いですね。可愛いからです。ひらがなが可愛くないですか?(記者が「可愛いです」と返事)なんだ、この会話は(笑)。来年はうさぎ年なので、「くろうさぎ」の1年になるんじゃないかな。

香取慎吾 「WHO AM I -SHINGO KATORI ART JAPAN TOUR-」

「出し惜しみはしない」

ここで質問タイムは終了という合図が出たのだが、手を挙げていたが質問できずにいた私を慎吾ちゃんが指してくれて「じゃあ、短く(質問を)」と言ってくれた! ありがとう、慎吾ちゃん! というわけで、最後の質問はこちら。

―タイトルに「ART JAPAN TOUR」とありますが、今後、各都市ごとで表現するものはありますか? 会場にはパリやベネチアの作品もありますが。

各地で絵を増やしていくかどうか聞かれたり、自分でもそうしそうなんですけど、今回はあんまり考えずに行こうかと。途中、行った先で描くことはあるかもしれません。でも、ここ(渋谷ヒカリエ)だけで200点もあるんです。100点は今までも(皆さんが)見たことがあるものですが、残りの100点は初めて出展するものなんです。もう置く所がないので、「あんまり増やさないでくれ」と言われて(笑)。

PARIS 2022 ©SHINGO KATORI

―じゃあ、壁に描くとか?

そうですね。(壁を指差して)このへんはちょっといけそうかなって思っています(笑)。

香取慎吾 「WHO AM I -SHINGO KATORI ART JAPAN TOUR-」

会見も、密にならないようテレビ、新聞、WEBなど媒体の種類ごとに分けて行い、複数回同じような質問をされても、だれることなく受け答えしているのが、さすが自称「パーフェクト・ビジネス・アイドル」! ピカピカしている。でも、その陰の部分を象徴する『くろうさぎ』の大きなオブジェが、彼の分身にも思える。

「初めて『くろうさぎ』 が登場したのが2003年のスケッチ。今回初めて立体でつくったこともありますし、これぞ闇という作品です。これから先何回、個展を開催できるのかを考えた時に、出し惜しみはしないと思った」と言う香取。以前も、この後何回コンサートができるのか、という趣旨のことを語っていたが、有限な時間をどこまで無限に拡大できるかが、マルチな才能を持つ彼にとって常に課題なのだろう。

香取慎吾 「WHO AM I -SHINGO KATORI ART JAPAN TOUR-」

1月と3月には東京と神戸で大規模なライブ「Black Rabbit」も行う。映画、コンサートなどをこなしながら、これだけの作品を作ってしまえる体力、気力にも驚かされる。香取慎吾は無限大だ。

取材・文・撮影:石津文子

「WHO AM I -SHINGO KATORI ART JAPAN TOUR-」は渋谷ヒカリエ9階 ヒカリエホール ホールA(東京・渋谷)にて2022年12月7日(水)~2023年1月22日(日)まで開催。その後、ジャパンツアーとして全国巡回予定。

「WHO AM I -SHINGO KATORI ART JAPAN TOUR-」

■香取慎吾LIVE「Black Rabbit」
<東京公演>
日時:2023年1月21日(土)15:00 / 1月22日(日)13:00
会場:有明アリーナ
<神戸公演>
日時:2023年3月14日(火)/ 3月15日(水)
会場:神戸ワールド記念ホール
チケット料金:全席指定 9,800円(税込)/ 車イス席 9,800円 (税込)
▼新しい地図NAKAMAチケット先行受付について:公式サイトよりご確認ください(※神戸公演の先行受付と一般発売日は後日お知らせ)。

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