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【カンフー俳優SP:第1弾】ジャッキー・チェンこそアクション王! ハリウッドと香港、コミカルからシリアスまで

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ライター:#高橋ターヤン
【カンフー俳優SP:第1弾】ジャッキー・チェンこそアクション王! ハリウッドと香港、コミカルからシリアスまで
『ポリス・ストーリー/REBORN』CS映画専門チャンネルムービープラス2022年8月放送/(C) 2017 HEYI PICTURES CO., LTD., PERFECT VILLAGE ENTERTAINMENT HK LIMITED, DADI CENTURY (BEIJING) CO., LTD.,

アクション映画のキング、ジャッキーの歩み

アクション映画のキングは、誰が何と言おうとジャッキー・チェンただ一人だ。

世界のアクション映画をリードし続けてきたジャッキーの作品の顔ぶれは時代に合わせて変化しているものの、ごく初期の一部作品を除いて「いかに観客に楽しんでもらうか」という一本筋の通ったポリシーに基づいて制作されている。

『プロジェクトV』CS映画専門チャンネルムービープラス2022年8月放送/(C) 2020 SHANGHAI LIX ENTERTAINMENT CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED

70年代、マイケル・ホイの『Mr.BOO!』シリーズ(1974年~)のメガヒットによって醸成されたコメディ土壌をバックに、ジャッキー・チェン主演、ウー・シーユエン製作、ユエン・ウーピン監督の布陣で制作された『スネーキーモンキー/蛇拳』(1978年)は、それまで復讐劇一辺倒だったカンフー映画界に、笑いのエッセンスを大胆に導入して大ヒット。コミカルカンフーの一大ブームを巻き起こすことになる。

続いて同じ布陣でさらに洗練された『ドランクモンキー/酔拳』(1978年)を発表し、アジア全域でのアクションスターの地位に躍り出たジャッキー。しかし、巷にジャッキーフォロワーによるコミカルカンフー映画が粗製乱造され始める中、『ヤングマスター/師弟出馬』(1980年)、『ドラゴンロード』(1982年)でコミカル路線を早々に店じまいしたジャッキーは、『プロジェクトA』(1983年)で殴り合いだけでない、スタントアクションの新たな地平を切り開き始める。

さらに『レッド・ブロンクス』(1995年)でアジア映画として初めて、悲願の全米興行収入第1位という快挙を成し遂げてからは、香港とハリウッドを行き来しながら多くのヒット作を連発。特に『ラッシュ・アワー』シリーズ(1998年~)は世界興収8億5000万ドルというメガヒットシリーズとなっている。しかし、自身のコントロールが効かないハリウッドでストレスをつのらせたジャッキーは、活動の場を徐々に香港・中国に戻していく。

そんな中で『香港国際警察/NEW POLICE STORY』(2004年)や『新宿インシデント』(2009年)あたりから顕著になってきたのは、ジャッキー映画の背骨である「観客を楽しませる」を満たしながらも、明朗快活な主人公ではない心に闇を抱えたキャラクターを演じることが増えた点、そしてジャッキーが年相応の役を演じている点だ。そんな近年のジャッキー映画の中でも重要な作品が、『ザ・フォーリナー/復讐者』(2017年)、『ポリス・ストーリー/REBORN』(2017年)、『プロジェクトV』(2020年)の3作ではないだろうか。

『ザ・フォーリナー/復讐者』CS映画専門チャンネルムービープラス2022年8月放送/(C) 2017 SPARKLE ROLL MEDIA CORPORATION STX FINANCING, LLC WANDA MEDIA CO., LTD. SPARKLE ROLL CULTURE & ENTERTAINMENT DEVELOPMENT LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

やっぱこうでなくちゃ!「21世紀の」ジャッキー・チェン

『ザ・フォーリナー』はスティーヴン・レザー著「チャイナマン」を原作に、ベトナム戦争への従軍経験のある元特殊部隊員が、IRA(アイルランド共和軍)のテロで娘を爆殺されてしまい、復讐のために巨大組織に戦いを挑むもの。ジャッキーは実年齢相当の役で登場し、『イコライザー』(2014年)などでデンゼル・ワシントンが演じたような“実はスゴ腕”な役を終始シリアスに演じている。

『~REBORN』は、“『ポリス・ストーリー』ユニバース10本記念超大作!”と銘打っているものの、いわゆる『警察故事』(『ポリス・ストーリー/香港国際警察』シリーズ[1985年~])とは異なるラインの作品で、バリバリのSF映画。まず序盤で、ジャッキーが死んだ……と思わせておいて展開するストーリーに驚かされる(主人公なんだから死ぬわけがないんですが)。クライマックスで豪シドニーにある世界遺産オペラハウス上でアクションを繰り広げるのを見ると、「やっぱジャッキーって変な建物を見るとその上に登りたがるよなあ……」という感慨を持つだろう。

そして『プロジェクトV』。こちらは“『プロジェクト』シリーズ6本記念超大作!”とは言っていないし、『プロジェクトA』とは何の関係もない作品(それでも日本版予告編のタイトルの出方は最高なので各自ご確認ください)。近年のジャッキー映画らしく、中国、台湾、イギリス、ドバイ、インド、ザンビアとワールドワイドなロケーションが行われた。

『プロジェクトV』CS映画専門チャンネルムービープラス2022年8月放送/(C) 2020 SHANGHAI LIX ENTERTAINMENT CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED

ジャッキー演じるトンが創設した民間警備会社ヴァンガードが、クライアントの誘拐事件に端を発した国際テロ組織との戦いを描く本作。ジャッキーの役回りは年齢を考慮しヴァンガード司令官役だが、こちらは久々にコメディ寄りのジャッキー全開映画で、「やっぱジャッキーはこうだよなあ」と思うこと請け合いの作品である。

これらの3作はCS映画専門チャンネル ムービープラスの「3ヶ月連続!カンフースターSP」の第一弾として放送(『プロジェクトV』はCS初放送!)。この機会に“21世紀のジャッキー・チェン”を再確認してみてはいかがだろうか。

『ポリス・ストーリー/REBORN』CS映画専門チャンネルムービープラス2022年8月放送/(C) 2017 HEYI PICTURES CO., LTD., PERFECT VILLAGE ENTERTAINMENT HK LIMITED, DADI CENTURY (BEIJING) CO., LTD.,

また9月は、『ドラゴン怒りの鉄拳』(1972年)や『燃えよドラゴン』(1973年)でスタントマン時代のジャッキーの良き兄貴分であった故ブルース・リーの大特集を予定しているので、こちらもお楽しみに!

文:高橋ターヤン

『ザ・フォーリナー/復讐者』『ポリス・ストーリー/REBORN』『プロジェクトV』はCS映画専門チャンネル ムービープラス「3ヶ月連続!カンフースターSP」で2022年8月放送

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