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(なぜか今)90年代ジャッキー・チェンまつり!『酔拳2』『レッド・ブロンクス』ほかアラフォー世代の想い出を呼び覚ます名作3選

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ライター:#BANGER!!! 編集部
(なぜか今)90年代ジャッキー・チェンまつり!『酔拳2』『レッド・ブロンクス』ほかアラフォー世代の想い出を呼び覚ます名作3選
『酔拳2』Drunken Master Ⅱ © 1994 Epic Enterprises Limited. Package Design © 2007 Warner Bros. Entertainment Inc.

2010年以降のジャッキー・チェン映画で最も衝撃的だったのは、やはり“死んだ目”の復讐鬼を演じた『ザ・フォーリナー/復讐者』(2017年)だろうか。同年には『カンフー・ヨガ』という珍作もあったが、アクション引退宣言後も完全には退くことなく(省エネ気味に)アジア映画界を牽引しているジャッキーは、まさしく生ける伝説だ。そんなジャッキーも2021年4月に67歳! ということで、古希(70歳)の大台を前に、脂の乗りきっていた90年代のジャッキー映画を振り返っておきたいと思う。

恥辱屈辱からの“強くて痛そうなカンフー”を見せる『酔拳2』

ジャッキーの出世作『ドランク・モンキー/酔拳』(1978年)はボンクラ青年フェイフォンが、ユエン・シャオティエン(ユエン・ウーピン監督の父)演じる赤鼻師匠による厳しい修行を経て成長し、やがて憎き宿敵を叩きのめすまでを描いた“モンキー”シリーズ2作目。そんな不朽の名作から16年を経て、香港の中国返還を数年後に控えた1994年に公開されたのが続編『酔拳2』だ(※物語的な繋がりはほぼなし)。今回のフェイフォンは非道な密輸組織から貴重な国宝を取り戻すべく、禁断の“酔拳”を解き放つ。

『酔拳2』HDデジタル・リマスター ブルーレイ アルティメット・コレクターズ・エディション ¥7,689(税込)/DVD ¥1,572(税込)
発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント
Drunken Master Ⅱ © 1994 Epic Enterprises Limited. Package Design © 2007 Warner Bros. Entertainment Inc.

『プロジェクトA』(1983年)や『スパルタンX』(1984年)『ポリス・ストーリー/香港国際警察』(1985年)などの大ヒットで日本を含むアジア圏の大スターとなっていたジャッキーが、『少林寺三十六房』(1977年)で知られる重鎮ラウ・カーリョンを監督に迎えて(※途中降板)製作された本作。往年のカンフー映画の燃えるストーリー展開とハリウッドのアクション映画のような生々しいバトル描写をミックスし、本当に強くてしっかり痛そうなカンフーを見せてくれた作品として、X世代だけでなくミレニアル以降の世代にもフェイバリットに挙げるファンは多い。

『酔拳2』Drunken Master Ⅱ © 1994 Epic Enterprises Limited. Package Design © 2007 Warner Bros. Entertainment Inc.

飲酒による醜態はご法度とされている(らしい)中国だけに、酔拳は“奥の手”として描かれてはいるが、多勢に無勢がすぎる乱闘シーンなどでは太っとい割竹を使ったトリッキーなバトルも堪能できる。敵も前作よりワルく強く描かれていて、本作以降ジャッキー映画でおなじみとなった足技マスター、ロー・ワイコン演じるラスボスとのクライマックス戦は必見。工業用アルコールで覚醒し、どんどんギアアップしていく無双状態のジャッキーはもはや恐怖を覚えるレベルだ。

『酔拳2』Drunken Master Ⅱ © 1994 Epic Enterprises Limited. Package Design © 2007 Warner Bros. Entertainment Inc.

ちなみに日本を含む海外版では、ドン引き必至の衝撃的なエンディングシーンがカットされている(内容はググれば分かりますが自己責任でお願いします……)。

『酔拳2』Drunken Master Ⅱ © 1994 Epic Enterprises Limited. Package Design © 2007 Warner Bros. Entertainment Inc.

ハリウッド進出のきっかけとなった大都会アクション!『レッド・ブロンクス』

そんな『酔拳2』の翌年に公開され、ジャッキーの名を世界中に知らしめたのが『レッド・ブロンクス』(1995年)。伯父の結婚式のために香港から米ニューヨークにやってきた刑事のクーンが、ヒャッハー! なチンピラ集団に目をつけられてしまい、やがてガチ怖な犯罪組織やFBIを巻き込んでのド派手な大捕物に発展していく……という物語だ。

『レッド・ブロンクス』
価格:Blu-ray ¥2,619(税込)/DVD ¥1,572(税込)
発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント
© 1996 NEW LINE PRODUCTIONS,INC. ALL RIGHTS RESERVED.

オープンニングから木人爆速打ちや逆立ち腕立てシーンなどを挿入し、40歳を過ぎているとは思えない身体能力を見せつけるジャッキー。『酔拳2』の肝っ玉おトボケ母ちゃんを演じていたアニタ・ムイ(2003年没)との軽妙なやり取りで笑いを誘うも、早々に仁義なきバイオレンス展開に突入していく。例えばジャッキーがチンピラ集団にボコボコにされるシーンはかなり壮絶で、テレビ放送時にうっかり観てしまった子どもたちに「ニューヨークの路地裏は怖い」というトラウマを植え付けた。

『レッド・ブロンクス』© 1996 NEW LINE PRODUCTIONS,INC. ALL RIGHTS RESERVED.

ジャッキーが終始ドタバタしているためスタントのデフレ状態になっているが、見せ場シーンの危険度は思わずため息が漏れるレベル。股間スレスレを通過するバイク、ビルからビルへジャンプ、素足で水上スキー、トラックと壁の隙間でヒヤリ、巨大ホバークラフトの下敷きに(※一部スタンリー・トン監督説あり)などなど控えめに言っても絶句モノのスタントばかりなのだが、撮影中に右足を骨折してしまいギプスを装着して再開したというエピソードからは、世界市場に挑むジャッキーの執念が伝わってくる。

『レッド・ブロンクス』© 1996 NEW LINE PRODUCTIONS,INC. ALL RIGHTS RESERVED.

なおジャッキー映画の真の本編とも言えるエンドロールのNGシーンからも本作の撮影の過酷さが伺い知れるのだが、本気で心配になる閲覧注意映像とジャッキーの笑顔のギャップには、もはや狂気すら感じてしまうのだった。

『レッド・ブロンクス』© 1996 NEW LINE PRODUCTIONS,INC. ALL RIGHTS RESERVED.

カンフー要素は薄いがスタントの危険度はピカイチ!『ファイナル・プロジェクト』

そのタイトルからてっきり『プロジェクト』シリーズ(1983年~)かと思いきや、実は『ポリス・ストーリー』シリーズ(1985年~)だったという謎のややこしさでファンを混乱させたのが『ファイナル・プロジェクト』(1996年)だ。

『ファイナル・プロジェクト』
価格:Blu-ray ¥2,619(税込)/DVD ¥1,572(税込)
発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント
© 1997 EPIC ENTERPRISES LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

本作のジャッキーは香港を飛び出し、ロシア~オーストラリアなど世界を股にかけて大活躍。ホテルの部屋に(豪州フィーリングを出すためだけに)コアラをスタンバイさせるというムダ遣いにはじまり、エグい傾斜をスノボで滑降したりサメと水槽に入ったりする衝撃シーンの数々は、本人が劇中でネタにしている通り、ジャッキー版『007』とでも言うべきカタルシスにあふれている。

『ファイナル・プロジェクト』© 1997 EPIC ENTERPRISES LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

そんな本作でもっとも頭がおかしい……もとい印象的なのが、ヘリに向かって崖からダイブし、被っているクマちゃん帽子がプロペラに弾き飛ばされるシーン。もはやスタントの範疇を超えた自殺行為に等しい発想だが、さらにそのまま氷が張った湖に落下してみせるなど、ジャッキーのキャリアでも屈指の危険スタントが堪能できる。しかも本作は『警察故事4之簡單任務』という、誰が観ても「ぜったい簡単じゃないだろ!」とツッコミたくなる原題でも笑顔にさせてくれるのだった。

『酔拳2』『レッド・ブロンクス』『ファイナル・プロジェクト』はCS映画専門チャンネル ムービープラス「特集:90年代ジャッキー映画3選!」で2021年2月放送

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