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【サメ映画あるある】11連発! なぜか最初に喰われる水着美女!! 名作『ジョーズ』が生んだ様式美

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ライター:#知的風ハット
【サメ映画あるある】11連発! なぜか最初に喰われる水着美女!! 名作『ジョーズ』が生んだ様式美
『JAWS/ジョーズ』©1975 UNIVERSAL STUDIOS. ALL RIGHTS RESERVED.

CS映画専門チャンネル ムービープラス恒例「サメフェス」の季節が今年もやってきた! 今回はテレビ初放送となる『シャークストーム』(2021年)をはじめ、『ザ・メガロドン 怪獣大逆襲』(2021年)ほか8作品を放送。 サメ映画の金字塔『JAWS/ジョーズ』シリーズ(1975年ほか)は字幕版だけでなく、ファンにはおなじみ滝田裕介氏による地上波吹替版の放送も! ということで今回は『ジョーズ』を教科書に、知的風ハット氏による<サメ映画あるある>をご紹介する。

選りすぐりの<サメ映画あるある>11連発

お約束、様式美、フォーマット、クリシェ、お決まりごと……とにもかくにも、サメ映画には様々な“あるある”が存在する。

そこで今回は、玉石混交のサメ映画にある程度共通する、選りすぐりの<サメ映画あるある>をご紹介しよう。これでキミも、明日からサメ映画博士だ。

『JAWS/ジョーズ』©1975 UNIVERSAL STUDIOS. ALL RIGHTS RESERVED.

①とりあえず水着姿の美女が死ぬ

初代『JAWS/ジョーズ』からの伝統である(ただし、厳密には初代『ジョーズ』最初の犠牲者クリッシーは水着ではなく裸の女性)。冒頭に出てきた水着姿の美女は、とりあえずサメに食われて死ぬ。彼女はそのためだけに登場する。飲み屋で例えるなら「とりあえず生」といったところか。

美女に限らず水着姿の若者、もしくは漁師、ダイバーというだけでも致死リスクが跳ね上がるため注意が必要だ。サメ映画におけるオープニングの海は“死の気配”に満ちている。『ディープ・ブルー』(1999年)のような一部の例外を除き、その運命は破滅一直線である。

『JAWS/ジョーズ』©1975 UNIVERSAL STUDIOS. ALL RIGHTS RESERVED.

②地元の有力者がサメの存在を隠蔽する

やはりこれも初代『ジョーズ』から続く様式美である。市長・町長・社長・館長と役職は様々だが、彼らはなにかとサメの存在を隠蔽する。理由は「地元の観光業に影響する」「経済が破綻する」「サマーフェスティバルの開催、リゾートホテルのオープン、もしくは海開きが近い」辺りに偏っている。もちろん隠し切れるはずもなく、最終的に地元の有力者は主人公にすがることとなる。

③海洋生物学者が出てくる

身も蓋もないことを言うならば、サメに詳しい解説役がいた方が話を回しやすいからだろう。よって海洋生物学者は、しばしばサメ映画に登場する。たとえば初代『ジョーズ』における主要人物の一人フーパーは、サメの解説を担う海洋生物学者役だ。

『JAWS/ジョーズ』©1975 UNIVERSAL STUDIOS. ALL RIGHTS RESERVED.

しかし、後発のサメ映画では主人公もしくはヒロインが自ら海洋生物学者役を担当していることも多い。ただしヒロインが海洋生物学者の場合、「この生き物は貴重な生物よ! 殺さずに保護すべきなのよ!!」と騒ぎ始める展開も少なくないため、あらかじめカウンセリングのスキルを磨いておきたい。

④ベテランのハンターも出てくる

脇役の場合は、海洋生物学者と同じく話を回し、サメの解説を行うキャラクター配置である。初代『ジョーズ』の気難しい漁師、クイントがその原型になるだろう。彼らは主人公を凌ぐ技術・知識を備え、ときとして海洋生物学者よりも怪物に詳しいが、主人公ではないので往々にしてクライマックスで死ぬ。

『JAWS/ジョーズ』©1975 UNIVERSAL STUDIOS. ALL RIGHTS RESERVED.

多くのサメ映画で、主役とヒロイン以外の登場人物はビュッフェ形式である。逆に主人公がハンターの場合は言わずもがな、滅多なことでは死なない。

⑤サメ視点のカメラワーク

特に、水面で漂う犠牲者へと、海中(水中)から迫るようなショットが多いだろうか。初代『ジョーズ』から用いられ続けている手法だが、後発のサメ映画があまりにも乱用し過ぎたため、今や新鮮味は薄い。

⑥水中で下半身だけ食われてプルプルする犠牲者

ついでに口から血が出たりもする。こうなるとほぼほぼ助かる見込みはないので、もう諦めよう。ひとしきりプルプルした後は、そのままドボンと水中に引き込まれる。適当に低予算サメ映画を漁ると、高確率でこの演出にぶち当たる。

⑦ジョック(体育会系)が死ぬ

これはサメ映画というよりも『13日の金曜日』シリーズ(1980年~)に代表される、スラッシャー映画由来のお約束。出てくると、死ぬ。

⑧サメが吠える

<サメの襲撃シーンに、なにか動物が吠えるような効果音を演出として被せている>パターンと、<明らかにサメそのものがなんらかの生体器官で吠えている>パターンの2通りが存在する。初代『ジョーズ』は前者、『ジョーズ’87 復讐篇』(1987年)は後者に分類されるか。

『JAWS/ジョーズ』©1975 UNIVERSAL STUDIOS. ALL RIGHTS RESERVED.

ちなみに、前者の手法はスティーヴン・スピルバーグ監督作『激突!』(1971年)ラストの演出が有名だろうか(サメではなく大型トラックだが)。

⑨サメの細胞を使って、なんか変な研究をする

特に『ディープ・ブルー』以降のサメ映画に、一時期多く見られた設定。「末期がんの治療・研究がどうのこうの」みたいな話とセットで出てくることも。その研究過程でうっかりモンスターを生み出してしまった場合、大抵暴走する。責任者は死ぬ。

⑩決め台詞が「Smile You Son of A Bitch!(くたばれ化け物!)」

初代『ジョーズ』クライマックスで、主人公のブロディ署長が言い放った決め台詞。これを意識した、ひと昔前のサメ映画及びパニック映画は、この台詞をもじった、もしくはそのまんま同じ決め台詞をラストで叫びがちである。

その例として、『ブルーサヴェージ』(2004年)や『ピラニアシャーク』(2014年)の名を挙げておこう。

⑪サメが爆発する

初代『ジョーズ』よろしく、サメがラストで爆発する。その方が派手だからだろうか。なお初代『ジョーズ』の原作は、ピーター・ベンチュリーが執筆した同名の小説になるのだが、その原作に出てくるサメは爆発しない。ふつうサメは爆発しないのだ。

――以上が“サメ映画あるある”になるだろう。もっとも、近年再び数を増やしつつある<主要人物が海で漂流・遭難するタイプ>のサメ映画には、上記のお約束が半分以上“当てはまらない”ため要注意。何事にも例外は存在する。

また、あえて“サメ映画あるある”を逆手に取ることで客を驚かせ意外性を演出しようとする、テクニシャンなサメ映画だって中には見受けられる(『ディープ・ブルー』がその筆頭である)。

とにもかくにも、導かれる結論はただひとつ。とりあえず『ジョーズ』を観よう。

『JAWS/ジョーズ』4K Ultra HD+ブルーレイ 発売中
価格:6,589円(税込)
発売:NBCユニバーサル・エンターテイメント

文:知的風ハット

『JAWS/ジョーズ』はCS映画専門チャンネル ムービープラス「特集:サメフェス2022」で2022年7月放送

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