グチャドロなゾンビをバッキバキの解像度で堪能! ロメロ御大による『死霊のえじき』HDニューマスター版

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ライター:BANGER!!! 編集部
グチャドロなゾンビをバッキバキの解像度で堪能! ロメロ御大による『死霊のえじき』HDニューマスター版
『死霊のえじき』©MCMLXXXV-MMII Taurus Entertainment Company All Rights Reserved

世界的に多くの行楽やイベントが封印されてしまった2020年夏のバカンス、いかがお過ごしでしょうか? 燦々と輝く太陽、波音が響くビーチ、そして……腐臭を放つ肉塊!?

『死霊のえじき』©MCMLXXXV-MMII Taurus Entertainment Company All Rights Reserved

ということで少々強引ですが、おうちサマーに最適な傑作ゾンビ映画『死霊のえじき』(1985年)をご紹介します。しかも、最新技術によって超クリアに蘇った美麗映像が楽しめるHDニューマスター版! ただでさえ目を覆いたくなるあんなシーンやこんなシーンが、嫌というほどハッキリクッキリ楽しめちゃいますよ!!

『死霊のえじき』
<HDニューマスター・スペシャルエディション>ブルーレイ発売中
発売元:是空/ポニーキャニオン
販売元:ポニーキャニオン
©MCMLXXXV-MMII Taurus Entertainment Company All Rights Reserved

ゾンビ映画の大家、ロメロ御大による最高傑作!

1985年公開の『死霊のえじき』は言わずもがな、ジョージ・A・ロメロ監督によるゾンビ映画『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド/ゾンビの誕生』(1968年)『ゾンビ』(1978年)に続く<オブ・ザ・デッド三部作>の3作目。肉を求めてノロノロと徘徊し、噛まれると感染する……という今日のゾンビ映画のセオリーを確立した、偉大な初期作品群の締めくくりとなる傑作である。

『死霊のえじき』©MCMLXXXV-MMII Taurus Entertainment Company All Rights Reserved

三部作に直接的な繋がりはないものの、『ナイト・オブ~』で認知された人を襲う死体=ゾンビの存在が『ゾンビ』で花開き、テン年代を代表する人気ドラマ『ウォーキング・デッド』シリーズ(2010年~)にまで連なるゾンビ像を確立。『ゾンビ』があまりにもエポックメイキングな作品なので知名度はイマイチかもしれないが、ゾンビ映画を“ちゃんと怖いホラー映画”に昇華させた『死霊のえじき』こそ「ロメロの最高傑作」と多くのゾンビ映画ファンが絶賛する。

『死霊のえじき』©MCMLXXXV-MMII Taurus Entertainment Company All Rights Reserved

アラフィフ世代以上であれば公開当時、劇場で鑑賞したというコアなファンの方もいるはず。しかし後に発売されたソフトを含め、00年代以前のバージョンは基本的にグロいシーン等をカットしたもの。「完全版」のDVDがリリースされるまでは本来の『えじき』を楽しむことができなかったのだから、気軽にHDニューマスター版が鑑賞できるようになったことは純粋に喜ばしい。2019年にはデジタル・リマスター完全版が劇場公開されたので、そちらで隅々まで堪能したという方も少なくないだろう。

『死霊のえじき』©MCMLXXXV-MMII Taurus Entertainment Company All Rights Reserved

ソンビに支配された世界で人間たちが大揉め! 極限状態の恐怖をグロ満載で描く

本作の舞台は米フロリダのどこか。ゾンビだらけになった世界で地下施設に籠もり、ゾンビ研究を続けている科学者やその助手、ヘリ運転手、無線技師、そして荒っぽい軍人たち数人がメイン登場人物だ。人間1人に対しゾンビ数十万人という絶望的な状況だけに、地上はゾンビ、またゾンビ、たまにワニ……という有様。そんな絶望的な状況下で描かれるのは、倫理観を失った人間たちの争いと、生きたまま貪り食われる阿鼻叫喚、個性豊かなかわいらしいゾンビたちである。そう、思わず感情移入してしまうくらいキュートなゾンビも、本作の大きな見どころのひとつなのだ。

『死霊のえじき』©MCMLXXXV-MMII Taurus Entertainment Company All Rights Reserved

なかでも有名なのは、マッドサイエンティストと化した科学者が実験に使用しているソンビ、バブだ。生きていた頃の記憶をかろうじて残しているバブは、ヘッドフォンを装着し音楽を聴き、カミソリを眺めて不思議そうに首を傾げ、電話の受話器を耳に当てる……ソンビ・アイドルの誕生である。そんなバブが生前の本能を発揮するシーンは、本作のハイライトと言っても過言ではない。

『死霊のえじき』©MCMLXXXV-MMII Taurus Entertainment Company All Rights Reserved

一見して低予算と分かる限定的な舞台、説明不足で唐突気味な展開……そんな逆境に立たされたことによって、ロメロの演出力が随所で冴え渡る。冒頭の壁から大量の手がバーン! も最初は意味不明だが、ディストピアという言葉では生ぬるいくらいの終末世界では、そういった幻惑的な演出がじわじわと効いてくる。三部作の前2作ではかろうじて傍観者でいられた我々観客も、本作では現実と虚構の狭間=強烈なグロ映像と夢/幻覚を交互に見せられることで、登場人物たちと同様に極限状態をサヴァイブしているような気分に没入していく。

『死霊のえじき』©MCMLXXXV-MMII Taurus Entertainment Company All Rights Reserved

非人道的な実験、暴力的な独裁、醜い内ゲバ……迫りくる恐怖への抵抗は、人間たちをさらなる苦境へと導いていく。しかしそんな人間たちの姿は、現実世界に生きる人々が歴史の中で実際に行ってきた様々な凶行の再現だ。世界の終わりを前に深まっていく対立は米ソ冷戦のメタファーであり、常に作品に時代を反映させてきたロメロのメッセージがあらゆるシーンに散りばめられている。そうして世界中で起こっている諸々に想いを馳せると、人間は数十年間まったく進歩していないのではないかと暗澹たる気持ちになるのだった……。

『死霊のえじき』©MCMLXXXV-MMII Taurus Entertainment Company All Rights Reserved

見えすぎちゃって困る! HDニューマスターのハッキリクッキリ映像に食欲減退必至

そんな『死霊のえじき[HDニューマスター版]』はCS映画専門チャンネル ムービープラス「2週連続! 真夏の名作ホラー特集」にて放送。せっかくのHDニューマスター版なので、その美麗な映像をぜひ楽しみたいところだ。

『死霊のえじき』©MCMLXXXV-MMII Taurus Entertainment Company All Rights Reserved

下顎ごっそり持ってかれゾンビこと“Dr.タン”の秘部もハッキリ! 生きたまま臓物つかみ取られ大会の様子もクッキリ! シズル感たっぷりのグロ描写の数々=トム・サヴィーニの特殊メイク仕事が、文字通り隅々まで堪能できる。見え過ぎちゃって細部の粗もバレてしまうんじゃないかと心配になるレベルだが、ぜひ部屋を暗くして大型テレビで鑑賞してほしい。

なお「2週連続! 真夏の名作ホラー特集」では、トビー・フーパー監督作『死霊伝説』(1979年)の[完全版]も放送される。原作であるスティーヴン・キングの「Salem’s Lot」を『死霊のえじき』でバブが読んで(?)いたりするので、そのあたりもお見逃しなく。本国でTV放映されたオリジナル版を編集した日本公開版より、70分以上も長く恐怖を堪能できるぞ!

『死霊のえじき[HDニューマスター版]』『死霊伝説[完全版]』はCS映画専門チャンネル ムービープラス「2週連続!真夏の名作ホラー特集」で2020年8月放送

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『死霊のえじき[HDニューマスター版]』

2XXX年。地上では、人間1人に対しゾンビが40万人にまで増えていた。少数の人間が暮らすフロリダ州の地下基地では、女性科学者サラたちがゾンビの研究を行っていたが、研究の遅さにいらだつ軍人と科学者の対立が明らかになってくる。そんな中、研究用のゾンビに人間が噛まれてしまい……。

制作年: 2015
監督:
出演:
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