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「きっと笑みがこぼれるはず」ボブ・オデンカークが日々の“怒り”をぶつけた痛快バイオレンス『Mr.ノーバディ2』を語る

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ライター:#BANGER!!! 編集部
「きっと笑みがこぼれるはず」ボブ・オデンカークが日々の“怒り”をぶつけた痛快バイオレンス『Mr.ノーバディ2』を語る
『Mr.ノーバディ2』© 2025 Universal Studios. All Rights Reserved.
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全米No.1ヒットを記録したハードボイルド・アクション『Mr.ノーバディ』が、スクリーンに帰ってくる。“何者でもない男”ハッチ(ボブ・オデンカーク)が単独でロシアン・マフィアを壊滅させてから4年、あらたな巨悪を滅するべく再びハッチが拳を握る――?

『Mr.ノーバディ2』© 2025 Universal Studios. All Rights Reserved.

前作で(後先を考えずに)焼失させた3,000万ドルを肩代わりする組織への借金返済のため、ハッチは休日返上で“任務”を請け負っていた。そのため家庭はないがしろになり、妻ベッカ(コニー・ニールセン)と2人の子どもとの関係は崩壊寸前。その修復を兼ね、ハッチは一家でバカンス旅行に出かけることを計画する。

しかし、全米最古のウォータースライダーがウリの寂れたリゾートは、薬物と汚職にまみれた警官を支配する巨悪組織の女ボス、レンディーナ(シャロン・ストーン)が密輸ルートとして支配する土地だった。そして地元保安官との些細なトラブルが、たちまちハッチと巨悪組織とのド派手な全面戦争へとエスカレートしていき……。

『Mr.ノーバディ2』© 2025 Universal Studios. All Rights Reserved.

ボブ・オデンカーク&コニー・ニールセンが語る!
『Mr.ノーバディ』制作秘話

前作に引き続き、『ジョン・ウィック』等を手がけたデヴィッド・リーチ率いる<87ノース>とオデンカーク自身が制作を務め、監督は気鋭ティモ・ジャヤントにバトンタッチした『Mr.ノーバディ2』は、10月24日(金)より日本公開を迎える。2作目ということで、ある意味ふっきれた主人公ハッチの暴れっぷりと、相変わらずの巻き込まれっぷりを存分に楽しめる仕上がりだ。

自ら制作を請け負うほどシリーズに入れ込んでいるボブ・オデンカークは今回、どんな“怒りと笑い”を持ち込んだのか? 妻ベッカを演じたエミー賞ノミニー俳優コニー・ニールセンと共に、本国で今夏オープニング興収の首位争いを繰り広げた本作の見どころをたっぷり語ってくれた。

『Mr.ノーバディ2』© 2025 Universal Studios. All Rights Reserved.

「誰でも日々、イラ立つような経験をしているだろう?」

――『Mr.ノーバディ2』で、ハッチ・マンセルはどのように描かれている?

オデンカーク:『Mr.ノーバディ』1作目で、主人公ハッチ・マンセルはロシアンマフィアの全財産、金も絵画も巨大な金庫にあるもの全部を焼き払ってしまった。そのため4年経った現在は、彼の所属する組織が肩代わりした分の借金3000万ドルを抱えていて、言われるまま指令をこなすことで少しずつ返済している。善悪とか倫理なんて考えない。ただやるだけ。もともと人をボコボコにするのが好きな男だから、むしろ嬉々としてやっているんだ。借金を返すという大義名分もできたしね。

――マンセル家のバカンスについて

オデンカーク:本作で、物語は家族の話に戻る。ハッチは“仕事”でほとんど家にいない。妻ベッカも不動産エージェント業がいつも忙しい。ふたりの子どもたちは大きくなって、それぞれ四六時中スマホに夢中だ。家族がバラバラになっていくのを見て、ハッチは「繋がりを取り戻さなきゃ」と思う。妻も同感だ。

そこで彼は、自分が子どもの頃に楽しい思い出のある場所へ家族を連れて行こうと計画する。記憶の中では巨大なウォーターパークのある夢のようなリゾートだ。だが実際に行ってみると、ただのしょぼい観光地にすぎないんだけど。

『Mr.ノーバディ2』© 2025 Universal Studios. All Rights Reserved.

――本作の根底にある「怒り」について

オデンカーク:我々は誰でも日々イラ立つような経験をしているだろう? でも現実世界では爆発できない。映画だからこそ、それを思いきり表現して楽しめる。たとえ暴力的な映画であったとしても、「もし人生がもっとファンタジーで、思うままに暴れることができたら?」という感覚になってもらえればと願っている。きっと笑みがこぼれるはずだよ。

『Mr.ノーバディ2』© 2025 Universal Studios. All Rights Reserved.

「1作目で2年、今回は4年の期間があったから、合わせて6年分のトレーニング」

――このシリーズのトレーニングについて

オデンカーク:私は25年間コメディ作家をやっていた。それで生計を立てていたわけだ。その後、TVドラマ『ブレイキング・バッド』やそのスピンオフの『ベター・コール・ソウル』でシリアスな役をもらい、映画の出演も増えた。体はどこも悪くなかったし、大きな怪我もしていない。骨を折ったのも数回程度。トレーニングするモチベーションもあった。それでアクション映画に挑戦できるのでは? と思ったんだ。

スクリーン・ファイトを学び、2年かけて体を鍛えた。『ベター・コール・ソウル』を撮影しながら、この映画の脚本を書いて、売り込みながら、ずっと鍛えていたよ。道のりは長かったけれど、『Mr.ノーバディ』1作目でスタントをこなせるレベルにはなった。撮影が終わったあともトレーニングは続けているよ。

今でもワークアウトはルーティンだ。それに、前作にも出ていた友人のダニエル・バーンハード(※『チャック・ノリス in 地獄の銃弾』、『ジョン・ウィック』ほか出演)を相手にトレーニングを続けている。彼は現代最高のスタント俳優の一人だよ。だから『Mr.ノーバディ』では、もっと複雑なアクションができた。1作目の2年間の鍛錬、今回は4年の期間があったから、合わせて6年分の鍛錬だね。

『Mr.ノーバディ2』© 2025 Universal Studios. All Rights Reserved.

――格闘するハッチ・マンセルのアクションデザインについて

オデンカーク:<87ノース・プロダクションズ>のスタントチーム、グレッグ・リメンター、カーク・ジェンキンスたちは世界最高峰のアクションデザイナーだ。彼らは通常、滑らかで見栄えのする、最高にかっこいいアクションを設計する。だけどハッチの闘いは不器用で重く、泥くさい。

だから私はよく言うんだ。「もっと不格好にできないか? キレイな技は外してくれ」ってね。ハッチにはそういうスマートな芸当はできない。若いスタントマンたちは私よりはるかに動けるし、キックもアクロバティックな技も何でもできる。でも私には無理。それでも戦闘シーンをやるのが楽しみで仕方なかったよ。

――気に入っているアクションシーンは?

オデンカーク:今回の映画には、かなり多くのファイト・シーンがある。狭いエレベーターでの闘いは短い時間に動作が凝縮されていて、最高だと思う。ハッチが敵の暗殺者3人を奇襲する場面だ。ゲームセンターで、戻って再び暴れるシーンも楽しかった。それぞれの戦いには個性があり、小さな物語がある。スタントマンたちは世界一流で、しかも楽しみながらやっている。ハッチを演じていて本当に毎日が充実していたよ。

『Mr.ノーバディ2』© 2025 Universal Studios. All Rights Reserved.

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『Mr.ノーバディ2』

何者でもない男ハッチ(ボブ・オデンカーク)は、ロシアン・マフィアとの決闘から4年、焼失させた3,000万ドルを肩代わりする組織への借金返済のため、休日返上で任務を請け負っていた。一方で家族関係は崩壊寸前、その修復を兼ね一家でバカンスを計画する。
だが、全米最古のウォータースライダーが売りの何でもないリゾートは、巨悪組織を率い薬物と汚職にまみれた警官を支配する一切容赦のない女レンディーナ(シャロン・ストーン)の密輸ルートだった。地元保安官との些細なトラブルが、たちまち巨悪組織とのド派手な全面戦争へとエスカレートするのだった。

監督:ティモ・ジャヤント
脚本:デレク・コルスタッド、アーロン・ラビン

出演:ボブ・オデンカーク/コニー・ニールセン/ジョン・オーティス/RZA/コリン・ハンクス with クリストファー・ロイド and シャロン・ストーン

制作年: 2025