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「タイトルだけで“エロい”と分かる邦題の妙」コンプラ完全アウトなエロチック青春サスペンス『課外教授』

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ライター:#BANGER!!! 編集部
「タイトルだけで“エロい”と分かる邦題の妙」コンプラ完全アウトなエロチック青春サスペンス『課外教授』
『課外教授』© 1971 Turner Entertainment Co.

エロチック青春サスペンス『課外教授』

1971年の映画『課外教授』をご存知だろうか。なぜかタイトルだけでエロチックなイメージを抱いてしまうが、それは1975年の『課外授業』をはじめ“◯◯な課外〇〇”みたいな邦題を冠した(大胆な性的描写をウリにした)作品が大量にあるからだろう。実際それは間違ったイメージではないというか、ズバリ本作もエロ青春映画である。

『課外教授』© 1971 Turner Entertainment Co.

カリフォルニアのとある高校。ある日、構内のトイレで女子生徒が殺害される事件が発生し、第一発見者である男子生徒ポンスに疑いがかかる。しかし、彼は女性に触れたこともないような超奥手少年だった。

やがて事件の捜査に乗り出したサーチャー刑事は、学校のカウンセラーでフットボールコーチのタイガーに狙いを定める。彼は立場を利用して複数の女子生徒と性的関係を持つ変態教師だったのだ。

『課外教授』© 1971 Turner Entertainment Co.

うーん、アウト! 時代を反映した過激な性描写

1971年に公開された本作は、フランス人監督ロジェ・ヴァディムと「スタートレック」の生みの親ジーン・ロッデンベリーがタッグを組んだ異色作。表面的にはセックスコメディの体裁を取りながら、物語の根幹には連続殺人事件が潜んでおり、良く言えば性的倒錯と暴力が奇妙に絡み合い……といった感じか。

『課外教授』© 1971 Turner Entertainment Co.

70年代当時の性革命の空気を反映しているとはいえ、生徒に手を出す教師という設定は今日的には完全にアウト。タイガーは言うまでもなく、ポンスに“手ほどき”するセクシーなスミス先生の存在もヤバい。そんな作品にロック・ハドソンやテリー・サヴァラスなどの豪華俳優が出演していることにも、また驚かされる。とくにアメリカ的なタフガイの象徴であったハドソンは今になってみると、その役どころとのギャップを意識せざるをえない(※80年代にエイズを発症し同性愛者と知られることとなった)。

『課外教授』© 1971 Turner Entertainment Co.

あのタランティーノが“オールタイムベスト”に選出!?

公開当時はボロカス気味に言われていた本作が再評価される(?)きっかけの一つとなったのが、クエンティン・タランティーノによる“俺のオールタイムベスト映画”への選出である。イギリスの映画誌<Sight & Sound>が2012年に実施した「史上最高の映画トップ10」企画において、タランティーノが本作をピックアップしたのだ。

本作について「70年代アメリカ映画の中でも最も奇妙で、最も過小評価されている作品の一つ」と(モラルの部分は完全にすっ飛ばして)評したタランティーノ。これは「ヴァディム監督の個人的なこだわりが、彼の作品の性質に合っていない」というロジャー・イーバートによる批評と比較すると、ちょっと興味深い。

『課外教授』© 1971 Turner Entertainment Co.

ともあれ、『課外教授』はいかがわしいセックスコメディではあるものの、70年代初頭のアメリカ社会が抱えていた性、教育、暴力、権力といったテーマを内包した文化的遺物とも言えるだろう。きわどい内容のせいか国内配信はされておらず、VHSはもちろんDVDも廃盤。しかし、そんな激レア作品が現在 CS放送中なので、この機会にこっそりTV鑑賞してみては?

『課外教授』はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2025年8~9月放送

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