殿堂入りキャラクター「ターザン」の魅力
「ターザン」と聞いて頭に思い浮かべるのは、やはり「アーァア~~!」と叫びながら樹から樹へと彼に飛び移る、腰布一丁のたくましい男性の姿だろうか。世代によっては“ちゃん呼び”された某ジャングルの王者を思い出すかもしれないし、ディズニーアニメ『ターザン』(1999年)一択という人もいるだろう。
ターザンは、エドガー・ライス・バロウズによる1912年の小説(「Tarzan of the Apes」)から生まれたキャラクター。これまで数々のドラマや映画、アニメの題材になってきたが、作品ベースというよりはキャラクターの<個>のインパクトによってお茶の間に浸透し、その名を聞けば“例の姿”が思い浮かぶまでになった。初の映画化は1918年の『ターザン』とされており、原作にほぼ忠実な映画化作品である。
現代における“ターザン映画”の難しさ
『インディ・ジョーンズ』や『ハムナプトラ』シリーズを意識しまくった『ターザン 失われた都市』(1999年)あたりで時流との齟齬が滲み出てきてはいたが、2016年にはまさかのアレキサンダー・スカルスガルド主演で『ターザン:REBORN』が公開。『ハリポタ』シリーズで知られるデヴィッド・イェーツが監督を務め、マーゴット・ロビー、サミュエル・L・ジャクソン、クリストフ・ヴァルツなどが出演する、異様に豪華な映画だった。
Casper Van Dien in Tarzan and the Lost City (1998) pic.twitter.com/jamHzP6ek9
— Frame Found (@framefound) September 29, 2022
原作におけるターザンは自然界で育った野生児だが、もともとは貴族の家柄。驚異的な身体能力を誇り、かつ高い教養を備えているというチートな設定には、今で言う異世界転移モノのような趣すら感じる。『~REBORN』も貴族設定を踏襲していて、マッチョな伯爵が「ちょっくらターザンやってくるわ」とばかりにジャングルに戻る展開には、色んな意味で驚かされた。
『類猿人ターザン』
若く美しい娘ジェーンは、父であり、アフリカ奥地で探険を続ける著名な冒険家ジェームズを探す旅に出る。長い旅路の末に、ようやく巡り合えたジェームズと、初めて親子の時間を過ごすジェーン。その翌日、彼女はライオンに襲われたところを1人のたくましい青年、ターザンに救われて……。
監督:ジョン・デレク
出演:ボー・デレク リチャード・ハリス マイルズ・オキーフ
制作年: | 1981 |
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CS映画専門チャンネル ムービープラスで2024年8月放送