正しいと思っていたものが“ちょっとズレている” 極論だけど多くの人が共感できるテーマ 『ガンニバル』柳楽優弥インタビュー【前編】

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ライター:BANGER!!! 編集部
正しいと思っていたものが“ちょっとズレている” 極論だけど多くの人が共感できるテーマ 『ガンニバル』柳楽優弥インタビュー【前編】
柳楽優弥

累計発行部数210万部を超える二宮正明が放つ衝撃のサスペンスコミック『ガンニバル』が、監督・片山慎三(『さがす』ほか)、脚本・大江崇允(『ドライブ・マイ・カー』ほか)、そして柳楽優弥の主演で実写ドラマ化。ディズニープラス「スター」日本発オリジナルシリーズとして2022年12月28日(水)より世界独占配信中。

『ガンニバル』© 2022 Disney

――都会から遠く離れた山間の“供花村”に、家族と共に駐在として赴任した阿川大悟。しかし、この美しい村には「人が喰われるらしい」という恐ろしい噂があった。警察官としての信念で真相を探る大悟だったが、やがて村の穏やかな日常が“おそろしい”顔を見せ始める……。

日本映画界の第一線で活躍する豪華スタッフ/キャストが集結したドラマ『ガンニバル』から、主演の柳楽優弥にインタビューを敢行。世界基準の撮影現場、初参加となった片山組からの影響、キャラクターの魅力までじっくりと語ってくれた。

柳楽優弥

「片山監督は、ぶっ飛んでる人なのかなと思っていた(笑)」

―『ガンニバル』は世界配信のディズニープラス「スター」作品です。現場に入られて“世界に向いている”と実感される瞬間も多々あったかと思います。

通常のドラマ作品よりも長く半年くらい撮影にかけましたし、どういうふうに動くか? など、映画作品の現場のようにワンシーン毎に丁寧にリハーサルをしたことでストレスを感じることもなかったです。やっぱり準備は大事なんだなと感じました。そういった当たり前のことから、映像表現にこだわることがより面白くするための大きな要素になるんだといったことまで、あらゆる面でスタッフさんのすごさを改めて感じました。

世界規模とはいえ、僕なんかは正直やることは大きく変わらない、変わらなくていいと思うんですが、そこには色んな国の人が観るという前提のプロットがあるわけで、プロデューサーの山本(晃久)さんなど国際的にしっかり結果を出している方のもとで作品作りができたことで、変な疑問を持たず、弱気にならずに現場にいられたというか。いろんなアイデアを出し合いながら皆で前向きに作品に取り組めた、かっこ悪いところも出し合える良い現場だったように思います。

柳楽優弥

―今回、片山監督とご一緒されてみていかがでしたか?

もっとぶっ飛んでる人なのかなと思っていたんですが(笑)、僕はすごくやりやすかったです。過去作の『岬の兄妹』(2018年)や『さがす』(2021年)も、ちゃんとエンターテインメント作品なんだなっていう観やすさがあったというか。映画館で観ていても、よくこのテーマの作品をスムーズに観れたなという感じがあって。

監督は絶妙なバランス感覚を持った方なんだなと思いましたし、今後の映画界を引っ張っていく人なんだろうなという頼りがいというか、オーラがあります。皆に愛される監督なんだなとも感じました。

「正しいと思っていたものが“ズレている”と見られるときの雰囲気」

―片山監督の現場での演出などで、すごいなと感じた部分はありましたか?

今回、僕は警察官の役なんですが、その上司の人の“クセ”について、「口の中に口内炎がある感じで喋ってください」とおっしゃっていて(笑)。でも意外と、そういうふうに演出されると楽しいなと思いました。「ああ、そういう人いるよな」という、絶妙な演出をされる監督なんだなと。即興的に降りてきたものを感じるというか、軸がアーティストになりすぎていないというか、狂いすぎていないというか(笑)。そういったところが心強かったです。

―スタッフさんに片山組の方が多かったこともスムーズな現場の要因の一つでしょうか?

それは絶対にありますね。撮影、照明、録音、美術、メイクも衣装も、全体的に『岬の兄妹』からのスタッフさんが8割くらいなんじゃないかな。だからチームワークとしてまとまっているというのは、すごく大事なことなんだなと改めて感じました。こういう時代だからこそ“組”の大切さというものを感じた、ということを撮影部の池田(直矢)さんともずっと話していて。その中にパワーがあるし、言葉を発しなくても理解し合える距離感というか、それってやっぱり大事だなと。

柳楽優弥

―阿川大悟という役柄はいろんな闇を抱えていて、“揺れ”を感じるところも大きな魅力です。供花村との対比も興味深いですが、そういったキャラクターの複雑さについてはどう思われますか?

簡単に共感できる役柄ではないし、どこかでエンタメとして描いているところもあります。精神論というわけじゃないけれど、自分が正しいのか/正しくないのか? という問いは、普通に日常を過ごしていてもありますよね。でも「自分が間違っているのかな?」みたいな、正しいと思っていたものが“ちょっとズレている”と見られるときの雰囲気って、なかなか言葉にしづらい。供花村はそういったものの極論なわけですが、多くの人が共感できるテーマだと感じました。

【インタビュー後編に続く】

『ガンニバル』はディズニープラスのスターで2022年12月28日(水)より世界独占配信中

撮影:落合由夏

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『ガンニバル』

都会から遠く離れた山間の“供花村”に、家族と共に駐在として赴任した阿川大悟。しかし、美しい村には、ある噂があった―この村では人が喰われるらしい…。
警察官としての信念で真相を探る大悟だが、やがて村の穏やかな日常が“おそろしい”顔を見せ始める。次々と起こる不可解な出来事に、友好的だがどこか不気味な村人たち…大悟はすべてに疑心暗鬼になり、狂気の淵へ追いつめられてゆく。
おかしいのは自分か、やつらなのか…“人間の本質”を暴く、全世界を震撼させる驚愕の結末とは。

原作:「ガンニバル」二宮正明(日本文芸社刊)
監督:片山慎三、川井隼人
脚本:大江崇允
出演:柳楽優弥、笠松将、吉岡里帆、高杉真宙、北香那、杉田雷麟、山下リオ、田中俊介、志水心音、吉原光夫、六角精児、酒向芳、矢柴俊博、河井青葉、赤堀雅秋、二階堂智、小木茂光、利重剛、中村梅雀、倍賞美津子

制作年: 2022
  • BANGER!!!
  • ドラマ
  • 正しいと思っていたものが“ちょっとズレている” 極論だけど多くの人が共感できるテーマ 『ガンニバル』柳楽優弥インタビュー【前編】