「ビッグフット映画」の真打ち登場か
10月20日よりアメリカで公開されるドキュメンタリー映画『Capturing Bigfoot(原題)』は、世界で最も有名とされる未確認生物の映像「パターソン・ギムリン・フィルム」の真実と、それに翻弄された人々の人間ドラマに迫った作品だ。
本作はマーク・エヴァンス監督によって制作され、XYZ Filmsの配給により、2026年3月のサウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)映画祭で初上映。一般向けには、ビッグフット発見の日として知られる同年10月20日に一部劇場およびプライムビデオで配信される(日本公開/配信は未定)。
この作品の大きな焦点は、1967年に北カリフォルニアの森で撮影され、長年議論の的となってきた59秒の映像に関する驚くべき新発見だ。
あのビッグフット映像は“ニセモノ”だった?
定説を覆す「リハーサル映像」を入手……
2022年、かつてボーイング社のフィルムラボで働いていた故ノーム・ジョンソンの遺族が、鍵のかかった金庫から古い16ミリフィルムを発見。これをエヴァンス監督がデジタル化した結果、パターソン・ギムリン・フィルムが撮影される1年前の1966年に現像された、少し細身のビッグフットの着ぐるみが森の中を歩く「リハーサル映像」と思われる40秒の未公開クリップが確認されたという。
この決定的な発見をきっかけに、映画は長年語られてこなかった関係者の痛ましい内実に踏み込むことに。撮影者の一人である故ロジャー・パターソン氏の息子クリント氏はインタビューに応じ、かつて母親から映像が捏造であったことを打ち明けられていた事実を告白している。さらに、クリントがその真実を公表しようとした際、収入源が絶たれることを恐れた母親から絶縁されるという家庭崩壊も引き起こしたそうだ。
なお作中では彼に加え、当時ニセモノの着ぐるみを着ていたと告白しているボブ・ヒエロニマス、共同撮影者のボブ・ギムリン、人類学者のジェフ・メルドラムなど、多くの関係者が出演。すでに未確認生物愛好家のあいだで物議を醸している。
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「AI生成ではない」翻弄された家族をも見つめるヒューマンドキュメンタリー
本作は批評家からの評価も高いが、単に未確認生物の捏造を暴く暴露映画ではなく、神話の影で生きた人間たちを描いた思索的な作品として支持されている模様。エヴァンス監督自身、本作が「ビッグフットは実在するか?」という問いに答えるものではなく、一つの映像がいかにして家族を引き裂き、友人関係を壊してきたのかという悲哀や遺恨、そして信仰そのものに焦点を当てていると語っている。
なお、近年懸念されるAI生成技術による捏造の可能性について監督は完全に否定しており、物理的なフィルムの現物という揺るぎない証拠に基づく確固たるドキュメンタリーであることを強調している。
参照:「シアトル国際映画祭」公式サイトほか