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誰も裏切らない秋ドラマ。齋藤飛鳥と富田望生、居酒屋〈大豆堂〉の発酵する時間――『まめとむぎ』U-NEXT見放題・31日間無料トライアル

誰も裏切らない秋ドラマ。齋藤飛鳥と富田望生、居酒屋〈大豆堂〉の発酵する時間――『まめとむぎ』U-NEXT見放題・31日間無料トライアル
©ドラマ「まめとむぎ」製作委員会

※ 本ページはプロモーションを含みます。
掲載日:2026年10月9日 文=BANGER!!!編集部
※本記事の情報は2026年10月9日時点の情報です。最新情報は公式サイトにてご確認ください。

今年の秋ドラマの番組表を眺めていると、少し疲れる。夫が裏切り、妻がやり返し、誰かが誰かの人生を奪う。面白いのは分かっている。けれど金曜の夜くらい、誰も陥れない話が観たい。

『まめとむぎ』は、その一本だ。キャリアも夢も失った元ファッション誌編集者の清水麦が、居酒屋〈大豆堂〉で店主の米田まめと出会い、店の立て直しに取り組む。発酵料理を通じて、自分らしい人生を見つけていく。公式が掲げる言葉は、再起の物語。麦を齋藤飛鳥、まめを富田望生が演じる。

テレビ東京のドラマ24で10月2日に始まり、毎週金曜の深夜24時12分から放送されている。U-NEXTでは見放題の対象だ。3連休の時点で、10月9日深夜放送の第2話まで追える。

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発酵は、待つことしかできない料理だ

料理ドラマは山ほどある。その中で発酵を選んだところに、作り手の狙いを感じる。

味噌も醤油も、仕込んだ日には完成しない。人間にできるのは、塩梅を整えて、場所を用意して、あとは待つことだけだ。急いでも早まらない。放っておけば駄目になる。手を出しすぎても壊れる。

これは、仕事を失った人間の回復の仕方とよく似ている。麦は元ファッション誌の編集者だという。締め切りに追われ、次の流行を先回りして捕まえる仕事である。時間を追い越すことで食べてきた人が、時間に任せるしかない料理の前に立たされる。私はこの取り合わせだけで、脚本の背骨が見えた気がした。再起と言っても、華々しい逆転劇にはならないだろう。昨日より少しだけましな今日を、樽の中の変化のように描くつもりなのだと読んでいる。

店の名前は〈大豆堂〉。主人公二人の名前は、まめと、むぎ。大豆と麦といえば、味噌や醤油のもとになる組み合わせである。題名の時点で、二人が合わさって何かに変わっていくことが宣言されている。片方だけでは醸せない。そういう関係の話なのだと思う。

原作は谷口菜津子の同名漫画で、双葉社のアクションコミックスから出ている。谷口菜津子は『じゃあ、あんたが作ってみろよ』でも、料理を入口にして、人が自分の思い込みに気づいていく過程を描いた人だ。食べ物を、おいしそうな飾りで終わらせない。皿の上に、作った人間の生き方が出てしまう。その目を持った作者の原作だから、発酵という題材も雰囲気づくりで済まされることはないと期待している。

齋藤飛鳥の「閉じた顔」と、富田望生の「開いた顔」

配役がいい。二人の顔の向きが、正反対だからだ。

齋藤飛鳥は乃木坂46の中心に長く立っていた人で、グループを離れてからは俳優の仕事に軸足を移している。彼女の持ち味は、感情を外に漏らさない佇まいにあると思う。何を考えているのか読ませない。その硬さが、挫折して心を閉じた麦という役によく合う。夢を失った人間は、たいてい愛想よくなどしていられない。

富田望生は、反対に、画面に出てきただけで場の温度を上げる人だ。映画『ソロモンの偽証』で注目され、連続テレビ小説『なつぞら』『ブギウギ』でも、主人公のそばにいる人物を忘れがたいものにしてきた。脇で光ってきた俳優が、今回は題名に名前の入った役を担う。居酒屋の店主というのは、客の話を聞き、黙って皿を出す仕事だ。受けの芝居ができる人でなければ務まらない。

閉じた人と、開いた人。この二人がカウンターを挟む。台詞が少なくても持つ組み合わせである。共演に濱尾ノリタカ、石川瑠華。脚本は山田能龍、太田勇、畑中みゆき、金子学。監督は畑中みゆき、太田勇、原島孝暢。オープニングテーマはBIBIの「Yochi!」、エンディングは仲川瑠夏の「朝にならないで」。深夜ドラマの終わりに「朝にならないで」と歌われると、こちらも画面を消す手が少し遅れそうだ。

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ドラマ24という枠が育ててきたもの

金曜深夜のテレビ東京、ドラマ24。この枠には系譜がある。『モテキ』があり、『勇者ヨシヒコ』のシリーズがあり、『きのう何食べた?』があった。予算の大きさでは勝負しない。代わりに、企画の角度と、作り手の偏愛で押してくる。視聴率の王道から外れた場所で、あとから長く愛される作品を出してきた枠だ。

とりわけ『きのう何食べた?』は、食卓を囲む時間そのものをドラマにしてみせた。大きな事件は起きない。献立を考え、買い物をし、作って食べる。その繰り返しの中に、二人の関係の変化が沈んでいる。『まめとむぎ』が同じ枠で食を扱うのは偶然とは思えない。この枠の観客は、何も起きない時間の豊かさをもう知っている。

物足りなく感じる人へ、先に言っておく

向かない人ははっきりいる。
毎回の終わりに驚きが欲しい人。裏切りや逆転で一週間を引っ張ってほしい人。そういう人には、この静けさは退屈に映るだろう。再起の物語と聞いて、鮮やかな逆襲を期待するのも違う。麦が編集者として見返す話かどうか、私には分からないし、公式もそうは言っていない。

連休で一気に観る作品でもない。3連休の時点で観られるのは第2話まで。深夜の30分枠だから、二つ続けても1時間ほどで終わってしまう。浸る前に手元が空く。

それでも推す。いや、だからこそ推したい。連休の三日間を、長大なシリーズの消化に全部使う必要はない。朝に一話、翌日にもう一話。間に自分で味噌汁でも作る。そのくらいの速度で付き合うのが、発酵を扱うドラマへの礼儀だと思う。

この連休、観てほしい人

仕事でつまずいて、次に何をすればいいか分からなくなっている人。励ましの言葉はもう聞き飽きた、という人にこそ合う。麦も、最初から前を向いているわけではないはずだ。

料理をするのが好きな人。台所に立つ時間が、一日のうちでいちばん落ち着くという人。発酵の手仕事が丁寧に映されるなら、それだけで観る理由になる。

そして、復讐と不倫のドラマを何本か追いかけて、少し胃がもたれている人。口直しという言い方は作品に失礼かもしれないが、箸休めにこそ料理人の腕は出る。

次の放送は金曜の深夜。連休に2話まで観ておけば、第3話は一週間後にやってくる。待つ時間も含めて味わう作品である。

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※本記事は2026年10月9日時点の情報です。配信状況・料金・配信期間は変更される場合があります。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。

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