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『CONNECT 覇者への道』任侠Vシネマ入門、横浜の青年・沢村竜一が19作かけて背負った看板の重さ
『CONNECT 覇者への道』とは、横浜(ハマ)のラーメン屋から始まった青年・沢村竜一(山本裕典)が、盃と義理の世界で日本制覇を目指していく長編任侠Vシネマです。最新章の19では東洋会の内部分裂と須藤零士の出所が描かれ、物語は正念場に入りました。『日本統一』を観てきた人、任侠女子と呼ばれる読者に向けた入門記事です。
ラーメン屋から始まる任侠、という骨格
このシリーズの背骨は、驚くほど単純です。横浜のラーメン屋にいた青年が、裏社会の階段を一段ずつ上り、やがて「ハマから日本制覇」を口にするようになる。それだけの話を、19作かけて積み上げてきました。
単純な骨格ほど、続けるのは難しい。私はそう思っています。派手な設定で目を引くのは一度きりで済みますが、一人の男の成り上がりを何年も追わせるには、その男に「まだ見たい」と思わせる何かがなければならない。沢村竜一にはそれがあります。最初の頃の彼は、正直に言って粗い。若さと勢いと、怖いもの知らずの目。ところが作を重ねるごとに、その目に別のものが宿っていく。背負ったもの、失ったもの、もう戻れない場所。山本裕典という俳優が、その変化を体で引き受けてきました。
任侠Vシネマの世界では、成り上がりの物語は珍しくありません。それでも『CONNECT 覇者への道』が独自の位置を保っているのは、ラーメン屋という出発点を捨てないからです。どれほど大きな組織を動かすようになっても、竜一の根っこには、湯気の向こうで客に丼を出していた男がいる。その記憶が、彼の判断のどこかにいつも影を落とす。私はこの「捨てられない出自」こそが、シリーズをただの抗争劇から人間の物語に引き上げていると考えています。
19作分の時間が、画面の中に溜まっている
長期シリーズの強みは、時間そのものが武器になることです。19まで来た『CONNECT 覇者への道』では、俳優の顔に歳月が刻まれ、それがそのまま役の歳月として機能します。
北代高士が演じる相馬邦人、高岡蒼佑の宗像清蔵、松田賢二、いしだ壱成、菅田俊、波岡一喜。そして八王会若頭・黒須の本宮泰風。この顔ぶれが一つの画面に並ぶとき、そこには「これまでの全部」が無言で載っています。彼らが交わす短い会話の裏に、何作分もの因縁を読み取れるようになったとき、観客は初めてこのシリーズの本当の面白さに触れます。
だから私は、入門者にこそ言いたい。途中から観ても構わない、でも遡れるなら遡ってほしいと。任侠Vシネマの会議場面は、事情を知らなければただ男たちが座っているだけの時間です。事情を知っていれば、誰の一言も見逃せない緊張の時間に変わる。この差は大きい。監督・脚本の藤原健一が、説明台詞を削ぎ落として俳優の沈黙に物語を預ける作風であるだけに、なおさらです。
私自身、このシリーズを最初に観たときは、正直なところ途中の一本からでした。面白かったけれど、男たちの会話の半分は意味が取れなかった。それで1作目に戻り、順に観直したところ、同じ場面が別の作品のように立ち上がってきた。誰が誰に頭を下げているのか、その頭の下げ方に何年分の因縁が込められているのか。分かってしまえば、もう戻れません。長期シリーズとは、観る側の時間まで作品の一部にしてしまう装置なのだと、このとき知りました。
もう一点、シリーズの土台として触れておきたいのが、横浜という土地の匂いです。港町の夜、路地の湿り気、海の向こうから来るものと来ないもの。竜一の「ハマから」という言葉には、東京ではないという矜持と、東京を獲るという野心が同時に含まれています。この地方性が、任侠Vシネマの中で『CONNECT 覇者への道』に固有の色を与えてきました。
『CONNECT 覇者への道』はU-NEXTで見放題。最新章の19は独占先行配信で、DVDレンタルが始まる10月28日までU-NEXTでしか観られません。初回登録なら31日間無料(初回登録の方が対象)。1作目から、この秋に一気に追いつけます。
東洋会の分裂、須藤零士の出所。最新章で物語は正念場へ
最新章の19で、シリーズはひとつの峠に差しかかっています。東洋会が内部分裂の危機を迎え、出所した元帝都連合総長・須藤零士が須藤組を発足させる。さらに向井直政が東洋会の「企業化」を提案し、盃で結ばれた組織の在り方そのものが問われる。ここまで積み上げてきた関係が、一度に揺さぶられる局面です。
会議室の空気が、これまでのどの回よりも重い。誰が口火を切るのか、誰が黙り続けるのか。19の見せ場は銃声ではなく、その沈黙の配分にあります。長く観てきた人ほど、一人ひとりの沈黙の意味を読めてしまうので、息苦しさは倍になるでしょう。
私が19を観て強く感じたのは、この揺さぶりが「積み上げてきたからこそ効く」ということでした。1作目の竜一なら、分裂も企業化も、腕っぷしで片づけようとしたかもしれません。19の竜一は違う。守るべきものが多すぎて、簡単には動けない。動けない男の苦しさを、山本裕典は目の奥だけで見せてきます。
そして20は10月23日、21は12月25日に配信予定。つまり今から追い始めれば、シリーズの大きな節目にリアルタイムで立ち会えます。長く続いた物語が正念場を迎える瞬間に間に合う。これは後追いでは味わえない贅沢です。
『日本統一』を観てきた人、そして任侠女子へ
『日本統一』を追いかけてきた人には、真っ先に勧めたい。同じ任侠Vシネマの言語で語られ、同じように組織の論理と盃の重さを扱いながら、『CONNECT 覇者への道』は横浜という土地と、ラーメン屋という出自を軸に、より個人の成り上がりに寄った物語を紡いでいます。『日本統一』が組織の年代記なら、こちらは一人の男の履歴書です。両方を観ると、任侠という世界の見え方が立体になります。
任侠女子と呼ばれる読者にも届けたい。男たちが沈黙で語り合う世界を、一歩引いた場所から熱く見つめる目線を、この作品は拒みません。むしろ、竜一が何を捨てて何を選ぶのかを見守る目線こそ、このシリーズが最も必要としているものだと私は思います。誰かが誰かのために沈黙する。その美学に心を動かされる人なら、性別も年齢も関係なく、ここに居場所があります。任侠女子という言葉が生まれたのは、この世界を「男のもの」と決めつけない観客が確かに増えた証拠であり、『CONNECT 覇者への道』はその観客に応え続けてきたシリーズです。
普段は任侠ものを敬遠している人にも、ひとつだけ言わせてください。これは組織の話である前に、仕事と忠誠と裏切りの話です。上司と部下、先輩と後輩、守るべき看板と守れない約束。会社に勤めた経験がある人なら、会議室の空気に自分の職場を重ねてしまう瞬間が来るはずです。
19まで来た物語には、19作分の重さがあります。その重さを味わうのに、遅すぎることはありません。『CONNECT 覇者への道』はU-NEXTで見放題、最新章の19はDVDレンタル開始の10月28日までU-NEXTだけの独占先行配信です。初回登録なら31日間無料(初回登録の方が対象)。横浜のラーメン屋から、日本制覇の入口まで。この秋、一人の男の履歴書を最初から読んでみてください。
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文:BANGER!!!編集部