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「35億円入りバケツが壁裏からザクザク…」Netflix『Rip/リップ』が描く“驚愕実話”を解説

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ライター:#BANGER!!! 編集部
「35億円入りバケツが壁裏からザクザク…」Netflix『Rip/リップ』が描く“驚愕実話”を解説
Netflix映画『Rip/リップ』独占配信中

Netflix映画『Rip/リップ』独占配信中

Netflixで2026年早々に配信された映画『Rip/リップ』は、もうご覧になっただろうか。マット・デイモンとベン・アフレックという黄金コンビの主演でも話題の本作は、米マイアミ・デイド警察の麻薬捜査班(TNT)が一見ありふれた住宅へのガサ入れ中に“バケモノ級の獲物”を掘り当ててしまったことから始まるノンストップ・サスペンスだ。

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デイモン演じる捜査官デインと相棒のJ・D・バーン(アフレック)たちは、屋根裏の壁の中から2,000万ドル以上もの現金が詰め込まれた24個のバケツを発見。規律に従い、彼らは現場を封鎖して膨大な札束を数え始めるが、終わりの見えない計数作業は捜査官たちの精神を次第に蝕みはじめ……。

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物語のベースとなった「実際の事件」とは?

監督は『NARC ナーク』(2002年)や『スモーキン・エース 暗殺者がいっぱい』(2007年)、『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』(2010年)、『THE GREY 凍える太陽』(2012年)、『炎のデス・ポリス』(2021年)でお馴染みのジョー・カーナハン。つまり善悪の境界が曖昧なサスペンス~アクションには十分すぎる定評がある。

撮影舞台裏:Netflix映画『Rip/リップ』独占配信中

デイモン&アフレック以外のキャストも超豪華。煩悩過積載マンを演じさせたらピカイチのスティーヴン・ユァンや、『ワン・バトル・アフター・アナザー』で抜群の存在感を放っていたテヤナ・テイラー、『バレリーナ The World of John Wick』のカタリーナ・サンディノ・モレノ、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』からゴジラ映画まで幅広く活躍のカイル・チャンドラーなど、“大体みんな見たことある”キャストが集結している。

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さらに、冒頭に「実際の出来事に基づく」とテロップが出るとおり、物語の核心となる設定が「実際にマイアミで起きた事件」をベースにしているというから驚き。ということで、すでに配信中の本作なのでネタバレを踏む前になる早で鑑賞していただくとして、ここでは物語のベースとなった「実際の事件」について解説する。

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※注意:物語のディテールに一部触れています

事実は小説より奇なり?「35億円入りのバケツ」がザックザク

映画の土台となったのは、2016年6月にマイアミ・デイド警察が行った史上最大規模の家宅捜索。ターゲットとなったのは、表向きは園芸用品店を経営しながら裏で大規模な大麻密売組織を運営していたルイス・エルナンデス=ゴンザレスという男だ。

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警察がゴンザレスの自宅を捜索した際、屋根裏の隠し部屋の壁の中から発見されたのは、合計2,400万ドル、当時のレートで35億円以上にものぼる膨大な現金だった。札束は封筒に小分けされた上で、大手ホムセン<ホーム・デポ>のオレンジ色のプラスチックバケツ24個に詰め込まれていた。この異様な視覚的インパクトは映画でも忠実に再現されている。

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捜査官を限界まで追い込んだ「42時間の計数」

映画では現場に取り残された捜査官たちが外部からの脅威によって極限状態に陥るが、現実の捜査官たちを苦しめたのは、暴力ではなく終わりの見えない事務作業だったという。映画のモデルとなったクリス・カシアーノ警察官らはあまりの金額の多さに、銀行から大型の計数機を運び込むまで手作業で札束を数え始めなければならなかったそうだ。

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証拠品としての整合性を保つため、一度計数を始めたら完了するまで現場を離れることは許されず、最終的にすべての現金を数え終えるまでに要した時間は実に42時間に達した。捜査官たちは肉体的・精神的な限界の中で、延々と札束と格闘し続けたのである。また、現金に付着した麻薬の残留臭があまりに強烈であったため、同行していた警察犬が興奮状態に陥り現場で放尿してしまったという、異様な現場の緊張感を物語るエピソードも記録されている。

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どこからどこまで? 映画と実話の境界線

本作はジョー・カーナハン監督が、モデルとなったカシアーノ氏から直接聞いた話を10年近く温めて映画化したものだが、エンタメ作品として成立させるために明確な書き換えも行われている。

物語の焦点は、現金発見後の外部からの襲撃や仲間内の裏切りを描くサスペンスへと舵を切っているが、実際の事件では銃撃戦はなく、淡々と、しかし過酷な証拠押収が進められたとのこと。

なお、デイモン演じる主人公デインが息子を亡くした喪失感を抱えているという設定は、モデルのカシアーノ氏が実際に2021年に息子を白血病で亡くしたという悲しい事実に根ざしており、監督が彼への敬意を込めて物語に組み込んだものである。

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執念のリアリティと献辞の意味するもの

この映画が単なる警察アクションに留まらない重厚さを持っているのは、モデルとなったカシアーノ氏自身が技術顧問として現場に張り付いていたから。彼はデイモンに対し、銃の構え方といった表面的な動作だけでなく、35億円もの現金を前にした時の喉の渇きや、長時間にわたる捜索で感覚が麻痺していく様子を克明に伝えたという。

また、映画の最後に掲げられる「For Jake」という献辞は、カシアーノ氏の亡き息子ジェイク君に捧げられたもの。この背景を知ることで、オレンジ色のバケツに詰められた35億円の札束という“異常な現実”と、その裏側にある捜査官の人間ドラマが、より一層の真実味を帯びて観る者に迫ってくる。

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