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今では絶対NG?女性コーチが下ネタを“燃料”に変えて奮闘するスポ根コメディ『ワイルドキャッツ』の魅力

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ライター:#BANGER!!! 編集部
今では絶対NG?女性コーチが下ネタを“燃料”に変えて奮闘するスポ根コメディ『ワイルドキャッツ』の魅力
『ワイルドキャッツ』© 1986 Warner Bros. Entertainment, Inc. All Rights Reserved.

女性教師が高校の不良アメフト部に宣戦布告!

1986年制作の映画『ワイルドキャッツ』は、『がんばれ!ベアーズ』(1976年)や『ゴールデン・チャイルド』(1986年)で知られるマイケル・リッチー監督による、アメリカン・フットボールを題材にしたコメディ作品だ。

『ワイルドキャッツ』© 1986 Warner Bros. Entertainment, Inc. All Rights Reserved.

スポーツ・ウーマンの高校教師モリーが、落ちこぼれのフットボール・チーム“ワイルド・キャッツ”のコーチに就任。なんとか選手たちのヤル気を出させようと奮闘するが、彼らはモリーを馬鹿にしてまったく言うことを聞かない。頭にきたモリーは、彼らにランニング競争の挑戦状を突きつける。

『ワイルドキャッツ』© 1986 Warner Bros. Entertainment, Inc. All Rights Reserved.

当時人気絶頂だったゴールディ・ホーンが演じるのは、男子高校フットボールチームの監督に挑戦するシングルマザー、モリー・マグラス。彼女が差別や偏見に立ち向かいながらも荒れたチームをまとめていくという、いわゆる“アンダードッグ”型の典型ストーリーである。

『ワイルドキャッツ』© 1986 Warner Bros. Entertainment, Inc. All Rights Reserved.

ゴールディ・ホーンの魅力爆発! のちのスター俳優たちも登場

ホーンは1980年代初頭、『プライベート・ベンジャミン』(1980年)などでコメディ女優としての地位を確立しており、『ワイルドキャッツ』はその人気に乗じた作品の一つ。本国のレビューでは「ホーンは反応型のコメディに強く、素材次第では輝く」と評価されているが、本作に関しては「彼女の魅力を活かしきれていない」という指摘もある。

『ワイルドキャッツ』© 1986 Warner Bros. Entertainment, Inc. All Rights Reserved.

そんな本作は、あのウディ・ハレルソンとウェズリー・スナイプスの本格デビュー作としても知られている。アメフトのチームメンバーとして出演した2人は、のちに『ハード・プレイ』(1992年)で再共演。なお、『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994年)のババ・ブルー役で知られるミケルティ・ウィリアムソンも出演しており、キャリア初期の貴重な記録映像としても楽しめる。

『ワイルドキャッツ』© 1986 Warner Bros. Entertainment, Inc. All Rights Reserved.

いま観るとコンプラ的に厳しい? 本国では根強い人気を誇る快作

当時、米国内での興行収入は約2,628万ドルとのデータがあり、商業的には一定の成功を収めたと言えるだろう。しかし批評面では厳しく、2020年代の再レビューでは「人種的ステレオタイプやホワイト・セイヴィアー的構造(※白人が非白人を救う演出)が目立つ」と、現代的視点からの指摘もある。

『ワイルドキャッツ』© 1986 Warner Bros. Entertainment, Inc. All Rights Reserved.

当時のティーン向けスポーツ・コメディ映画の文脈では珍しくないが、いわゆる“下ネタ”的な演出も多い。美しい女性コーチが男子高のスポーツチームを率いる……という設定だけに、チーム内で性的な視線やコメントを投げかけられる場面や、性別にまつわるジョークやイジりが頻繁に描かれる。

『ワイルドキャッツ』© 1986 Warner Bros. Entertainment, Inc. All Rights Reserved.

とはいえ、あくまで80年代スポ根コメディの文脈としての演出であり、「子どもの頃に観たよ!過小評価されてる映画だ」という熱いファンが多いのも事実。今となってはツッコミ不可避ではあるものの、同じ80年代のコメディ映画と比較してもキラリと光る個性のある、一度は観ておきたい快作だ。

『ワイルドキャッツ』はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2025年10~11月放送

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