密輸コカインを食ってバキバキな野生の熊が暴れまくる 実際起きた事件がベース『コカイン・ベアー』

密輸コカインを食ってバキバキな野生の熊が暴れまくる 実際起きた事件がベース『コカイン・ベアー』
『Cocaine Bear』

実際に起きた事件がモチーフ

1985年に実際に起きたという事件をモチーフに製作されているというエリザベス・バンクス監督の最新映画『Cocaine Bear(コカイン・ベアー)』。その予告映像が公開され、話題となっている。

さて、この『Cocaine Bear』、ストーリー上の中心的な存在は熊であるため、大枠では動物モノではあるのだが、いくら熊がメインと言っても、そこに「コカイン」という物騒なワードがつけられることで、ヤバい作品だという事は容易に想像つくことだろう。

熊が大量の“コカイン”を食べてしまったら…

実はこの作品、はからずも空からばら撒かれてしまった密輸中のコカインを、野生の熊が食べてしまい、ただでさえ獰猛な熊が、コカインの作用によってさらにブーストされ、まさに手のつけられない状態となって無双しまくるという話なのだ。しかもこの熊、500ポンド級のツキノワグマである。こんなヤバいモンスターを前にしたら、さすがにプーさんも、ティガーもピグレットも無条件で瞬殺必至。おそらくこの熊は、『ジョーズ』(スティーヴン・スピルバーグ監督/1975年)における人食いザメ的ポジションと考えた方がイメージしやすいだろう。

さて、このヤバい“コカイン熊”が、本作における中心であることについては触れた通りだが、もう1つ見逃せない要素がある。それは、この熊が食べてしまったのが、前述の通り、「密輸中のコカイン」であるという点だ。こうした違法薬物が出てくれば、当然のごとく犯罪者も沸いてくるし、それを捕まえようとする警官も当然いる。モンスター化した熊に興味を持ち、物見遊山的に現れる観光客風の連中もいれば、ある意味、この手のストーリーには欠かせない10代の若者たちもいる。

つまり、ザックリと言えば、「ヤバい熊とその被害者」的な要素と、「紛失コカインを巡るヤバい人々」という2要素が、この映画の軸として存在しているというわけである。それを含めてNBCユニバーサルは公式リリースの中で、同作品を「ワイルドなダークコメディ」としているが、こうした要素は、一歩間違うと『午後のロードショー』(テレビ東京系)でヘビロテ化しているB級スリラー作品にも散見されるものであるだけに、果たしてどのような仕上がりとなっているのか、非常に興味をそそられるところである。

レイ・リオッタが演じる“コカイン熊”

また、この作品で見逃せない点がもう1つある。それは、“コカイン熊”を演じているのが、今年5月に急逝したレイ・リオッタであるということだ。レイ・リオッタといえば、1997年公開の映画『乱気流/タービュランス』(くしくもこちらも『午後のロードショー』ヘビロテ作品である)をはじめ、様々な作品でヤバい悪役を演じてきた怪優だが、そんな彼がコカインでガンギマリした熊を演じるのだから、どうしても好奇心をくすぐられてしまう。

しかも、彼にとってはこの作品が遺作となってしまったのだ。サイコがかった犯罪者などを好演してきたレイ・リオッタは、そのキャリアの最後に新境地として“コカイン熊”を追加し、この世を去ったのである。

『Cocaine Bear』は2023年に米公開予定

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