2026年5月1日(金)に時代を席巻した名作の待望続編『プラダを着た悪魔2』が公開されます。つい先日はアン・ハサウェイとメリル・ストリープの“2人揃っての来日”に、日本中のファンが胸を躍らせました。ミランダの峻烈なプロ意識と、アンディの鮮やかな成長。あれから20年、彼女たちがどんな新しい物語を見せてくれるのか、期待は高まるばかりです。
最新作をより深く、より情熱的に楽しむために、今回は「ファッション業界」を多角的な視点で描いた5つの名作をピックアップしました。ランウェイの裏側、モデルの光と影、そして職人の魂……。華やかなドレスの裏に隠された、熱い人間ドラマの数々を紹介します。
きらびやかな世界の裏側は!?
『プレタポルテ』(1994年)
監督:ロバート・アルトマン
出演:マルチェロ・マストロヤンニ、ソフィア・ローレン、ジャン=ピエール・カッセル ほか
【あらすじ】
舞台は世界中が注目するパリ・コレクション。プレタポルテ(高級既製服)協会の会長が急死するという事件を発端に、デザイナー、モデル、ジャーナリスト、そして謎の男たちが入り乱れる大騒動が幕を開け……。
【おすすめポイント】
巨匠ロバート・アルトマンが、実際のコレクションの熱気の中にカメラを潜り込ませて撮り上げた意欲作です。実在のデザイナーたちが本人役で登場する臨場感は圧巻。ファッションを愛する人々の情熱と、どこか滑稽で愛おしい人間模様が、パリの街並みを背景に軽快に描かれています。業界の「お祭り」としての華やかさを存分に味わえる一作です。
『ズーランダー』(2001年)
監督:ベン・スティラー
出演:ベン・スティラー、オーウェン・ウィルソン、クリスティーン・テイラー ほか
【あらすじ】
超売れっ子のスーパーモデル、デレク・ズーランダー。年間最優秀モデルの座をライバルに奪われ、引退を考えていた彼に、カリスマデザイナーから再起をかけたオファーが届きます。しかし、その華やかな誘いの裏には陰謀が隠されていて……。
【おすすめポイント】
ファッション業界を愛あるパロディで描き切った、伝説の爆笑コメディです。ベン・スティラー演じる「キメ顔」しか能がないモデルの純粋さと、80年代ヒット曲に彩られたスタイリッシュな映像がクセになります。デヴィッド・ボウイなど、超豪華なカメオ出演も見どころです。理屈抜きで楽しみながら、「自分らしさ」とは何かを再確認させてくれるパワーに満ちています。
『プラダを着た悪魔』(2006年)
監督:デヴィッド・フランケル
出演:メリル・ストリープ、アン・ハサウェイ、エミリー・ブラント ほか
【あらすじ】
ジャーナリストを目指してNYにやってきたアンディ。彼女が手にした仕事は、一流ファッション誌のカリスマ編集長ミランダのアシスタントという、世界中の女性が憧れるポストでした。しかし、待っていたのは、ミランダによる理不尽なまでの「超プロフェッショナル」な要求の嵐。地獄のような日々にくじけそうになるアンディでしたが……。
【おすすめポイント】
最新作『2』を観る前に絶対に外せない、マスターピースです。単なる「意地悪な上司との戦い」ではなく、プロとして生きることの厳しさと、その美しさを描いた傑作。次々と変わるアンディの華麗なファッションはもちろん、ミランダの圧倒的な存在感には、何度観ても背筋が伸びるような心地よさがあります。自分をアップデートしたい時に、最も効くサプリメントのような一作です。
『ファントム・スレッド』(2017年)
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:ダニエル・デイ=ルイス、レスリー・マンヴィル、ヴィッキー・クリープス ほか
【あらすじ】
1950年代のロンドン。英国ファッション界の頂点に立つ仕立て屋レイノルズは、若きウェイトレスのアルマをミューズとして迎え入れます。完璧を追求する彼のストイックな生活は、彼女の情熱的な愛によって、次第に予想もつかない形へと変化していき……。
【おすすめポイント】
オートクチュール(高級注文服)が持つ、工芸品のような美しさと緊張感を極限まで追求した作品です。名優ダニエル・デイ=ルイスが演じる「服に憑かれた男」の所作は、もはや芸術の域。布の擦れる音や、美しいドレスが完成していくプロセスに、思わず息を呑みます。ファッションを「着るもの」ではなく「魂の造形」として捉えた、エレガントでスリリングな映像美に浸ることができます。
『クルエラ』(2021年)
監督:クレイグ・ギレスピー
出演:エマ・ストーン、エマ・トンプソン、ジョエル・フライ ほか
【あらすじ】
70年代のロンドン。デザイナーを夢見る少女エステラは、伝説のデザイナーであるバロネスの下で働き始めます。その斬新な才能を見出された彼女でしたが、ある出来事をきっかけに「クルエラ」という名の復讐者へと覚醒し……。
【おすすめポイント】
ファッションが「反撃の武器」になる瞬間を描いた、最高にクールなエンターテインメントです。ゴミ捨て場から現れる壮大なドレスや、バイクで駆け抜けるパンクな装いなど、常識を塗り替えるビジュアルが次々と登場します。エマ・ストーンの変幻自在な魅力と、エマ・トンプソンの冷徹な美しさ。ファッションとは自己表現であり、自由への翼なのだと教えてくれる、エネルギッシュな一作です。
華やかなランウェイの影にある、熱いプロ意識や、時に滑稽なまでの情熱。それらを知ることで、私たちが毎日身にまとう服一着が、いつもと違ったものに感じられるかもしれません。
ミランダとアンディが再び見せてくれる「新しい時代」の幕開けに向けて。まずはこれらの5作品で、美しくも過酷なファッションの世界に、どっぷりと浸ってみてはいかがでしょうか。