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「ジャッキー・チェンの年」はまだ終わらない
少し気が早いかもしれないが、2024年はまさに「ジャッキー・チェンの年」になった。
芸歴50周年、70歳を迎える節目の年に公開された集大成作『ライド・オン』は大ヒットを記録し、日本の熱狂的なファンの声援に応え、約13年ぶりに来日。短い時間ながら老いてなおバキバキの体幹を披露し、そのノリの良さとツッコミのセンス、旺盛すぎるサービス精神は、私たちが見てきたジャッキーそのものであった。
ジャッキーが日本のメディアを賑わせた初夏、彼の過去作や近作を観返したという人も少なくないだろう。映画館では4K復活上映も開催され、テレビをつければ様々な名作が放送されていた。近年は若手のサポートに回ることも多かったジャッキーだが、多くのファンがまだまだ現役で活躍してほしいと心から願ったはずだ。
忘れ得ぬジャッキー映画『WHO AM I? フー・アム・アイ?』
そんなジャッキーの過去出演作で人気ランキングを行うと、『ドランク・モンキー/酔拳』(1978年)や『プロジェクトA』(1983年)、『ポリス・ストーリー/香港国際警察』(1985年)などの初期作品が必ず上位に入る。同時に本格的なアメリカデビュー作である『レッド・ブロンクス』(1995年)や、真田広之と対決した『ラッシュアワー』シリーズ(1998年ほか)など、90年代の作品も人気が高い。
しかし、その頃のジャッキー映画で忘れられないのが、1999年の隠れた名作『WHO AM I? フー・アム・アイ?』だ。この作品でジャッキーが演じるのは、記憶を失った特殊工作員。まるで『ボーン』シリーズのような設定だが、こちらはジャッキーらしいアクション・コメディに仕上がっている。
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