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彼女はなぜ“国家の反逆者”となったのか?
ニューヨークの現代演劇シーンで“超新星”と評される新進気鋭の劇作家ティナ・サッターの映画監督デビュー作『リアリティ』が、2023年11月18日(土)より全国公開となる。
本作は、米国家機密リーク事件で世界中を騒然とさせた女性の実際のFBI尋問音声記録を、ほぼリアルタイムで<一言一句>完全再現してみせるという衝撃の試みで絶賛を集めた心理スリラーだ。
「リアリティ・ウィナー事件」とは
2017年、米国家安全保障局(NSA)の契約社員だった25歳のリアリティ・ウィナーが逮捕された。その罪状は<国家機密の漏洩>。ロシアのハッカーによる2016年アメリカ大統領選への介入疑惑に関する報告書をメディアにリークしたという衝撃的なものだった。
「トランプ大統領誕生は、ロシア政府に仕組まれたものだった――?」
トランプ政権を揺るがすそのセンセーショナルなニュースは世界中を驚愕させ、個人の情報漏洩罪として史上最長となる懲役5年の刑を言い渡されたリアリティは、一躍<第2のスノーデン>として注目の的となった。
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