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こんな映画、見たことない!カメラに収められた風景が語る“そこに、確かにあった歴史”『ジェイムズ・ベニング2023 アメリカ/時間/風景』

こんな映画、見たことない!カメラに収められた風景が語る“そこに、確かにあった歴史”『ジェイムズ・ベニング2023 アメリカ/時間/風景』
『ジェイムズ・ベニング2023 アメリカ/時間/風景』

1970年代はじめから現在に至るまで精力的に活動を続ける、アメリカの実験映画作家ジェイムズ・ベニングによる最新作『アレンズワース』を含む8作品の特集上映『ジェイムズ・ベニング2023 アメリカ/時間/風景』が、10月7日(土)より1週間、シアター・イメージフォーラムにて開催される。このたび、予告編が解禁となった。

最新作『アレンズワース』

予告編で映し出されるのは、人の気配ひとつない吹きっさらしの土地に佇む家屋。今年2月に開催された「ベルリン国際映画祭」でフォーラム部門に正式出品されたジェイムズ・ベニング最新作『アレンズワース』だ。

タイトルにもなっている“アレンズワース”とは、1908年、カリフォルニア州発のアフリカ系アメリカ人によって統治された自治体。第一次対戦後に多くの住民が離れて荒廃したこの土地は、現在、残された歴史的建造物の復元・修復が行われており、ベニングは1年間にわたって毎月1棟、無人の建物にカメラを向ける。映像の中では、家屋の背後をどこからともなく現れた貨物列車が横断していくその車両の長さや、虚しくこだまする大きな汽笛が印象的だ。小さなコミュニティの物語が、黒人の歴史全体と交差する本作に期待が高まる内容となっている。

撮影・録音・編集…すべてを一人で手掛ける究極の個人制作

1970年代初頭から今にいたるまで、50年以上にわたって精力的に活動を続ける実験映画作家、ジェイムズ・ベニング。カメラと録音機材を持ち現地に赴き、撮影、録音し、編集も一人で手掛けるという個人制作のスタイルで、現在に至るまで短編から長編映画作品、インスタレーションも含め60本以上の作品を世に送り出している。

主に固定されたカメラによって撮影され、計算し尽くされたショットが紡ぐ映像。中には、同じ分数のショットが続いていく構造映画的な側面も持ち合わせた作品もあり、その作風はまさに唯一無二だ。スクリーン上で、ベニングにより切り取られた風景とそこに流れる時間を観る者は、彼の“実験映画作家”という呼称を忘れ、この作家が捉えたアメリカの歴史と精神的な風土を体感することになる。

今回の特集では、「第73回ベルリン国際映画祭」フォーラム部門に出品された『アレンズワース』を含む彼の代表的作品、以下8作品の上映となる。

『11×14』(原題:11×14/1976年/80分/)
『ランドスケープ・スーサイド』(原題:Landscape Suicide/1986年/95分)
『セントラル・ヴァレー』(原題:Valley Centro/1999年/90分)
『ロス』(原題:Los/2000年/90分)
『ソゴビ』(原題:Sogobi/2002年/90分)
『RR』(原題RR/2007年/110分)
『キャスティング・ア・グランス』(原題:casting a glance/2007年/80分)
『アレンズワース』(原題:Allensworth/2022年/65分)

『ジェイムズ・ベニング2023 アメリカ/時間/風景』は、10月7日(土)~13日(金)より「シアター・イメージフォーラム」にて1週間限定上映。

『11×14』

『ロス』

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