黒人少年が惨殺、立ち上がった母親の“愛の実話” 批評家・観客から大絶賛の嵐『ティル』

黒人少年が惨殺、立ち上がった母親の“愛の実話” 批評家・観客から大絶賛の嵐『ティル』
『ティル』© 2022 Orion Releasing LLC. All rights reserved.
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1955年8月28日にアメリカ合衆国ミシシッピ州マネーで実際に起きた「エメット・ティル殺害事件」。アフリカ系アメリカ人による公民権運動を大きく前進させるきっかけとなったこの事件をもとに、初めて映画化された『ティル』が、12月15日(金)より公開される。このたび、本予告映像が解禁となった。

実力派キャストが挑んだ、胸揺さぶる実話

本作の製作には、黒人俳優として世界的な人気を誇るウーピー・ゴールドバーグ、『007』シリーズのスタッフら超一流陣が名を連ねる。公開されるやいなや、各国の映画祭で賞賛の嵐が巻き起こり、主要60映画祭21部門受賞86部門ノミネートで賞レースを席巻。なかでも、主人公メイミー・ティルを演じたダニエル・デッドワイラーは、ゴッサム・インディペンデント映画賞、ナショナル・ボード・オブ・レビュー、サテライト賞など数々の映画賞で女優賞を総なめにした。この賞賛の嵐は映画祭のみならず、米映画批評サイト「Rotten Tomatoes」で批評家96%/観客97%の高スコアをたたき出した。

1955年、イリノイ州シカゴ。夫が戦死して以来、空軍で唯一の黒人女性職員として働くメイミー・ティル(ダニエル・デッドワイラー)は、一人息子で14歳のエメット:愛称ボボ(ジェイリン・ホール)と平穏な日々を送っていた。しかし、エメットが初めて生まれ故郷を離れ、ミシシッピ州マネーの親戚宅を訪れた際に悲劇は起こる。エメットが飲食雑貨店で白人女性キャロリン(ヘイリー・ベネット)に向けて「口笛を吹いた」ことが白人の怒りを買い、1955年8月28日、彼は白人集団にさらわれ、壮絶なリンチを受けた末に殺されて川に投げ捨てられた。我が息子の変わり果てた姿と対面したメイミーは、この陰惨な事件を世に知らしめるため、常識では考えられないある大胆な行動を起こす。そんな彼女の姿は多くの黒人たちに勇気を与え、一大センセーションとなって社会を動かす原動力となっていく——。

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