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ただれたマスクが醸し出す殺人史! ついに完結『ハロウィン THE END』監督が語る「見えないもの」の恐ろしさ

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ライター:#市川夕太郎
ただれたマスクが醸し出す殺人史! ついに完結『ハロウィン THE END』監督が語る「見えないもの」の恐ろしさ
『ハロウィン THE END』©2022 UNIVERSAL STUDIOS
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殺人鬼マイケルと主人公ローリー、実に40年にわたって繰り広げられた映画史に残る長期戦が、ついに決着!

三部作すべてにテーマが設けられたホラー映画『ハロウィン』シリーズ。「ラブストーリー」というテーマのもと、これまでと打って変わって大変エモーショナルになった最新作にして完結作『ハロウィン THE END』が、2023年4月14日(金)より公開となる。

『ハロウィン THE END』©2022 UNIVERSAL STUDIOS

というわけで、三部作すべてを手がけてきたデヴィッド・ゴードン・グリーン監督にオンライン取材を決行。スティーヴン・キング愛から好きなバンドの話まで、このインタビューを読めば色々と腑に落ちるものとなっているはず。リメイク版を監督する予定だった、大ファンと公言している『サスペリア』(1977年)のポスターが貼られたオフィスでたっぷり語ってくれました。

デヴィッド・ゴードン・グリーン監督 『ハロウィン THE END』©2022 UNIVERSAL STUDIOS

「笑っているようにも、悲しんでいるようにも見える」

―本作の物語は、前作『ハロウィン KILLS』(2021年)から4年経ったところからスタートするということで、様々な状況に変化がありますよね。なかでも、ザ・シェイプことマイケル・マイヤーズが被っているマスクの劣化具合がとても恐ろしかったです。マスク制作を担当したクリストファー・ネルソン(注:特殊メイクアップアーティスト。『キル・ビル』[2003年]、『アメリカン・ホラー・ストーリー』[2011年〜]、『スーサイド・スクワッド』[2016年]などが代表作)の仕事が素晴らしかったです。

彼は天才ですよね。僕と同じく、彼も大のホラーファンでもあるので、1978年のオリジナル版のマスクを尊重しつつも少しずつ劣化させ、マイケルというキャラクターをどう描くか、どのような運命を辿るかを考えながらデザインをしてもらったんです。

―今のデザインに至るまで、かなり試行錯誤されたんですか?

そうですね、オフィスに写真を並べて吟味しましたよ。火傷の度合いや、ヒビなどの劣化具合、いろんなパターンを作ってもらいました。マスクで肝心なのは、照明を当てたときにどう見えるか、なんです。左半分が火傷でただれていて、右半分は原型をとどめていますよね。これを、どういった照明で、どんな角度で撮るか、このあたりの判断が難しい。完成版は、照明とアングル次第で笑っているようにも見えるし、悲しんでいるようにも見えるんです。マスク一つで、さまざまな表情を引き出すことができるんですよ。

『ハロウィン THE END』©2022 UNIVERSAL STUDIOS

「ホラーの入り口は、スティーヴン・キングだった」

―たしかに、劣化によって以前よりも表情豊かになっていますね。それと今回は、オリジナル版の『ハロウィン』以外にも、『ザ・フォッグ』(1980年)や『クリスティーン』(1983年)などジョン・カーペンター作品の影響を感じさせます。でも、個人的にはハドンフィールドという街自体がキャラクターのようであったり、狭いコミュニティ内での軋轢、下水道に棲むモンスターなど、雰囲気も含めてスティーヴン・キング作品の影響が濃いように思いました。監督はスティーヴン・キングの作品に思い入れがあるんですか?

おっしゃる通り、スティーヴン・キングにはとても思い入れがあります。12歳から読み始めて、今こうして取材を受けている僕のオフィスには、すべての著書があるんですよ。

―そんなにお好きなんですか!?

僕の両親はホラー映画に関しては厳しくて……友達の家で『悪魔のいけにえ』(1974年)『13日の金曜日』(1980年)『エルム街の悪夢』(1984年)なんかは観ていたけれど、家ではホラー映画は禁止されていたんです。でも、図書館で借りてくる本なら親にはバレない(笑)。僕のホラーの入り口は、まさにスティーヴン・キングだったわけです。個人的に影響を受けていますし、もちろん本作にもかなり反映されていますね。

―やはり、そうだったんですね!

ジェイミー・リー・カーティス デヴィッド・ゴードン・グリーン監督 『ハロウィン THE END』©2022 UNIVERSAL STUDIOS

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『ハロウィン THE END』

殺人鬼ブギーマンことマイケル・マイヤーズが再びハドンフィールドを恐怖に陥れた事件から4年が経ち、街は少しずつ平穏な日常を取り戻しつつあった。マイケルの凶刃から生き延びたローリー・ストロードは孫娘のアリソンと暮らしながら回顧録を執筆し、40年以上にわたりマイケルに囚われ続けた人生を解放しようとしていた。
しかし、暗い過去をもつ青年コーリーが、4年間、忽然と姿を消していたマイケルと遭遇したことをきっかけに、新たな恐怖が連鎖し始める。ついにローリーは、長年の因縁に決着をつけるべく、マイケルと最後の対峙を決意するー!!

映画史に恐怖を刻み続けた大ヒットホラーシリーズの完結作がついに、幕を開ける!!

監督:デヴィッド・ゴードン・グリーン
製作総指揮:ジョン・カーペンター ジェイミー・リー・カーティス
      ダニー・マクブライド デヴィッド・ゴードン・グリーン

出演:ジェイミー・リー・カーティス
   アンディ・マティチャック ローハン・キャンベル
   ウィル・パットン カイル・リチャーズ ジェームズ・ジュード・コートニー

制作年: 2022