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ソ・イングクが語る! 全身タトゥーが血に染まった『オオカミ狩り』撮影秘話「この殺人犯役に共感は必要ない」

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ライター:#BANGER!!! 編集部
ソ・イングクが語る! 全身タトゥーが血に染まった『オオカミ狩り』撮影秘話「この殺人犯役に共感は必要ない」
ソ・イングク 撮影/Kim TaeKoo © LADSTUDIO KIMTAEKOO
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予想を裏切りまくる衝撃ストーリーと鮮烈ビジュアルの数々で話題沸騰中の韓国発バイオレンスアクション『オオカミ狩り』が、ついに2023年4月7日(金)より公開。本作で“超”が付く極悪犯罪者ジョンドゥを演じるソ・イングクが、知られざる撮影秘話を明かしてくれた。

歌手活動で確固たる地位を確立し、いまや俳優としても世界が注目する人気と実力を兼ね備えたソ・イングク。アーティストならではのストイックな視点、共演者やスタッフから学ぶことを忘れない姿勢が垣間見えるインタビューをお送りする。

『オオカミ狩り』©︎2022 THE CONTENTS ON & CONTENTS G & CHEUM FILM CO.,LTD. All Rights Reserved.

「ジョンドゥのような役には二度と出会えないかもしれない」

―あなたが演じるジョンドゥは極悪人というだけでなく、まるでサイコパスのようであり、同時に多くの子分を従えるカリスマ性も備えています。共感するのが非常に難しいキャラクターかと思いますが、監督とは役作りについて、どんなお話をされましたか? 演じる上で最も難しかったところや強く意識したポイントを教えてください。

ジョンドゥについては外見から感情表現のディティールまで、監督と本当にいろんなことを話し合いました。まず監督から「外見的には痩せている感じにしたい」と言われたんですが、僕としては“危険な人物”という部分を表現したかったので体重を増やす、いわゆるバルクアップさせることを提案して、大きな体を作っていきました。

ジョンドゥは、一般的な常識では理解しがたい人物だと思います。「ああ、だから彼は殺人を犯したんだな」と思えるようなところは全くないので、人物像を作るうえで共感は必要ないと思い、あくまで一つのキャラクターとして演じることにしたんです。ジョンドゥは単に、こうしたかった・こんな欲求があった・ここで人を殺したかった――そう理解したうえで表現していきました。

『オオカミ狩り』©︎2022 THE CONTENTS ON & CONTENTS G & CHEUM FILM CO.,LTD. All Rights Reserved.

―本作への出演オファーを受けられたとき、どんな印象を持たれましたか? 韓国でR18、日本でもR15指定というメッセージ性の強い作品ですが、脚本を読まれたときにまず感じたこと、出演してみようと思った率直なお気持ちを教えてください。

まず台本を読んだときに、この後どんな展開になるのか、どんな状況が待っているのか、まったく想像できなくて、とてもおもしろいと思いました。普通は「こういった人物が出てきたら、こういう困難を乗り越えて、個々ではこんな展開になるだろう」と想像できるものが多いと思いますが、この作品は全く読めなかったので、それがとても新鮮でした。ジョンドゥというキャラクターも登場シーンから意外性がありましたし、悪役そのものとしての魅力も強く感じたので、そこが出演の大きな決め手になりました。

『オオカミ狩り』©︎2022 THE CONTENTS ON & CONTENTS G & CHEUM FILM CO.,LTD. All Rights Reserved.

―待望の悪役とのことですが、その理由と、実際に演じてみた感想は?

悪役を演じたいと思っていた理由は、現実ではなかなか得られない感情を持っていたり、あまり見られないルックスを持っているところ、その悪役が登場したときに眼の前でどんな状況が起こるのか? そういったところも現実では味わえない部分なので、やってみたいと以前から思っていたんです。

今回ジョンドゥを演じることになって、そういった理由が大きかったことは確かですが、彼のキャラクターは悪役の中でも“特に意味もなく人を破壊する”キャラクターだったので、非常に妙な役だなと思いましたし、この『オオカミ狩り』で演じる機会を逃したら、今後もう二度と出会えないキャラクターだろうという“欲”もありました。

『オオカミ狩り』©︎2022 THE CONTENTS ON & CONTENTS G & CHEUM FILM CO.,LTD. All Rights Reserved.

「共演者の皆さんから大いに学ぶところがありました」

―本作はスリラー/ホラーということでグロテスクなシーンも多いですが、もともとそういったジャンルの作品はお好きでしたか? これまでどんな映画を観てきたか教えてください。

ホラーやスリラー、クリーチャーものも大好きです。日本の作品でいうと『リング』や『呪怨』は全シリーズ観ていますし、ハリウッドリメイク版も観ています(笑)。とても面白かったですね。

―本作では同世代から先輩世代まで幅広い俳優さんと共演されていますが、撮影を通して新たな“学び”はありましたか?

今回の撮影現場は本当に大変でした。全身に血糊を塗って待機している時間もありましたし、カットやシーンでいうと観客のみなさんにとっては3分~5分のシーンでも、1日かけて準備して撮影に臨まなければいけなかったので、苦労しました。

でも共演者の皆さんは苦しい姿は一切見せず、本当に楽しそうに現場で過ごしていました。そして先輩は後輩の面倒を見たりと、お互いに助け合う光景を目にしたことで、現場での過ごし方も学ぶことができました。また、監督が現場でディレクションすると、俳優たちはそれに沿って瞬発力を発揮して動いていたので、それもすごいことだなと感じましたし、大いに学ぶところがありました。

ソ・イングク 撮影/Kim TaeKoo © LADSTUDIO KIMTAEKOO

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『オオカミ狩り』

2022年、フィリピン マニラ。現地で逮捕された犯罪者たちを乗せた貨物船“フロンティア・タイタン号”が釜山港に向けて出航した。長年、凶悪犯罪を担当してきたベテラン刑事の約20人が護送官として乗船。釜山では、海上交通管制センターで海洋監視システムを設置。万全な体制により、韓比共同護送計画(プロジェクト名:オオカミ狩り)が進められた。監獄化した貨物船には、13名に対する殺人および殺人教唆、強姦罪に問われ第一級殺人犯として国際手配されたジョンドゥ(ソ・イングク)、特殊暴行17件で赤手配者のドイル(チャン・ドンユン)など極悪非道な犯罪者たちが収容されていた。その夜、密かに脱走を企てていたジョンドゥと刑事として紛れ込んでいたジョンドゥの一味により暴動が勃発。船上は武器を手にした犯罪者たちで溢れかえる。仲間以外は誰であろうと容赦なく殺める犯罪者たちと彼らに立ち向かう警察。そこに、眠っていた“怪人”が目を覚まし、熾烈な戦いが幕を開ける。地獄の航海から生き残るのは誰か……。

監督・脚本:キム・ホンソン

出演:ソ・イングク チャン・ドンユン
   ソン・ドンイル パク・ホサン チョン・ソミン
   コ・チャンソク チャン・ヨンナム チェ・グィファ

制作年: 2022