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次の「シン」は俺たちだ! ゴジラ“じゃない方”の怪獣映画『ドゴラ』『ギララ』『ガッパ』『サンダ対ガイラ』の「シン化」を妄想

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次の「シン」は俺たちだ! ゴジラ“じゃない方”の怪獣映画『ドゴラ』『ギララ』『ガッパ』『サンダ対ガイラ』の「シン化」を妄想
『宇宙大怪獣ギララ』©1967 松竹株式会社/『宇宙大怪獣ドゴラ』©1964 東宝/『大巨獣ガッパ』©日活
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実は最強? マイナスイオン噴霧怪獣映画『ギララ』

『宇宙大怪獣ギララ』前半では、宇宙の夢がパンパンに詰まっていた時代の、牧歌的な宇宙の冒険がたっぷりとした尺を使って描かれる。メカニックや宇宙空間の描写にも力が入っているのだが、同時に月面での檜風呂あり、美人クルーとのロマンスありと、不思議なバランス感覚になっている。

『宇宙大怪獣ギララ』©1967 松竹株式会社

肝心のギララは、頭に宇宙船を乗っけたような最高にクールなデザインだが、よくわからないまま出現し、よくわからない物質で倒される。映画全体から「映画は、理屈じゃない!」というオーラが漂っており、マイナスイオン的な癒し効果がある一本となっている。

『宇宙大怪獣ギララ』©1967 松竹株式会社

『シン・ギララ』は怪獣としての魅力を生かした本格的な怪獣映画に……

で、このギララという怪獣、デザインも最高だし、何より胞子から成長し、無限にエネルギーを吸収して成長していく、という設定もインパクトがある。物語の朗らかな空気感に引っ張られているが、実は手に負えない最強怪獣なのだ。

『ギララ』は、河崎実監督によるコミカルな『ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発』(2008年)として一度リメイクされているが、次はギララの怪獣としての魅力を生かした本格的な怪獣映画『シン・ギララ』を見てみたい……というか、実はそんな内容の物語を書いたことがある。2022年に発売された松竹特撮のファンブック「ギララ・ゴケミドロ・昆虫・髑髏船 オール特撮大図鑑」に寄稿した絵物語「ギララ2022」がそれだ。通販などで購入できるのでぜひ。

ガッパの眼は、人ほどにものを言う

怪獣ブームも活況極まる1967年に、日活が満を持してドロップしたのが『大巨獣ガッパ』である。ガッパは、オス、メス、子供の3体が登場し、離れ離れになった怪獣の家族が再会するまでを描くという「親子もの」で、言うなれば「お涙頂戴」な作風という珍しい怪獣映画になっている。

『大巨獣ガッパ』©日活

特撮の見どころも満載で、ミニチュアで再現された熱海上陸シーンの街並み、家族が再会する羽田空港の広大なセット、ゴジラさながらの火炎放射に、ラドンばりの瓦吹き飛ばしと、さまざまなシチュエーションで気合の入った特撮を見せてくれる。そして、何よりガッパの造形が良い! どこか憂いを帯びた水晶玉のような眼が、着ぐるみであることを忘れてしまうほどの感情を宿しているのだ。

『大巨獣ガッパ』©日活

そしてこの『ガッパ』、音楽も個性的。主題歌の「大巨獣ガッパ」は、美樹克彦さんが濃いめに歌うベンチャーズ風のロックナンバーでインパクト大、仔ガッパとの再会シーンでは物悲しいフォークソング「がんばれ仔ガッパ」が流れて感動シーンをベタベタに加速させる。

『大巨獣ガッパ』©日活

ぜひ『シン・ガッパ』は、『レ・ミゼラブル』(2012年)ばりに壮大な、世界初の怪獣ミュージカルとして制作していただきたい!

文:タカハシヒョウリ

『宇宙大怪獣ドゴラ』『宇宙大怪獣ギララ』『大巨獣ガッパ』『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』はCS映画専門チャンネル ムービープラス「特集:2か月連続!特撮映画」で2023年3月放送

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