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【カンヌ映画祭】ざっと紹介!ジャームッシュ、タランティーノ、ドラン、アルモドバル、ケン・ローチ…今年のコンペ作一覧

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ライター:#BANGER!!! 編集部
【カンヌ映画祭】ざっと紹介!ジャームッシュ、タランティーノ、ドラン、アルモドバル、ケン・ローチ…今年のコンペ作一覧
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
2019年5月14日(火)~25日(土)までカンヌ映画祭が開催される。昨年は『万引き家族』で是枝裕和監督が最高賞パルム・ドールを受賞して話題になったが、今年は・・・? ざっと出品作の概要をみてみよう!

コンペティション部門にカンヌ常連からハリウッドスターまで勢ぞろい

『死者は死なない(原題)』

原題:THE DEAD DON’T DIE
監督:ジム・ジャームッシュ
出演:アダム・ドライヴァー、クロエ・セヴィニー、ビル・マーレイ、セレーナ・ゴメス、ティルダ・スウィントン、スティーヴ・ブシェミ

ジャームッシュは53年オハイオ州アクロン生まれ。出世作『ストレンジャー・ザン・パラダイス』で第37回カンヌ映画祭カメラ・ドール受賞。これまで7度コンペティションにエントリーし、『ミステリー・トレイン』で芸術貢献賞、『ブロークン・フラワーズ』でグランプリ受賞。

8度目のエントリーとなる『死者は死なない(原題)』はゾンビ映画のパロディで、アダム・ドライヴァー、クロエ・セヴィニー、ビル・マーレイの警官トリオが、墓から蘇ったゾンビと対決する。

『苦悩と栄光(原題)』

原題:DOLOR Y GLORIA(PAIN AND GLORY)
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:アントニオ・バンデラス、ペネロペ・クルス

アルモドバルは49年スペインのカルサーダ・デ・カラトラーバ生まれ。スペインを代表する名監督。99年『オール・アバウト・マイマザー』でカンヌ映画祭コンペティションに初登場し、監督賞、06年『ボルベール<帰郷>』で脚本賞を受賞。

6度目のパルム・ドール挑戦となる『苦悩と栄光(原題)』は、映画監督が自分の過去でしてきた数々の決断を回顧するというストーリー。

『裏切り者(原題)』

原題:IL TRADITORE(THE TRAITOR)
監督:マルコ・ベロッキオ
出演:ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、ルイジ・ロ・カーショ

https://www.youtube.com/watch?v=A2bISfSYrJI

ベロッキオは39年イタリアのピアチェンツァ生まれ。今まで6度コンペティションにエントリーし、一度も受賞がないのが不思議なイタリアを代表する名匠。

『裏切り者(原題)』は実在のシチリア・マフィアのボスで警察の内通者となった男を描いた実録物。主演は『天使と悪魔』でオリヴェッティ刑事を演じたピエルフランチェスコ・ファヴィーノ。

『パラサイト 半地下の家族』

原題:GISAENGCHUNG(Parasite)
監督:ポン・ジュノ
出演:ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チェ・ウシク、パク・ソダム、チャン・ヘジン

ポン・ジュノは69年韓国大邱生まれ。前作『オクジャ/okja』がネット配信作品としてクローズアップされたことは彼にとって本意ではないだろう。

『母なる証明』以来、10年ぶりに韓国で製作した『パラサイト 半地下の家族』は、似ているようで似ていない家族と似ていないようで似ている家族の心理サスペンスで、寄生虫は出てこない。

『アフメド少年(原題)』

原題:YOUNG AHMED
監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ

https://www.youtube.com/watch?v=mwu1HpJ13bE

ジャン=ピエールは51年、リュックは54年、ベルギー リエージュ生まれ。99年『ロゼッタ』、05年『ある子供』で2度パルム・ドールを受賞、08年『ロルナの祈り』で脚本賞、11年『少年と自転車』でグランプリ受賞の名匠。緊張感溢れるドキュメンタリータッチの作風が特徴。

『アフメド少年(原題)』は、8度目のコンペティション・エントリー作で、イスラム系ベルギー人の少年が、イスラム過激思想に染まって教師を殺そうとする。

『お慈悲を!(原題)』

原題:OH MERCY!
監督:アルノー・デプレシャン
出演:レア・セドゥ、ロシュディ・ゼム、サラ・フォレスティエ、アントワーヌ・レナルツ

デプレシャンは60年フランス、ルーベックス生まれ。92年『魂を救え!』でコンペティションに初登場。以来、フランスで最もパルム・ドールに近い若手と言われ続けたが、未だに無冠。

『お慈悲を!(原題)』は6本目のコンペティション作で、仏題は[ルーベックス、ある光]といい、故郷ルーベックスを舞台に、老女の惨殺事件を解決しようとする警察署長を描く。

『野鴨の湖(原題)』

原題:NAN FANG CHE ZHAN DE JU HUI(THE WILD GOOSE LAKE)
監督:ディアオ・イーナン
出演:リャオ・ファン、フー・ゴー、グイ・ルンメイ

ディアオ・イーナンは69年中国西安生まれ。『スパイシー・ラブスープ』、『こころの湯』などの脚本を務め、03年『制服』で監督デビュー、ロッテルダム映画祭、バンクーバー映画祭で受賞。07年ある視点に『夜行列車』出品。14年、3作目の『薄氷の殺人』でベルリン映画祭金熊賞と男優賞受賞。

『野鴨の湖(原題)』は初のコンペティション作品。出演は『薄氷の殺人』のリャオ・ファン、フー・ゴー、グイ・ルンメイ。

『アトランティック(原題)』

原題:ATLANTICS
監督:マティ・ディオップ

マティ・ディオップは82年生まれ。セネガルの映画監督ジブリル・ジオップ・マンベティの姪で、父は作曲家ワシス・ディオップ。13年に初の長編ドキュメンタリー『千の太陽』が各国の映画祭で上映され、注目を集める。

『アトランティック(原題)』は長編劇映画デビュー作で、コンペティション初登場。女優としても活躍中。

『マティアスとマクシム(原題)』

原題:MATTHIAS AND MAXIME
監督:グザヴィエ・ドラン
出演:ハリス・ディキンソン、グザヴィエ・ドラン、アンヌ・ドルヴァル

https://www.instagram.com/p/BxLvzPkggPI/

ドランは89年カナダ、モントリオール生まれ。09年、監督デビュー作『マイ・マザー』を第62回カンヌ映画祭監督週間に出品し、3賞を独占。10年『胸騒ぎの恋人』、12年『私はロランス』をある視点部門に出品、14年『Mommy/マミー』 で初コンペティション、審査員賞、16年『たかが世界の終わり』でグランプリ受賞。

今年いよいよ念願のパルム・ドール獲りに挑む。『マティアスとマクシム(原題)』はケベック州を舞台にした20代後半の若者達を描くもの。タイトルロールのマクシムをドラン自身が演じる。

『リトル・ジョー(原題)』

原題:LITTLE JOE
監督:ジェシカ・ハウスナー
出演:エミリー・ビーチャム、ベン・ウィショー、ケリー・フォックス、リアン・ベスト

ハウスナーは72年オーストリア、ウィーン生まれ。99年の中編『インター・ヴュー』をシネフォンダシオンに、01年『Lovely Rita ラブリー・リタ』、04年『Hotel ホテル』、14年『狂った愛』をある視点部門に出品。『Lovely Rita ラブリー・リタ』と09年ヴェネツィア映画祭のコンペティションに出品した『ルルドの泉で』は日本公開されている。

『リトル・ジョー(原題)』は、遺伝子操作で誕生した、人間を幸せにするはずの新種の花をめぐる物語。主演はTVシリーズ<バッドランド ~最後の戦士~>のエミリー・ビーチャム。

『メクトゥブ、我が愛 間奏曲(原題)』

原題:MEKTOUB, MY LOVE: INTERMEZZO
監督:アブデラティフ・ケシシュ

ケシシュは60年チュニジアのチュニス生まれ。07年『クスクス粒の秘密』でヴェネツィア映画祭審査員特別賞受賞。13年『アデル、ブルーは熱い色』でパルム・ドール受賞。

『メクトゥブ、我が愛 間奏曲(原題)』は、パリから南仏の港町に戻ってきた青年の恋愛遍歴を描いた17年『メクトゥブ、我が愛 第1の歌(原題)』の続編。メクトゥブとはアラビア語で運命のこと。

『君達に会えなくてごめん(原題)』

原題:SORRY WE MISSED YOU
監督:ケン・ローチ
出演:Kris Hitchen、Debbie Honeywood

ローチは36年イギリス、ノニートン生まれでコンペティション最年長の82歳。コンペティションに13回エントリー、06年『麦の穂を揺らす風』、16年『わたしは、ダニエル・ブレイク』で2度パルム・ドール受賞。常に弱者の側に立つ社会派。

『君達に会えなくてごめん(原題)』は、借金で破産の危機に瀕し、自営で宅配業を始めるために新しいバンを買おうと奔走する夫と、介護士の妻、二人の子供がイギリスの現実に直面する。

『レ・ミゼラブル(原題)』

原題:LES MISÉRABLES
監督:ラディ・リ
出演:Damien Bonnard、Alexis Manenti

ラディ・リは80年パリ生まれ。俳優から監督に転身し、一貫して“バンリュー”と呼ばれるパリ郊外の犯罪多発地区の問題を取り上げてきた。

『レ・ミゼラブル(原題)』は17年にセザール賞にノミネートした短編を長編映画化したもので、パリ郊外モンフェルメイユで犯罪を取り締まる機動隊の隊員たちを描く。モンフェルメイユは、ヴィクトル・ユゴーの名作<レ・ミゼラブル>の舞台でもある。

『隠された人生(原題)』

原題:A HIDDEN LIFE
監督:テレンス・マリック
出演:アウグスト・ディール、マティアス・スーナールツ、ミカエル・ニクヴィスト、ブルーノ・ガンツ

マリックは43年イリノイ州オタワ生まれ。79年『天国の日々』で監督賞、11年『ツリー・オブ・ライフ』でパルム・ドール受賞。

3度目のコンペティション登場となる『隠された人生(原題)』は、ナチスに反対して良心的兵役拒否者となったオーストリア人を描いたもの。ブルーノ・ガンツの遺作でもある。

『夜鷹(原題)』

原題:BACURAU
監督:クレベル・メンドンサ・フィロ&フリアノ・ドルネレス
出演:ウド・キア、ソニア・ブラガ

https://twitter.com/bacuraufilme/status/1126912451138740224

クレベル・メンドンサ・フィロは68年ブラジル生まれ。16年『アクエリアス』でカンヌのコンペティション初登場。フリアノ・ドルネレスはプロデューサーで『アクエリアス』では美術を担当。

『夜鷹(原題)』は、ブラジル奥地の村にドキュメンタリーを撮影しに行った監督が、村人達が危険な秘密を隠していることに気づく。

『口笛を吹く人々(原題)』

原題:LA GOMERA(THE WHISTLERS)
監督:コルネリュ・ポルンボイュ
出演:ヴラド・イヴァノフ、カトリネル・マーロン

ポルンボイユは75年ルーマニア生まれ。06年『ブカレストの東、12時08分』でカメラ・ドール受賞。09年『ポリス、形容詞(原題)』である視点部門審査員賞、15年『トレジャー オトナタチの贈り物』である視点部門ある才能賞受賞。

『口笛を吹く人々(原題)』は、犯罪に手を染めたブカレストの刑事を主人公にした犯罪スリラーで、題名の意味は、口笛で会話するスペインのゴメラ島の島民のこと。

『フランキー(原題)』

原題:FRANKIE
監督:アイラ・サックス
出演:イザベル・ユペール、マリサ・トメイ、グレッグ・キニア

サックスは65年テネシー州メンフィス生まれ。ジョン・リスゴーとアルフレッド・モリナが熟年ゲイ・カップルを演じた『人生は小説よりも奇なり』で知られる。

『フランキー(原題)』はポルトガルのシントラを訪れた3世代の家族の一日を描く。タイトルロールのフランキーにイザベル・ユペール。

『火の娘の肖像(原題)』

原題:PORTRAIT OF A LADY ON FIRE
監督:セリーヌ・シアマ
出演:アデル・エネル、ヴァレリア・ゴリノ、ノエミー・メルラン

シアマは80年フランス、ポントワーズ生まれ。07年『水の中のつぼみ』、14年『ガールフッド』をある視点部門に出品。16年アカデミー賞長編アニメーション部門にノミネートした『ぼくの名前はズッキーニ』の脚本を担当している。

『火の娘の肖像(原題)』は、18世紀ブルターニュの孤島で花嫁の肖像を描くことになった女性画家を描いたもの。

『天国かもしれない(原題)』

原題:IT MUST BE HEAVEN
監督:エリア・スレイマン
出演:アリ・スリマン

スレイマンは69年イスラエルのナザレ生まれ。イスラエルに住むパレスチナ人の問題をユーモアに包んで描いた『D.I,』で02年審査員賞受賞。12年の『名残の時(原題)』を経て、今回が3度目のコンペティション。

『天国かもしれない(原題)』は、各地を旅する映画監督(スレイマン本人)が、訪れた町で、祖国パレスチナとの思いがけない類似点を発見するというもの。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』

原題:ONCE UPON A TIME… IN HOLLYWOOD
監督:クエンティン・タランティーノ
出演:レオナルド・ディカプリオ 、ブラッド・ピット 、マーゴット・ロビー

タランティーノは63年テネシー州ノックスヴィル生まれ。監督デビュー作『レザボア・ドッグス』が92年にコンペ外で上映された。94年、2作目の長編『パルプ・フィクション』でパルム・ドール受賞。07年『デス・プルーフ in グラインドハウス』、09年『イングロリアス・バスターズ』に続き、今年で4度目のコンペティション出品。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は、ハリウッド黄金時代が終わりかけた69年、落ちぶれたテレビ俳優と彼のスタントマンが、もう一花咲かせようとする。

『シビル(原題)』

原題:SIBYL
監督:ジュスティーヌ・トリエ
出演:ヴィルジニー・エフィラ、アデル・エグザルコプロス、ギャスパー・ウリエル

トリエは78年南仏フェカン生まれ。

『シビル(原題)』は3本目の長編で、初のコンペティション作。心理療法士のシビルは、作家になる夢を叶えようと、新しく患者になった女優マルゴをモデルに小説を書こうとするが、次第にマルゴの問題多い私生活に巻き込まれていく。

【BANGER!!!×MoviePlus】第72回カンヌ映画祭特集

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