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パジャマパーティーを楽しむ女子高生を血しぶきと悲鳴が襲う 伝説のカルト・スラッシャー映画『スランバー・パーティー大虐殺』

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ライター:#BANGER!!! 編集部
パジャマパーティーを楽しむ女子高生を血しぶきと悲鳴が襲う 伝説のカルト・スラッシャー映画『スランバー・パーティー大虐殺』
『スランバー・パーティー大虐殺』©1982 New World Pictures

友人の家で寝巻き姿でダベる、いわゆる“パジャマパーティー”を楽しんでいた女子高生たちを襲う恐怖を描いたスラッシャー映画『スランバー・パーティー大虐殺(原題:The Slumber Party Massacre)』が、1月6日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷「未体験ゾーンの映画たち2023」で上映中だ。

『スランバー・パーティー大虐殺』©1982 New World Pictures

スコセッシ経由コーマン行き

本作はつい最近、米CSチャンネルによる現代版リメイクも制作されたようだが、オリジナルは1982年公開のカルトヒット作。この1作目が思いのほかウケたため続編が作られ、1990年には3作目が製作されている。

本作の監督エイミー・ジョーンズは70年代、マーティン・スコセッシの『タクシードライバー』の撮影現場でアシスタントとして働いていた。しかし、彼女の才能を見抜いたスコセッシにロジャー・コーマンを紹介され、様々な作品の編集を手掛けるようになる。

『スランバー・パーティー大虐殺』©1982 New World Pictures

ジョーンズ監督のすごいところは、当時スティーヴン・スピルバーグの『E.T.』の編集を担当することが決まっていたのに、それを蹴って本作の製作を決意したことだ。しかし商業映画の監督経験がなかったジョーンズは、「B級映画の帝王」ことコーマンに相談。そこでフェミニスト作家として知られるリタ・メイ・ブラウンの脚本に出逢い、20万ドルの低予算で『スランバー・パーティー大虐殺』の制作が始まったそうだ。

スラッシャー映画全盛期のカルトヒット作

本作はタイトル通り、女子だけのパジャマパーティーを楽しんでいる主人公トリッシュと友人たちが、次々と殺人鬼に殺されていく……というのが大筋。学園モノらしく、パーティーに混ざりたいチャラ男子や転校生なども巻き込んで、血しぶきと悲鳴の一夜が描かれる。

『スランバー・パーティー大虐殺』©1982 New World Pictures

内容としてはスラッシャーのセオリーに倣ったところが多く、殺人鬼の凶器は電ノコやドリル、ナイフなど。極端な煽りアングルやシルエット、壁に飛び散る血糊なども安心感を感じるほどだが、製作年を考えると本作が後発作品に与えた影響を評価するほうが正しいのかもしれない。

『スランバー・パーティー大虐殺』©1982 New World Pictures

なお、リタ・メイ・ブラウンの脚本はスラッシャー映画のパロディ的な内容だったようだが、後に『星に願いを』(1987年)などを手掛けることになるジョーンズ監督は、限られた予算ながらスラッシャー映画の大事なポイント(お色気シーン含む)はしっかり確保。殺人鬼の凶行の合間にちょっとしたギャグ描写を挟んだりしつつ、カシオ機材らしきチープな音楽も80sホラーな雰囲気を高めてくれている。

『スランバー・パーティー大虐殺』©1982 New World Pictures

時代を反映したポップな色味と薄暗いシーンで構成された本作は、毛穴まで見えそうなバッキバキの映像がデフォルトになったいま観ると、不思議な癒やし効果すら感じるかもしれない。2023年1発目のスラッシャー映画として、伝説のカルトヒット作を観るのも良いのではないだろうか。

『スランバー・パーティー大虐殺』はヒューマントラストシネマ渋谷「未体験ゾーンの映画たち2023」で上映中

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『スランバー・パーティー大虐殺』

両親が留守になる週末、高校3年生のトリッシュはバスケットボール部のチームメイトを自宅に招き、男以外は何でもアリのパジャマ女子会を開くことにする。時を同じくして、学校の周辺に怪しい影がチラつく……精神病院を脱走した殺人鬼のラス・ソーンであった。血に飢えたラスは肌も露わにはしゃぐ女の子たちの匂いを嗅ぎつけ、トリッシュの家へと向かう。女子会に侵入したい男子高生たち、仲間になりたい転校生のヴァレリーとその妹が入り乱れ、波乱含みの週末が幕を開ける。狂った電動ドリルの餌食になるのは誰だ!?

監督:エイミー・ジョーンズ
脚本:リタ・メイ・ブラウン

出演:ミシェル・マイケルズ、ロビン・スティル、マイケル・ヴィレラ、デブラ・デリソ、アンドレ・ホノレ

制作年: 1982