『屋敷女』極悪監督、最新作! 恐怖の湖底幽霊屋敷『ザ・ディープ・ハウス』は“怖い演出”ゾクゾク炸裂!!

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『屋敷女』極悪監督、最新作! 恐怖の湖底幽霊屋敷『ザ・ディープ・ハウス』は“怖い演出”ゾクゾク炸裂!!
『ザ・ディープ・ハウス』© 2020 -RADAR FILMS –LOGICAL PICTURES –APOLLO FILMS –5656 FILMS. All Rights Reserved.

次々と炸裂する「怖い演出」

フランスきっての大女優、ベアトリアス・ダルが狂気に満ちた目で妊婦を襲う『屋敷女』(2007年)の登場は衝撃的だった。それは2008年日本初公開当時、クライマックスシーンの一部が黒い目隠し処理がなされる自主規制が行われたことからも分かるだろう(2021年に完全版として、目隠し処理が無い状態で再上映されたことは記憶に新しい)。

そんな『屋敷女』の監督、アレクサンドル・バスティロとジュリアン・モーリーの2人組監督の新作が『ザ・ディープ・ハウス』だ。

『ザ・ディープ・ハウス』© 2020 -RADAR FILMS –LOGICAL PICTURES –APOLLO FILMS –5656 FILMS. All Rights Reserved.

本作、スクリーンから血飛沫が噴き出してきそうだった『屋敷女』と比較すると、なかなか綺麗な映画で、さらにプロットもシンプル。幽霊屋敷/廃墟探報系YouTuber、ベンとティナが湖底に沈む幽霊屋敷の取材に出向いたところ、“屋敷に潜む”何かに襲われるというもの。

『ザ・ディープ・ハウス』© 2020 -RADAR FILMS –LOGICAL PICTURES –APOLLO FILMS –5656 FILMS. All Rights Reserved.

さて、これが怖くないかというと、とても怖い! 何故か? とにかく怖い物の詰め合わせセットとなっているのだ。こう言ってしまうと語弊があるかもしれないが、「数打ちゃ当たる」と言わんばかりに怖い演出が次々と炸裂するのである!

ミック・ジャガーの息子の嫌味ったらしい演技に注目!

まずPoV視点が怖い。主人公たちはYouTuberなので、GoProや水中ドローンを駆使した臨場感あふれる映像で幽霊屋敷の恐怖を堪能できる。しかもYouTuberはコケたら元本を回収できないハイリスクな職業であるため、無茶をしまくりバシバシと死亡フラグをおっ立てていく。『グレイヴ・エンカウンターズ』(2011年)や『コンジアム』(2018年)で無茶をしたYouTuberの末路を思い出して欲しい。

『ザ・ディープ・ハウス』© 2020 -RADAR FILMS –LOGICAL PICTURES –APOLLO FILMS –5656 FILMS. All Rights Reserved.

そして、幽霊屋敷が眠る湖が異国の片田舎にあるのも恐ろしい。所謂、ヒルビリーホラー要素だ。ホラー映画に登場する素っ気ない町並みや愛想ない住民には、本当にうんざりさせられる。「また、お前らか!」と。本作もその例に漏れず、湖に到着するまで厭な雰囲気満載である。しかも異国とあれば、現地語が分からない怖さも加わる。

『ザ・ディープ・ハウス』© 2020 -RADAR FILMS –LOGICAL PICTURES –APOLLO FILMS –5656 FILMS. All Rights Reserved.

イギリス人であるベンは、恋人のティナが謎の男とフランス語で会話している最中に、「いくら払えば字幕を付けてくれるんだい?」と嫌みったらしいキングズイングリッシュでツッコむ。余談になるが、ベン役のジェームズ・ジャガーはミック・ジャガーの息子だ。彼の親譲りのイギリス発音には是非、聞き耳を立ててくれたまえよ!

『ザ・ディープ・ハウス』© 2020 -RADAR FILMS –LOGICAL PICTURES –APOLLO FILMS –5656 FILMS. All Rights Reserved.

さらに、一番の見所は水中の恐怖である。人間は水の中で生きることができない。よって水に潜ること自体が恐怖となる。窒息、水圧、潜水病。湖底や深海を舞台にした作品は、こうした“水中が生み出す障害”を利用して効果的な演出を行っている。『ザ・デプス』(1989年)における非減圧浮上描写や、『アンダーウォーター』(2020年)の水圧死など、水中での恐怖表現は強烈で豪快な描写がよくみられる。

ところが『ザ・ディープ・ハウス』の水中恐怖表現は地味だ。しかし、ものすごく怖い。見逃されがちな水の特性、“抵抗”と“浮力”に目を付けたのだ。

『ザ・ディープ・ハウス』© 2020 -RADAR FILMS –LOGICAL PICTURES –APOLLO FILMS –5656 FILMS. All Rights Reserved.

巨大セットで“水中の悪夢”を完全表現!

ご存じのとおり水中では、水の抵抗で早く動くことができない。ゆえに何かに追いかけられとしても、思うように逃げられない。ただただ、ゆっくりと前方に足を踏み出すしか方法はない。しかも『ザ・ディープ・ハウス』の“何か”は怪物ではなく、悪意を持った人間なので同じくゆっくりと追いかけてくる。このジワジワと迫る恐怖。さらに浮力によりユラユラ揺らめく髪の毛や服、素足の異様さたるや、夢に出そうだ。

『ザ・ディープ・ハウス』© 2020 -RADAR FILMS –LOGICAL PICTURES –APOLLO FILMS –5656 FILMS. All Rights Reserved.

皆さんは「走って逃げたいのに逃げられない」という夢を見たことはないだろうか? まさにアレを映画でやってのけたのだ。さらに酸素ボンベ残量も気にしなくてはいけないというタイムリミット付き。まさに悪夢の再現である。

『ザ・ディープ・ハウス』© 2020 -RADAR FILMS –LOGICAL PICTURES –APOLLO FILMS –5656 FILMS. All Rights Reserved.

この“水中の悪夢”を実現すべくバスティロとモーリーは、ベルギーのスタジオに巨大タンクを持ち込み、そこに水中セットを建築。全て実際に水中で撮影した。やたら気合いが入っている。それもそのはず、2人は『屋敷女』の成功を機にハリウッドに招かれ様々な作品に携わったものの、プロデューサーやプロダクションの力関係で好きな作品を撮ることができなかったのだ。ハリウッドに嫌気がさした2人はフランスへ戻り、再びぶっ飛んだホラー映画を撮ろうとしたのである。故に、前作『呪術召喚/カンディシャ』(2020年)から好き放題やっているようだ。

『ザ・ディープ・ハウス』© 2020 -RADAR FILMS –LOGICAL PICTURES –APOLLO FILMS –5656 FILMS. All Rights Reserved.

『屋敷女』では大女優ベアトリアス・ダルに無茶苦茶な芝居をさせた彼らだが、今回は水中に登場する子役もダイバー経験者を捜し当てて演技指導をしたという。普段から「私たちとホラーは永遠に繋がり続ける」と口にしている2人。次はどんな“無茶”を見せてくれるのか楽しみだ。

文:氏家譲寿(ナマニク)

『ザ・ディープ・ハウス』は2022年9月16日(金)より全国順次公開

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『ザ・ディープ・ハウス』

世界各地の廃墟などをアップし登録者数を増やしているYouTuberカップルのティナとベンは、ある湖に沈められた曰くつきの屋敷を撮影が目的でフランスの郊外にやって来た。

湖畔で知り合ったピエールから場所を案内してもらい水面下に潜ると不気味な屋敷が彼らを待っていた。

屋敷内を探索、撮影していると不思議な現象や幻影が次々と襲って来る。危険な雰囲気を察知し酸素量も少なくなり屋敷から出ようとするが、いつの間にか出口が塞がれていた。パニックとなる彼らの目の前に、想像を絶する恐怖が!!

監督・脚本:ジュリアン・モーリー アレクサンドル・バスティロ

出演:ジェームズ・ジャガー カミーユ・ロウ
   エリック・サヴァン

制作年: 2021

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