『SW』便乗映画に“夜明け”は来るのか!?『ウォーズ・オブ・ギャラクシー』は規模の小ささが光るアサイラム製スペースオペラ

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ライター:知的風ハット
『SW』便乗映画に“夜明け”は来るのか!?『ウォーズ・オブ・ギャラクシー』は規模の小ささが光るアサイラム製スペースオペラ
『ウォーズ・オブ・ギャラクシー』Ⓒ 2020 MEGA MOVIES RELEASING, LLC. All Rights Reserved

映画業界の惑星タトゥイーンことアサイラム社

土壇場でパルパティーン皇帝に一切の戦争責任を押し付けたことでおなじみの大人気SFスペースオペラ、『スター・ウォーズ』シリーズ続三部作(シークエル・トリロジー)。その9作目『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(2019年)の公開に合わせて、映画業界の惑星タトゥイーンことアサイラム社が、またしてもパチモン映画をリリースしてしまった。

その名は『ウォーズ・オブ・ギャラクシー』(2019年)。原題は『バトル・スター・ウォーズ(BATTLE STAR WARS)』と、文字通りスター・ウォーズにケンカを売っているタイトルだが、おそらくこれもまた裏で手を引くシスの暗黒卿が生み出した幻のひとつなのだろう。

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というわけで今回はアサイラム社渾身のスペースオペラ、『ウォーズ・オブ・ギャラクシー』を紹介していこう。

……なお国内DVD版ジャケットの右上に堂々と映っている、ややカイロ・レンじみた仮面の男は、その実メインキャラクターでも何でもない名無しの一パイロットに過ぎないため注意しよう。彼の出番は1分に満たない。

『ウォーズ・オブ・ギャラクシー』発売中
税抜価格:¥4,800
発売:ニューセレクト株式会社
販売:アルバトロス株式会社

惑星連合vs反乱軍! どこかで聞いたような宇宙バトル

遠い未来、銀河系を統治する“惑星連合”の指導者マニストー卿は、その力を思いのままに振るい、人々を支配せんと目論んでいた。対する“反乱軍”のリーダー、コーブリン船長は、マニストー卿の独裁政権から逃れるべく、秘密の惑星“ヘイヴン”を目指して出発。それゆえ反乱軍は、マニストー卿が放った尖兵と、惑星連合と協力体制を取る“パラディン”の騎士に追われることとなる。

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惑星連合の砲撃や、宇宙海賊の裏切りに遭いながらも、辛うじてヘイヴンに到着したコーブリン。だが、その後コーブリンの行方とヘイヴンの座標を把握したマニストー卿は、反乱軍を殲滅するためにスペースシップで強襲を仕掛ける。

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惑星連合と反乱軍、両陣営の対立が決定的となったそのとき、戦いの鍵を握るのは、ヘイヴンの地底に眠るという特殊なエネルギー資源“マナ”だった……。というのが本作の概要である。

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監督は『トゥームインベイダー』(2018年)と『MEGALODON ザ・メガロドン』(2018年)のジェームズ・トーマス。キャストには、上述の『MEGALODON ザ・メガロドン』からエイミー・ストルティが出演している。

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言葉の響きは良いが意図がよくわからないオリジナル用語の数々

まず本作は、脚本構成が正気の沙汰ではない。「主要人物の誰かしらが、敵対組織のスペースシップから、小型機を用いて密かに逃げ出す」展開を、序盤30分の間に3回連続で繰り返している。オープニングで主人公が、爆発四散するスペースシップから脱出するシーン。悪の“惑星連合”を裏切ったヒロインが、脱出ポッドでスペースシップから飛び出すシーン。そして宇宙海賊に捕らえられた主人公が、小型艇を用いてヒロインと逃走を図るシーンを、3度立て続けに展開する前半は、あまりにバリエーションに乏しい。

『ウォーズ・オブ・ギャラクシー』Ⓒ 2020 MEGA MOVIES RELEASING, LLC. All Rights Reserved

かつ本作は視聴者に対する設定解説もそこそこに、冒頭からオリジナルの専門用語/固有名詞を連発してくるため、少々話に入りにくい。“パラディン”、“マナ”、“ノヴァク”などの「言葉の響きこそ良いものの、それが作中で一体全体どういったものであり何の役割を指すものなのか絶妙に不明瞭な」単語が飛び交う会話劇が、本作を楽しむ上での妨げとなるだろう。

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何よりまともなSFアクションシーンが最終盤まで少なく、基本的に「主要人物が、大きめの武器なり何なりを手前に構えた状態のまま、何やら論じ合っているシーン」ないしその類型で尺の大半を占めているため、余計に評価が難しい作品となっている。

『ウォーズ・オブ・ギャラクシー』Ⓒ 2020 MEGA MOVIES RELEASING, LLC. All Rights Reserved

その他、設定上は“反乱軍”と“惑星連合”がそれぞれ大部隊を率いて争うという、銀河規模のスケールの作品であるにもかかわらず、画面上には一度に多くて4~5人しか映らないがために、あまり壮大さを感じられない点もネックだろうか。

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本家『スター・ウォーズ』風のワイプやフォースグリップ、戦闘機コックピットの正面アングルに、ノイズ混じりの青白い立体映像などといった遊び心には多少口元が緩んだものの、それ以上に単調で、見所に欠いた作りの一本だ。

この燦燦たる有様には、スカイウォーカーも“夜明け”どころか思わず“タワケ”と口を滑らせるに違いない。

『ウォーズ・オブ・ギャラクシー』Ⓒ 2020 MEGA MOVIES RELEASING, LLC. All Rights Reserved

文:知的風ハット

『ウォーズ・オブ・ギャラクシー』はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2021年6月放送

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『ウォーズ・オブ・ギャラクシー』

宇宙のどこか、邪悪な惑星連合軍に支配された銀河系。独裁者マラストー卿に抵抗する反乱軍リーダーのコーブリンは、戦いの鍵を握る未知の資源マナ・コアを求めて惑星ヘイヴンを目指す。一方、父親に反逆して戦いに身を投じたマラストー卿の娘アステラは、コーブリンと行動を共にする。

制作年: 2019
監督:
出演:
  • BANGER!!!
  • 映画
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