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女子高生と殺人鬼の“中の人”が入れ替わる!?『ザ・スイッチ』インタビュー到着! 大ヒット『ハッピー・デス・デイ』監督最新作

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ライター:#斉藤博昭
女子高生と殺人鬼の“中の人”が入れ替わる!?『ザ・スイッチ』インタビュー到着! 大ヒット『ハッピー・デス・デイ』監督最新作
『ザ・スイッチ』© 2020 UNIVERSAL STUDIOS

主演キャスリン・ニュートン&クリストファー・ランドン監督が語る!

ハリウッドが得意とするのは、ジャンルを超えたハイブリッドなエンタメ作品。特にホラーやスリラーに、コメディの要素を加えるのは天下一品だ。ドキドキさせて、笑える。下手をすれば違和感アリアリになってしまう高難度テクニックを、軽々とこなす快作が『ザ・スイッチ』。恐るべき連続殺人鬼の中年男と、日々どこかウップンがたまっている女子高生の身体が入れ替わる。そんな奇抜な設定をノンストップの勢いで描いた一作だ。

『ザ・スイッチ』© 2020 UNIVERSAL STUDIOS

製作は『ゲット・アウト』(2017年)、『透明人間』(2020年)など新感覚ホラーを作らせたら、いまハリウッド最高峰のブラムハウス・プロダクションズ。面白さは保証付きというわけだ。

メインキャラの女子高生ミリーを演じたキャスリン・ニュートンと、監督のクリストファー・ランドンに話を聞いた。

L:クリストファー・ランドン監督 R:キャスリン・ニュートン 『ザ・スイッチ』© 2020 UNIVERSAL STUDIOS

「最初は自信がなかった。連続殺人鬼になったことなんてないし(笑)」

キャスリン・ニュートンの名前は、日本ではそれほど知られていないかもしれない。ハリウッド製作の『名探偵ピカチュウ』(2019年)でヒロインを演じたほか、『レディ・バード』(2017年)や『スリー・ビルボード』(2017年)といったアカデミー賞に絡む名作にも出演。映画ファンなら、なんとなくその顔に見覚えもあるはず。2020年末、マーベルの『アントマン』シリーズ(2015年~)新作のメインキャストに大抜擢され、トップスターの道をまっしぐらの才能だ。

『ザ・スイッチ』© 2020 UNIVERSAL STUDIOS

現在23歳のキャスリンだが、14歳の時にすでにブラムハウスの作品『パラノーマル・アクティビティ4』(2012年)に出演。その時の実力を買われ、今回のキャスティングも決まった。

本音を言えば、私にこんな大役が務まるのか自信がなかった。だって連続殺人鬼になったことなんてないし(笑)、最初はどう演じればいいかわからなかったの。でも監督が『パラノーマル・アクティビティ4』で脚本を担当したクリストファー・ランドンだったので再会を喜べたし、的確に指導してくれた。撮影が始まって、クルーのみんなが私を信頼しているのが伝わってきたわ。

『ザ・スイッチ』© 2020 UNIVERSAL STUDIOS

「チェーンソーを手にしたアクションも、血まみれになって楽しんだ」

キャスリンが演じたミリーは、映画『ピッチ・パーフェクト2』(2015年)が大好きで、学校でトップに君臨するグループには引け目を感じていたりする、今どきの女子高生。どんな共通点があったのだろうか?

ミリーはかなり私に近いキャラかも。私は、どちらかと言えばオタクで変人タイプ。“おばあちゃんみたい”と言われることもある(笑)。でも高校時代はゴルフチームのキャプテンを務めたり、学級委員長に立候補したりして、なんとかイケイケの目立つ生徒を目指したわ。そんなところもミリーに似てるでしょう? あとは食べることが大好きで、お寿司は毎日でもOKなくらい。いま最も愛しているのは、プードルたち。大親友よ。朝起きてすぐに抱きしめてるの!

『ザ・スイッチ』© 2020 UNIVERSAL STUDIOS

スター街道を驀進中とは思えない、屈託のない受け答えのキャスリン。『ザ・スイッチ』で殺人鬼の心が宿り、過激なアクションをこなす姿とはギャップもあり、さすが、女優だ。

(殺人鬼役の)ヴィンス・ヴォーンはアイデアの宝庫なので、おたがいに気軽に意見を出し合って、キャラクターを完成させた感じ。アクションはとにかく大好き。『名探偵ピカチュウ』では空を飛んで大興奮した(笑)。今回もスタントダブルの女性にお手本を見せてもらい、ほぼ自分でこなしたのよ。車の運転ではドリフトやドーナツターンを覚えたし、最初は嫌だったチェーンソーを手にしたアクションも、血まみれになってるうちに楽しんでたわ。

このコメントからすると、『アントマン』に出演が決まった時のキャスリンの喜びは察して余りある。

『ザ・スイッチ』© 2020 UNIVERSAL STUDIOS

「キャスリンの爪を噛んだり髪をいじったりする癖をヴィンスに身につけてもらったんだ」

そして監督のクリストファー・ランドン。同じブラムハウスで大成功を収めた、前作の『ハッピー・デス・デイ』2作(2017~2019年)も、主人公の女子高生が自分が殺される誕生日を何度も繰り返すという設定。ホラーコメディというだけでなく、青春映画のテイストも今回の『ザ・スイッチ』に通じる。ランドンはジョン・ヒューズの大ファンなのだそうで、『ザ・スイッチ』では、ヒューズの代表作『フェリスはある朝突然に』(1986年)のメインキャスト、アラン・ラックを起用している。

もちろんジョン・ヒューズへのオマージュだよ。僕はこれまでの監督作にも、ヒューズのエッセンスを取り入れてきた。アランが『フェリス~』で演じた主人公の親友キャメロンは、映画ファンからアイコンのように愛され続けている。そのキャメロン役を意識しながら、今回、やや意地悪な教師のキャラクターを作り上げたんだ。こんなチャンスはめったにないと、アランにめちゃくちゃなことをやらせたけど、性格がいい彼は楽しんで演じてくれたよ。

 

『ザ・スイッチ』の肝となるのは、キャスリン・ニュートンの女子高生と、ヴィンス・ヴォーンの殺人鬼の身体が入れ替わった後の演技である。監督のランドンはどのように演出したのだろうか。

まずキャスリンの日常風景を撮影し、ビデオダイアリーのようなものを作った。それをヴィンスに見てもらって、爪を噛んだり、髪をいじったりする彼女の癖を身につけてもらったんだ。ボディランゲージの伝達と言ってもいいかな。その行程を繰り返し、リハーサルにも時間をかけた結果、入れ替わり後の演技が完成していった。

『ザ・スイッチ』© 2020 UNIVERSAL STUDIOS

「子供の頃、よく父親と一緒にホラー映画を観た。それが僕の原点だ」

ただ怖いだけではないホラー映画ということで、「少年時代に観た『ポルターガイスト』(1982年)が大好き。家族関係を描いていて、怖いうえに笑えて、感動もさせる。ホラーで泣けることに映画館で驚いたのは、忘れられない思い出」と語るランドン。そしてホラーが好きになった理由に、ある人からの影響を挙げる。

子供の頃、よく父親と一緒にホラー映画を観た。それが僕の原点だ。たびたび父の撮影現場も訪れ、楽しそうに仕事をする父の姿を見続けたことで、いま監督になった僕も現場を楽しくしようと心がけている。

ランドンの父とは、マイケル・ランドン。日本でも人気を集めたTVシリーズ『大草原の小さな家』(1974~1983年)の父さん/チャールズ・インガルス役など、俳優として活躍した人である。

最後に、肉体が入れ替わる映画として、日本で『君の名は。』(2016年)が大ヒットし、『ザ・スイッチ』と似たような描写があることを話すと、「何それ? 知らなかったよ。できるだけ過去の映画の描写を避けたつもりだったのに(笑)。今からでも観なくちゃ」と無邪気に笑う、クリストファー・ランドンだった。

取材・文:斉藤博昭

『ザ・スイッチ』は2021年4月9日(金)より全国公開

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『ザ・スイッチ』

ミリーは、片思い中の同級生にも認識されない地味な高校生。親友たちと普通の学校生活を送っていたが、ある13日の金曜日、連続殺人鬼“ブッチャー”に襲われ謎の短剣で刺されてしまう。

間一髪、命は取り留めたミリーだが、次の朝目覚めるとミリーとブッチャーの身体が入れ替わっていた。

女子高生姿のブッチャーが虐殺計画を進めるなか、中年男姿のミリーは24時間以内に身体を取り戻さないと一生元の姿に戻れないことを知り……。

制作年: 2020
監督:
出演: