スパイ映画のイイトコどり!アレクサンドル・ペトロフ主演 ロシア産アクション大作『ザ・スパイ ゴースト・エージェント』

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ライター:BANGER!!! 編集部
スパイ映画のイイトコどり!アレクサンドル・ペトロフ主演 ロシア産アクション大作『ザ・スパイ ゴースト・エージェント』
『ザ・スパイ ゴースト・エージェント』© Kargo Films, 2019

あのゴーゴリくんのイメチェンに萌え! ロシア発の本格スパイ・アクション

ロシアが生んだ人気オカルティック・ミステリー・アクション『魔界探偵ゴーゴリ』三部作(2017~2018年)の主人公ゴーゴリくん役でおなじみ、アレクサンドル・ペトロフ主演のノンストップ・スパイ・アクションが『ザ・スパイ ゴースト・エージェント』だ。

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『ザ・スパイ ゴースト・エージェント』© Kargo Films, 2019

顔面蒼白ヨレヨレ系ゴシック男子だったゴーゴリ役とは打って変わって、本作ではスッキリ短髪カジュアル男子に変貌したペトロフくん。主人公としてのわかりやすいパンチこそなくなったが、こうして見ると彼のイケメンぶりがよくわかる。それでも彼の魅力はどこか頼りないナヨっぽさであって、そんな彼の魅力を最大限活かした内容になっている。

さて、本作でペトロフくんが演じる主人公アンドレイはウィーンでスケボーショップを経営している青年として登場するが、実は元スパイ。彼の亡き父は、ロシア対外情報庁(SVR)で潜入スパイ“スリーパー”を養成する極秘計画に関わっていた大佐だったため、アンドレイ自身もかつてスパイだった、というすさまじいバックボーンの持ち主だ。そんな彼の店に、死んだはずの父親から電話がかかってきたからさあ大変。しかも電話口で「逃げろ」と言われた直後に、怪しい中年客がいきなり襲いかかってきた……!

『ザ・スパイ ゴースト・エージェント』© Kargo Films, 2019

スパイ映画好きは必見! ハリウッド大作に引けを取らない工夫とクオリティに脱帽

さすがにハリウッド大作と比べたら予算は控えめだと思うが、序盤からポンポンとテンポの良い展開で釘付けにしつつ、なぜ? 誰が? 何のために? という謎解きシークエンスと激しいアクションを交互に繰り出すことで、観客を飽きさせない工夫が光る。武器チョイスや小道具使いなど、細かいところにスパイならではの知恵やスキルを散りばめているのも小気味いい。また、ある理由でドロップアウトした元スパイというアンドレイのキャラクター設定が秀逸で、ストリート男子な風情と軽妙な性格は思わず応援したくなる愛おしさだ。

『ザ・スパイ ゴースト・エージェント』© Kargo Films, 2019

少し強引に例えるならば、ジェニファー・ローレンス主演のスパイ映画『レッド・スパロー』(2018年)の設定に『キングスマン』シリーズ(2014年~)のケレン味、さらに『ミッション:インポッシブル』シリーズ(1996年~)ばりのアクションや『ボーン』シリーズ(2002年~)のような逃亡ミステリー要素もプラスした、スパイもののいいとこ取りといった感じだろうか。それでもコッテリしすぎないのはアンドレイ=ペトロフくんと、彼が助けを求めるヒロインのマーシャを演じるスヴェトラーナ・ホドチェンコワの涼しげなルックスの効果も大きいはず。

『ザ・スパイ ゴースト・エージェント』© Kargo Films, 2019

ホドチェンコワは初見と思う人が多いかもしれないが、『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013年)で毒蛇ミュータントのヴァイパーを妖艶に演じていたあの人! 2人のほのかなラブストーリーも爽やかかつ刹那的で、この関係が最後の最後までしっかり活かされているのがすごい。

観客を裏切りまくる二重三重に仕込まれたビックリ展開にワクワクが止まらない!

アンドレイとマーシャはアンドレイの父ロダンに会って真相を確かめようと、オーストリア、ドイツ、ポーランドと欧州を転々と移動するが、そこにユース出身のスパイたちを動かすためのパスワード(マクガフィンにならず最後までしっかり機能)を狙うSVRの追手が迫る。捕らわれたマーシャを救出する潜入シークエンスからのスリルはなかなかのものだし国家レベルの陰謀と対峙するストーリーは壮大だけど、いかにもなワルモノが不在なのは緊張感に欠けるな……とか思っていると、ある“秘密”とやらをチラつかせてから一気にブースト! な演出も見事だ。

『ザ・スパイ ゴースト・エージェント』© Kargo Films, 2019

いちいちアンドレイと終始ムッツリな父ロダンとの親子ネタで笑い&萌えポイントを提供するところなどは、もはや余裕すら感じさせる。一見するとフツーの疲れたオジサンなロダンの無双シーンも中盤の良いフックになっていて、そこからは全4話くらいのミニシリーズにしても良かったのでは? というくらい予想外のネタばらし&びっくり展開が始まるものだからワクワクが止まらない。お察しの通り機能不全父子の物語でもあり、悲劇をトリガーとしたアンドレイの“覚醒”がカタルシスを呼ぶラストも◎。

『ザ・スパイ ゴースト・エージェント』© Kargo Films, 2019

劇中曲の野暮ったさはご愛嬌ということでスルーするが、ジェット水流を利用した“フライボード”で空中を泳ぎ回る敵が登場する映画なんて他にないと思うし、ここ数年で日本公開されたエンタメ系ロシア映画の中では間違いなくトップクラスに楽しめる快作だ。

『ザ・スパイ ゴースト・エージェント』© Kargo Films, 2019

『ザ・スパイ ゴースト・エージェント』はヒューマントラストシネマ渋谷「未体験ゾーンの映画たち2020 延長戦」で2020年6月19日(金)より公開

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『ザ・スパイ ゴースト・エージェント』

ロシア対外情報庁《SVR》が創設した、スパイ養成学校《ユース》。優秀な若者を潜入スパイ“スリーパー”として訓練する極秘計画は、創設者ロダン大佐の死により凍結された。そして15年後、元スパイのアンドレイは、死んだはずの父ロダン大佐からのメッセージを受け取る。それは何者かが、《ユース》出身エージェントを狙っている、というものだった。アンドレイは敵の襲撃をかわしながら、かつての仲間マーシャと共に反撃を開始。敵の狙いは、《ユース》の極秘パスワードだ。それを使えば、世界各国の中枢に潜入したスリーパーたちが目覚め、テロ活動を開始する。アンドレイは陰謀を阻止するため、裏切り者の正体を暴こうとするが……。

制作年: 2019
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