トリウッドは『バーフバリ』から『サーホー』ワールドへ! 複雑な人間関係を予習できる動画あり!!

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ライター:松岡環
トリウッドは『バーフバリ』から『サーホー』ワールドへ! 複雑な人間関係を予習できる動画あり!!
『サーホー』

プラバースの新たな代表作誕生! 今回も「父と子」がテーマ

『バーフバリ 伝説誕生』(2015年)と『バーフバリ 王の凱旋』(2017年)は、日本のインド映画ファンに大きなインパクトを残した。特に『王の凱旋』は、インド映画ファン以外にも多くの人を夢中にさせたことも記憶に新しい。そんな人々が待ち望んでいたのが、バーフバリ父子二役を演じたプラバース主演作『サーホー』である。歴史劇スペクタクル『バーフバリ』シリーズとはまったく異なり、『サーホー』は現代アクションものというか、近未来アクションの要素も含まれたハードボイルドタッチの作品だ。

『サーホー』

主たる舞台となるのはインドのムンバイと、架空の都市ワージー、そしてこれも架空の村カラナ。ほかにヨーロッパ各地が登場し、CGで作り込まれた世界も含めて、スケール感は『バーフバリ』にひけを取らない壮大さ。そして全編を貫くテーマが、今回も「父と子」なのである。

『サーホー』

ただ、このテーマは最後まで見ないとわからない。途中にはいろんな事件が脈絡なく出てきて混乱させられるし、それらの事件の結末が常にある方向を指していたことがわかるのも、終盤近くになってからだ。単なるアクション映画ではなく、非常に緻密に組み立てられた“『サーホー』サーガ”とでも言うべき作品であり、プラバースが担うのにふさわしい物語だ。ここで少し、具体的にストーリーを見てみよう。

『サーホー』

複雑に絡み合う人間ドラマ! 基本ストーリーをざっくり解説

20年前にムンバイ(当時はボンベイ)からワージーに逃れ、そこの裏社会のボス、プルドヴィラージ(ティーヌー・アーナンド)から跡継ぎに指名されて、国際的な裏組織を支配するようになったロイ(ジャッキー・シュロフ)。だがロイは、ムンバイに戻って合法ビジネスを展開しようとしたとたん暗殺される。

『サーホー』

その後、ロイ組ではプルドヴィラージの息子であり実権を握ろうとするデーヴラージ(チャンキー・パーンデー)と、その腰巾着プリンス(マヘーシュ・マーンジュレーカル)らと、ロイの片腕的存在であるイブラヒム(ラール)およびロイの法律顧問カルキ(マンディラ・ベーディー)らとが対立していた。そこへ、ロイの隠し子ヴィシュワク(アルン・ヴィジャイ)が姿を現し、ロイ組の金庫を開ける鍵は「ブラックボックス」だと告げる。

『サーホー』

一方ムンバイ警察は、謎の強盗事件が次々と起こるため、署長シンデー(プラカーシュ・ベーラワーディ)に警部デヴィッド(ムルリ・シャルマー) 、その部下ゴースワミ(ヴェンネラ・キショール)らが捜査にやっきとなっていた。やがて、3人の男の連続殺人事件を捜査していた女性刑事アムリタ(シュラッダー・カプール)と、上司の命で落下傘的にやってきた捜査官アショーク(プラバース)も加わり、あやしい男(ニール・ニティン・ムケーシュ)があぶり出されてくる。そうこうするうちに、カルキがブラックボックスの件でムンバイに現れるが……。

『サーホー』

ストーリーはかなり入り組んでいるので、まずは登場人物の顔と名前、それからどのグループに属するのかを憶え、それで『サーホー』を見ると結構助けになるはずだ。配給会社のツインはその点至れり尽くせりで、公式サイトに「予習で備えよ! 映画『サーホー』 万歳世界<サーホー・ワールド>の歩き方」という、「地球の歩き方」もひれ伏すガイドを付けてくれている。その最後にある「人物相関図」は、チラシに載せられているものよりもさらに詳細で、これだけしっかり頭に入れておけば、映画が十分に楽しめるだろう。

『サーホー』

本編から見せまくりの大盤振る舞い公式動画が予習に最適!

また、公式サイトに加えて、本編映像が何シーンかYouTubeにアップされており、これまた事前に見ておくとものすごく助かるはずだ。特に、オープニング映像が字幕付きで見られるのは、本当にありがたい。これだけでワージーの裏組織メンバーは、ほぼ顔が判明する。これを含む、アップされたシーンは以下の通りだが、ワージー、そしてムンバイ、最後がカラナ村という絶妙の配分となっている。

アクションのチラ見せ動画もアップされているが、まだまだすごいアクションシーンがいくつもあるのでお楽しみに。

もちろん、映画館の大スクリーンでお初にお目にかかりたい! とおっしゃる方は、事前情報をシャットアウトして初日を迎えるのもアリだ。そういうファンには、二度、三度とリピートするのもまた、大いなる楽しみとなることだろう。

それから本作のソング&ダンスシーンも、どれもが超豪華&イメージ豊かで見応えがあるのだが、そのうちの1曲「Psycho Saiyaan(狂気の恋人)」が字幕付きでYouTubeにアップされている。

ソング&ダンスシーンはほかに3曲あり、プラバースとシュラッダー・カプールが様々な場所で歌い踊る2曲のほか、ボリウッドの人気女優ジャクリーン・フェルナンデスがアイテム・ガール(歌のシーンだけに出演する女優で、セクシーな踊りを見せる存在をこう呼ぶ)として出演する群舞シーン主体の1曲もある。本格的なソング&ダンスシーンが4曲も入る作品は、現在のボリウッド映画ではなかなか見当たらない。

『サーホー』

ボリウッドのお株を奪う!? テルグ語映画「トリウッド」の存在感が拡大!

テルグ語映画なのに、ボリウッド映画のお株を奪っているのはソング&ダンスシーンだけではない。主演のプラバースはテルグ語映画界生え抜きの俳優だが、相手役のシュラッダー・カプール、重要な役を担うジャッキー・シュロフやニール・ニティン・ムケーシュ、脇を固めるチャンキー・パーンデー、マンディラ・ベーディー、そしてムルリ・シャルマーらは皆ボリウッド映画界の俳優、というように、キャストもボリウッド映画からお株を奪っているのだ。

『サーホー』

もちろん、本作がヒンディー語とテルグ語の2言語で撮影されたほか、マラヤーラム語とタミル語の吹き替え版が製作されたことが関係しているが、『バーフバリ』のヒット以降、トリウッド(ヒンディー語映画界=ボリウッドに対し、テルグ語映画界はこう呼ばれる)の存在感が急速に拡大したことの表れだろう。

予習してから見るか、それとも二度三度と映画館に足を運ぶか――壮大なお楽しみ『サーホー』ワールドが、あなたを待っている。

文:松岡環

『サーホー』は2020年3月27日(金)より全国ロードショー

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『サーホー』

大都市ワージー。ここでは幾つもの犯罪組織が街を支配している。ある日、それら組織の頂点に君臨する初老ロイが交通事故に見せかけて殺される。組織のメンバーであり実力者の1人であるデーヴラージが後継者の座を狙うが、ロイの息子も新たなボスとして名乗りを上げる。それぞれの思惑が交差する中、ムンバイでは3億ドル相当の大規模な窃盗事件が発生。IB潜入捜査官アショークは相棒の女性警察官アムリタ等と共に、事件を捜査する。

制作年: 2019
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