「“バイフー(バイク+カンフー)”シーンの撮影はとても楽しかった」『ジェミニマン』アン・リー監督が最新アクションを語る

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ライター:BANGER!!! 編集部
「“バイフー(バイク+カンフー)”シーンの撮影はとても楽しかった」『ジェミニマン』アン・リー監督が最新アクションを語る

2019年10月25日(金)より公開中のウィル・スミス主演最新作『ジェミニマン』。『ブロークバック・マウンテン』(2005年)や『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』(2012年)など数々の名作を手掛けてきたアン・リー監督が、最新技術の粋を結集した本作で描きたかったものとは?

『ジェミニマン』アン・リー監督

「人間に対する多くの“問い”を、この映画を通じて探求してみたいと思った」

―『ジェミニマン』は長らく技術が追い付かず頓挫していた企画だったそうですが、オファーが来たときには挑戦しがいのある作品だと思いましたか?

この映画は、様々なテーマが浮かび上がるところに魅力を感じました。ウィル・スミスが若いころのウィル・スミスと対峙する姿を同じ画面で見せることを想像したときに、その摩訶不思議な感覚を映像化したい、と思ったんです。自分と向き合うことは、どういうことなのか? 理屈や言葉で分析することはできますが、実際に画にするときには“捉えどころのないものを映像化してみたい”と。

『ジェミニマン』© 2019 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

そこから浮かび上がってくるテーマとして「人間は唯一無二の存在なのか?」「自我とは何か?」「クローンにも自我があるのか?」「人は遺伝子以上の何ものでもないのか?」「人は遺伝子、または育つ環境によって決定づけられるのか?」「自分自身と向き合うことで出てくる葛藤とは何か?」と、人間に対する問いが数多く出てくるので、この映画を通じて探求してみたいと思いました。

『ジェミニマン』アン・リー監督

―監督は劇中で描かれているバイクアクションのことを“バイフー(バイク+カンフー)”と呼ばれていたそうですが、そのアイディアはどこから生まれたのでしょうか?

“バイフー”はアクションの振付師が考えてくれました。この振付師は香港スタイルのカンフーを習得した方で、『ジョン・ウィック』のアクションも手がけています。『ジョン・ウィック』(2014年)では“ガンフー”(銃+カンフー)をやっていましたが、『ジェミニマン』ではバイフーや、柔術と掛け合わせた“バイ術”をやってみるのはどうか? と提案がありました。これにはロケの都合もあったのですが、新しい機材を使っていたので色んなところに運び出すのは難しく、一か所で際立ったアクションシーンを撮るための振り付けが考案されました。そうして、スクリーンでは初めて実現されるバイフーが生まれたのです。

あのシーンはとても象徴的なもので、ウィル・スミスが若いウィル・スミスにこてんぱんにやられ、屈辱を受けます。そして、バイクでウィル・スミスをぶん殴るときや、海岸沿いの壁の上を走るシーンのスタントは、ワールドクラスの人物に演じてもらっています。パルクールを使ったアクションシーンでは、パルクールのワールドクラスの達人を起用しました。バイフーのシーンの撮影はとても楽しかったですよ(笑)。

『ジェミニマン』© 2019 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

「撮影手法が変わることによって、まったく新しい映画言語が作り出される」

―3D映像の芸術性は、どんなところにあるとお考えですか?

どういったところに芸術性があるのか、見出せそうか、僕もまだ探索中ではあります。まず3Dないしはデジタル領域において少なくとも言えることは、観客が3Dを受け入れやすくなったのはデジタル技術があったからこそだと思います。デジタルだからこそ、私たちが裸眼で日々見ている周りの光景を再現することができるのですから。

『ジェミニマン』© 2019 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

手法的な話をすると、今まで映画はクローズアップや、カメラの視点を変えるようなギミックによって、観客の視点を誘導していました。ですが、3Dの世界では今までとはまったく違う手法が生み出され、新しい映画言語が出てくるでしょう。

『ジェミニマン』で使用したハイフレームレートや3Dが微細に被写体を捉えるので、今まで不可能だった人物の表情に寄るドラマを撮影することが可能になり、頭の中で何を考えているのか理解できます。ビジュアル的にも、よりコントラストを効かせ、より解像度を上げて、そして光の当て方も変わってきます。

『ジェミニマン』アン・リー監督

―『ジェミニマン』によって現実化してきたと思いますが、もう少し先の未来では、実際の俳優がVFXのキャラクターに置き換えられますか?

近い将来に起きることはないですね。ウィル・スミスの若い時をVFXで再現したジュニアというキャラクターを制作するには、ウィル・スミスの出演料の何倍ものお金がかかります。だから、そんなに簡単には変わらないですよ。照明の当て方や肌の質感など、全てを完璧に作り上げても、計算上は完璧だったとしても、人間らしさを作り出すのはとても難しいです。

本作で押し進めた技術は、ちょっとした加齢や筋肉の動きを微調整することには役立つと思います。VFXはモンスターや恐竜、車の衝突などに使用されていると思いがちですが、ちょっとしたことに工夫を凝らす際にも使えますよね。今回のように、世界屈指のVFXアーティストを集めて数年がかりで作り上げたものが、上手くいくかどうかもわからない状態で大量のお金を投じることになるので、生身の俳優が演じることにはかないませんね。

『ジェミニマン』© 2019 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

「『バッドボーイズ』のワンシーンで最新技術のテストをした」大ヒット請負人J・ブラッカイマーが『ジェミニマン』撮影を振り返る!

『ジェミニマン』は2019年10月25日(金)より全国ロードショー

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『ジェミニマン』

ウィル・スミス演じる伝説的暗殺者が、政府に依頼されたミッションを遂行中、何者かに襲撃される。襲撃者の正体が若い自分自身だと知り、政府を巻き込むクローン技術の巨大な陰謀に巻き込まれていく、近未来アクションエンターテインメント!

制作年: 2019
監督:
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