あなたが観たい映画・ドラマを一発的中※ 会員登録が必要です

気分(複数選択可)
年代(複数選択可)
作品タイプ(複数選択可)
  • BANGER!!! トップ
  • >
  • 映画
  • >
  • なぜ“日本産のサメ映画”は少ないのか?「3つの理由」を考察!『温泉シャーク』が示唆する新たな金脈

なぜ“日本産のサメ映画”は少ないのか?「3つの理由」を考察!『温泉シャーク』が示唆する新たな金脈

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook
ライター:#BANGER!!! 編集部
なぜ“日本産のサメ映画”は少ないのか?「3つの理由」を考察!『温泉シャーク』が示唆する新たな金脈
『温泉シャーク2 九州大決戦』©︎2026 PLAN A inc.

もう観た?『温泉シャーク2』全国公開中!

9月4日(金)、全国の劇場で新たな“怪作”が産声を上げ、スクリーンを血に染めている。その名も『温泉シャーク2 九州大決戦』。2024年に公開され、クラウドファンディングで熱狂的な支持を集めながら国内外を席巻した前作『温泉シャーク』の続編だ。

『温泉シャーク2 九州大決戦』©︎2026 PLAN A inc.

支援額に応じて劇中のサメが増殖する「サメマシマシプラン」などの奇抜なクラウドファンディングを実施し、前作を上回る約3000万円の制作資金を集めた本作。さらには「サメが増えすぎて襲われる人間の悲鳴が足りない」という理由で、SNSを通じて“断末魔”の音声を緊急公募するなど、その異常なテンションでも注目を集めていた。

ところで……四方を海に囲まれた海洋国家でありながら、なぜ日本には「国産のサメ映画」が極端に少ないのだろうか?

『温泉シャーク2 九州大決戦』©︎2026 PLAN A inc.

日本に「サメ映画」が少ない「3つの理由」

現在、各種動画配信サービスなどで「日本産のサメ映画」を探しても、目ぼしいものは前述の『温泉シャーク』(1作目)、インディーズから現れた『令和シャーク』(2022年)、そして時代劇と忍者とサメを融合させた『妖獣奇譚 ニンジャVSシャーク』(2023年)くらいしか見当たらない。

それ以前の日本映画史をさかのぼってみても、いわゆる「動物パニック映画の系譜」に属するサメ映画は皆無に等しい。ごく一部の自主制作映画やVシネマの片隅に埋もれた作品はあるかもしれないが、少なくとも商業映画としてジャンルを確立した「国産サメ映画」は存在しないと言えるだろう。

この特異な空白地帯が生み出された背景には、いくつかの理由が考えられる。

『温泉シャーク2 九州大決戦』©︎2026 PLAN A inc.

第一に、日本の「特撮映画」の圧倒的な存在感だ。1954年の『ゴジラ』以降、日本においてパニック映画といえば「巨大怪獣もの」であった。放射能によって生まれた怪獣や、大自然の化身としての巨大生物など、虚構性が高くメタファーを含んだモンスターを描く文化が日本には深く根付いた。

一方、欧米ではスティーヴン・スピルバーグ監督の『ジョーズ』(1975年)が大ヒットし、「実在する動物が人間を襲う」というリアル志向の動物パニック映画が一大ジャンルとなった。日本人はスクリーンの中で「非日常の巨大怪獣」が暴れることを好んだため、等身大の動物パニック映画の土壌は耕されなかったのだろう。

第二に、「サメに対するリアリティの欠如」が挙げられる。日本は海に囲まれているものの、オーストラリアやアメリカの一部地域のように「サメによる獣害(シャークアタック)」が日常的な脅威として社会問題化することは少ない。“サメの恐怖”はどこか対岸の火事であり、「サメ映画=ハリウッドのお家芸」という固定観念が日本の映画人にも観客にも形成されてしまったのではないだろうか。

そして第三に、2000年代以降の「サメ映画のミーム化」が挙げられる。アメリカのアサイラム社などに代表される低予算B級・Z級映画群が、サメを竜巻に乗せて空から降らせたり、頭の数を増やしたり、幽霊やゾンビにしたりと、あらゆるトンデモ設定をやり尽くしてしまったのだ。

日本にはそういった作品のファンが多くカルト的な人気を得ているが、その結果「サメ映画=ギャグ・おふざけ」というフォーマットが強固になりすぎた感もある。いざ日本で“真面目に”リアルなサメを描いても海外の大作には及ばないだろうし、かといってZ級のノリを商業映画でイチから撮るにはリスクが高い。こうしたジレンマが、国産サメ映画の製作を拒んできた要因として考えられる。

日本“ならでは”を増幅した新たなサメ映画の金脈

その長きにわたる膠着状態を打破したのが、日本の特撮文化とサメ映画のミームを真っ向から融合させた『温泉シャーク』の誕生であった。「温泉からサメが出る」というバカバカしい設定を、日本が誇る特撮技術(ミニチュアセットや爆破など)を用いて大真面目に映像化する――これは日本独自のサメ映画の“金脈”と言っても過言ではないだろう。

『温泉シャーク2 九州大決戦』©︎2026 PLAN A inc.

『温泉シャーク2 九州大決戦』のスクリーンを血と熱気で満たすサメたちは、長らく日本映画界に存在しなかった「国産動物パニック」の突然変異にして、新たな進化の証でもある。半世紀にわたりサメ映画の空白地帯だった日本で、これからどのような独自のサメ映画が養殖されていくのか。その行く末をしっかり見届けようではないか。

『温泉シャーク2 九州大決戦』©︎2026 PLAN A inc.

『温泉シャーク2 九州大決戦』は全国順次公開中

Share On
  • Twitter
  • LINE
  • Facebook

『温泉シャーク2 九州大決戦』

K県湯国町には、古くから「サメ太郎」伝説が語り継がれていた。
町の至るところに“サメ”を祀る意匠が残り、かつて猛威を振るったサメを退治した英雄の記憶を留めている。
しかし、暑海(あつみ)市の「温泉シャーク騒動」以降、湯国町は観光客の減少で、町の活気が失われていた。
主人公・速見天満は、ミュージシャンを夢見る女子高生。ある夜、天満は町に伝わる大切な「サメ太郎像」を誤って壊してしまう。
その直後、観光客の行方不明事件が発生する。
そしてこの町では、湯国町だけでなく九州全土を巻き込む恐ろしい計画が動き出していた。 

出演:柴田瑠歌 金子清文 内藤正記 藤村拓矢 中西裕胡 椎名すみや
    青柳尊哉 板倉光隆 / 勝野洋
脚本・監督:井上森人

制作年: 2026